【タイラバゲーム】数値化で極まる再現性。大鯛が狙えるディープ攻略の先進メソッドを公開 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア

【タイラバゲーム】数値化で極まる再現性。大鯛が狙えるディープ攻略の先進メソッドを公開

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ディープタイラバ数値化スタイル

「落として巻くだけ」という手軽さがタイラバゲームの魅力です。一方で、メソッドを突き詰めると釣果に大きな差となって表われるという奥深さを持ち合わせているのもこの釣りの醍醐味の1つ。ここではその醍醐味を味わえる考え方として私が実践している「数値化スタイル」を紹介します。難しいとされるディープエリアでのタイラバにおいても、ヒットパターンの高い再現性が得られるスタイルにぜひご注目下さい!!

TEXT:永田広也

タイラバの魅力といえば、難しいアクションなどは不要でタイラバを落として巻くだけで誰にでも簡単にマダイが釣れるところが第一に上げられます。その一方で知識や技術を突き詰めていくと釣果に大きな差がつくというのもこのゲームの醍醐味です。また、外海におけるディープタイラバではワンサイズ大きなマダイのヒット率が高いという魅力もあります。

今回の記事はやや難しい内容ですが、卓越したセンスや感覚などがなくても一度覚えれば誰にでも簡単に実践できる釣り方です。なおかつ、平均以上の釣果をすぐに上げられる内容となっています。ぜひ最後までご覧下さい。

【ディープタイラバ】数値化スタイルの解説MOVIE

【ディープタイラバ】数値化スタイルの概要

今回は日本海などで「ディープタイラバ」あるいは「ディープドテラ」と呼ばれている釣り(※以下、ディープタイラバ)でのスタイルについて解説させていただきます。

ディープタイラバでは、瀬戸内海などで盛んなスパンカーを使用したバーチカルのスタイルとは違って船をドテラで流します。

ドテラ流しとは船の側面で受けた風と潮の力で船を流す方法です。流れる方向は風と潮の向きと強さで決まりますが、基本的には船は横向き(右舷で釣りをしている状況なら左舷側に向かい、左舷で釣りをしている状況なら右舷側に向かう状況)で流れます。そのため風の影響をある程度受けている状態だと船とルアーの距離はどんどん離れ、初めはバーチカルに近い角度だったラインがどんどん斜めになります。

ディープタイラバ数値化スタイル
ラインがどんどん斜めになるのがドテラ流しでのディープタイラバの特徴です。

ラインの角度が斜めになるとレンジがあやふやになりがちですが、私はカウンター付きリールを使用したうえで、三角関数や三角比を用いた計算を駆使して可能な限り正確にレンジを把握しています。さらに、巻きスピードやフォールスピード、ラインの角度といったディープタイラバでマダイを釣るために必要な要素についても数値化することにより、あいまいな感覚に頼ることなく誰でもマネができるロジカルなスタイルで釣りを展開しています。

スタイル構築の経緯

初めてドテラ流しでのディープタイラバを行なったのは5年前です。その際に「ボトムから20㍍にマダイの反応あり」との船長のアナウンスを聞いたものの、ラインが斜めに出ている状況では何㍍巻けば自分のタイラバがボトムから20㍍のレンジに到達するのかがわかりませんでした。それを疑問に思ったのが数値化スタイルのスタートです。

その当時はwebなどで調べても「ラインが斜めに出ているから少し多めに巻く」くらいしか情報がなくて困りました。そしてあるとき、直角三角形の形で斜辺の長さを計算すれば答えが出るのではないかとふと思いつき、三角関数で計算した数値を基準値として何度も巻いてみました。

ただ、三角関数により導き出した数値は『船が流れるスピード』『潮の向きや強さ』『PEラインの浮力や抵抗』などそのときどき状況は考慮できていないので、計算してみたものの実際に使えるか半信半疑な面もありました。それでも「ボトムから◯㍍にマダイの反応あり」といった船長のアナウンスや、探見丸(シマノの魚群探知機)の反応と導き出した数値を照らし合わせながら約2年間検証し続けた結果、漠然と少し多めに巻いていたときと比べるとヒット率が劇的にアップしたのです。釣果が出なければ机上の空論で終わっていましたが、この理論の正当性を釣果をもって立証できたと考えました。

さらに前述させていただいた通り、ディープタイラバでマダイを釣るために必要な要素を、リールに備わったカウンターの情報を元に数値化することにより、ヒットパターンの再現・共有が容易な現在の「数値化スタイル」が確立できました。

