【ショア青物ゲーム】ヒット率アップに繋がる基礎知識 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 3

【ショア青物ゲーム】ヒット率アップに繋がる基礎知識

海況を知る

青物ゲームにおいて最も大切なのが潮流である。ボートゲームでも同様だが、いわゆる「潮が止まる」状態は魚の活性に大きく影響する。潮が動くと海がかき回されて溶存酸素が増え、餌となるプランクトンなどが巻き上げられたり集まったりする。また、潮目と呼ばれる潮のヨレやぶつかり合いが発生してそこに餌が集まる。こうした状況では小魚をはじめとするあらゆる生きものが活性化するので、それらを餌とする青物たちも活性化するわけである。

同様に風もこうした潮流を起こす要素であるから、ゲームに支障のないレベルではありがたい存在である。ショアからのゲームでは風や波は最高の贈りものであるといえる。

ショアゲームの舞台となる浅いショアは、本来青物たちにとっては餌場ではあるが、同時に危険な場所でもある。しかし、波浪があればこの危険性は低減されるので、彼らは大胆に浅場に近づいてくる。また捕食の際にも波のないときに比べて大胆に振る舞う。さらに風や波浪は小型のベイトフィッシュを岸に寄せる効果があるので、この2つはショアゲームにとって最高のスパイスになる。

特に波浪が大きい場合には、普段はまったく無視されるような岸近くの浅場が彼らの餌場となっていることがままあるので、経験値や固定観念をあえて振り払ってチャレンジしてみると、思わぬ結果に恵まれるかもしれない。これは私自身の自戒も込めた意見である。

他にも水温の変化も見逃せない要素である。3種の中で最も低水温に強いのはブリである。ブリは北海道まで回遊することからわかるように、冷たい水の中でも行動できる。また濁った水を苦にしない。たとえば瀬戸内海のような海水が青緑色に濁ったような状況でも普通に回遊するし、むしろそういう色の場所を好む。

一方、ヒラマサやカンパチは暖かい水を好む魚なので、黒潮がきいているような青くてきれいな場所を好む。寒波で水温が急低下した場合などに、最も影響を受けやすいのはこの2種である。水温変化は魚の食いに影響を及ぼすが、たとえ水温が低下してもその後、数日が経過すればやがて順応して捕食を始める。浅いショアでは水温は前日、当日の気温に大きく影響されるので、その点を十分に見きわめたい。水温の急下降や急上昇は天気予報の気温情報からも推測することができる。

各種条件の読み取り方

今は各種モバイルツールやソフトが発達しているので、天気や潮位などの情報は瞬時に知ることができる。こうした情報ツールは大いに活用したい。天気予報、天気図、タイドグラフ、波浪情報、風予報などが一般的に使われる情報ツールである。これらをリアルタイムで頭に入れておけば、おおよそ釣り場の予想はつく。ただ海水温や潮流などはリアルタイムの情報がほとんどないので、前日、当日の天候や気温などから予測するしかない。

たとえば水中の変化は上から見ただけではなかなかわかりにくい。海上は竿が出せないようなすごい風が吹いていても、海中に潜ればしんと静まり返っているなんていうことはしょっちゅうである。「陸上の天気=海中の天気(?)」ではないということをまず頭に入れておく必要がある。

海水の動きは海面に現われる。目に見えて潮がどちらかに流れているということであればわかりやすいが、そうでない場合も多い。左右の流れならルアーを岸に対して直角方向にまっすぐ投げ、トレースするとわかりやすい。ルアーが手もとにきたときに左右どちらかに振れていれば、潮はそちらに向かって流れていることになる。根があればその周辺の水の動きで推測が可能だ。水中の流れは根にぶつかって持ち上げられ、水面に湧き上がってくるからである。

渦のようなものが発生することもある。こうした目で見てわかる、また手で感じてわかる情報は決して事前情報では得られないものである。あまり事前情報にばかりとらわれてしまうと、肝心の現場に着く前に頭がいっぱいになってしまう。事前情報はあくまでも予備知識的にとらえる方がよく、現地において自分の目や耳、あるいは手の感触で得た情報がリアルな状況だと考える必要がある。とにかく事前情報に振り回されないようにしたい。

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