ディープタイラバ数値化スタイル
リールのカウンターに表示されるライン放出量、巻き速度、フォール速度といった数値情報が数値化スタイルを実践するために欠かせません。

一般的なスタイルと比較した優位点について

カウンター付きリールを使用した「数値化スタイル」が優れているのは…

①効率的にレンジを探れる

②ヒットパターンの再現&共有が容易である

…という2点だと考えています。

①効率的にレンジを探れる

目標のレンジに自身のタイラバを通すために必要な巻き上げ量を計算から導き出して基準値とすることで、効率よく確実に目標のレンジ付近を探ることができます。

基準値がなければ「ラインの角度が斜めだから少し多めに巻く」という具合に必要な巻き上げ量があいまいとなり、実際には目標のレンジに到達していなかったり、巻き上げ過ぎていたりと効率がわるくなります。

②ヒットパターンの再現&共有が容易

ヒットした際の巻きスピードについて「ゆっくりだったよ」とか「速巻きだったよ」という具合に同船者と共有することがありますが、この「ゆっくり」や「速巻き」というスピードは使用しているリールのギヤ比や個人の感覚によってまったく異なります。

この「ゆっくり」や「速巻き」という感覚的な部分もカウンター付きリールのスピード表示の数値で共有すれば正確であり、適したヒットスピードを再現できます。

さらにレンジやフォールスピード、ラインの角度も数値化することで、さらに正確なヒットパターンの共有が可能となります。

仲間内だけでなく、乗船者みんなでヒットパターンを共有できるのが数値化スタイルの大きな利点です。

有効性を特に感じたエピソード

2022年5月、福井県三国の遊漁船「シーライオン」さんでの釣行でのことです。

この日は午前中にラッシュタイムがあって爆釣でした。ただ、1度ヒットしたレンジ・ラインの角度・巻きスピード・フォールスピードを正確に再現できるかどうかで釣果に大きな差が出るといったシビアな面がありました。どれか1つでもズレていると明らかにヒット率が下がる状況でしたが、ヒットパターンを正確に再現できる「数値化スタイル」でスーパーラッシュを味わうことができたのです。

どんな状況でも効率よく状況にアジャストできる「数値化スタイル」の有効性を改めて実感した釣行となりました。

【ディープタイラバ】数値化スタイルの具体的解説

数値化スタイルを実践するにあたって必要なファクターは「レンジの把握」「ラインの角度」「巻きスピード」「フォールスピード」の4つです。ここでは1つずつ詳しく解説させていただきます。

【要点1】レンジの把握

レンジの把握の方法については、理解していただきやすいように状況の例をあげて解説します。

【例1】「水深100㍍」で「目標のレンジが水深80㍍」のケース

水深100㍍で目標のレンジが水深80㍍の場合、タイラバが真下に落ちるバーチカル状態であれば、タイラバが着底したときのライン放出量は水深と同じ100㍍です。この状況なら単純にタイラバをボトムから20㍍巻き上げれば水深80㍍に到達します。ライン放出量100㍍に対して目標のレンジに到達するために必要な巻き上げ量は20㍍となります。つまり、ライン放出量の5分の1を巻き上げれば目標のレンジに到達するというわけです。

では、ライン放出量が増えるとどうでしょうか? たとえば、①ライン放出量150㍍、②ライン放出量200㍍の2つのケースで考えてみましょう。

①ライン放出量150㍍のケース

水深100㍍で目標のレンジが水深80㍍の場合、ライン放出量の5分の1を巻き上げれば目標のレンジ(水深80㍍)に到達します。すなわちライン放出量150㍍の5分の1ということで計算は以下の通りになります。

150÷5=30(㍍)

つまり、30㍍巻き上げれば目標のレンジ(水深80㍍)に到達することになります。

②ライン放出量200㍍のケース

この場合もライン放出量の5分の1を巻き上げれば目標のレンジ(水深80㍍)に到達します。ライン放出量200㍍の5分の1ということで計算は以下の通りになります。

200÷5=40(㍍)

つまり、40㍍巻き上げれば目標のレンジ(水深80㍍)に到達するということになります。

ちなみに①と②を式(比)で表わすと…

水深(A):必要巻き上げ量(B)=ライン放出量(C):必要巻き上げ量(X)

…となります。

これにそれぞれの数字を当てはめると…

①の場合

A…100(㍍) B…20(㍍) C…150(㍍) X…?

20×150=100×X

3000=100X

X=30

②の場合

A=100(㍍) B=20(㍍) C=200(㍍) X=?

20×200=100X

4000=100X

X=40

…ということになります。

ディープタイラバ数値化スタイル

では、水深、ライン放出量、目標のレンジがかわった場合はどうでしょうか? 上記とほとんど同じ内容ですが、再確認のために書かせていただきます。

【例2】「水深150㍍」で「目標のレンジが水深100㍍」のケース

水深150㍍で目標のレンジが水深100㍍の場合、タイラバが真下に落ちるバーチカル状態であれば、タイラバが着底したときのライン放出量は水深と同じ150㍍です。この状況なら単純にタイラバをボトムから50㍍巻き上げれば水深100㍍に到達します。ライン放出量150㍍に対して目標のレンジに到達するために必要な巻き上げ量は50㍍となります。つまり、ライン放出量の3分の1を巻き上げれば目標のレンジに到達することになります。

では、ライン放出量が増えていく場合はどうでしょうか? たとえば、①ライン放出量180㍍、②ライン放出量240㍍の場合を見ていくと…

①ライン放出量180㍍の場合

水深150㍍で目標のレンジが水深100㍍の場合はライン放出量の3分の1を巻き上げれば目標のレンジ(水深100㍍)に到達します。したがって、この場合はライン放出量180㍍の3分の1ということで計算は以下の通りになります。

180÷3=60(㍍)

つまり、60㍍巻き上げれば目標のレンジ(水深100㍍)に到達することになります。

②ライン放出量240㍍の場合

この場合もライン放出量の3分の1を巻き上げれば目標のレンジ(水深100㍍)に到達します。ライン放出量240㍍の3分の1なので計算は以下の通りになります。

240÷3=80(㍍)

つまり、80㍍巻き上げれば目標のレンジ(水深100㍍)に到達することになります。

①と②を式(比)で表わすと…

①の場合

A=150(㍍) B=50(㍍) C=180(㍍) X=?

50×180=150×X

9000=150X

X=60

②の場合

A=150(㍍) B=50(㍍) C=240(㍍) X=?

50×240=150X

12000=150X

X=80

…ということになります。

ディープタイラバ数値化スタイル

「レンジの把握」のまとめ

長々と説明しましたが、手順としては超簡単な2ステップです。

①目標のレンジまでの距離が水深の何分の1なのかを「水深÷目標のレンジまでの距離=X」で算出する(仮に答えをXとします)。

②ライン放出量÷X=目標のレンジに到達するために必要な巻き上げ量

これなら船の上でも簡単に暗算できるはずです。

なお、割りきれない数値の場合は計算しやすいように割りきれる数値に置きかえてもOKです。たとえば、水深130㍍、目標のレンジ110㍍、ライン放出量150㍍という場合なら130÷20=6.5→150÷6.5=23.076…となりますが、暗算しにくいので6.5の小数点以下を繰り下げて6とし、150÷6=25という感じで計算するという具合です。

ただし、ここで気を付けたいのが小数点以下は〝必ず繰り下げる〟ことです。繰り上げると計算結果が実際の数値より小さくなり、タイラバが目標のレンジに到達しません。このため小数点以下は繰り下げて計算することを意識して下さい。少し多めに巻くのは問題ありませんが、目標のレンジにタイラバが届かないのは致命的なので要注意です。

また、この計算で算出した数値は〝目標のレンジに到達するために必要な巻き上げ量〟ですので、この数値+サソイの分(最低でも10~20㍍)を巻くようにして下さい。

ディープタイラバで安定した釣果を得るにはレンジの把握が必要不可欠です。通すべきレンジをしっかりと意識しながら反応のあるレンジを効率よく探ることにより、ヒット率が確実に上がるのでぜひ実践してみて下さい。

【参考】水深別必要巻き上げ量
ディープタイラバ数値化スタイル
ディープタイラバ数値化スタイル
ディープタイラバ数値化スタイル
ディープタイラバ数値化スタイル

【要点2】ラインの角度

たとえば、水深100㍍でボトムから20㍍上の地点を狙う場合、タイラバがボトムから20㍍上の地点を通過するときの角度はラインの放出量によって違ってきます。

直角三角形を思い浮かべていただいて「高さ=水深」「底辺=船の真下のボトムからタイラバまでの距離」「斜辺=ライン放出量」と考えていただくとわかりやすいかと思います。

ディープタイラバ数値化スタイル

下記の①~④は水深100㍍の場合にボトムから20㍍上の地点にタイラバが到達するまでのプロセスをライン放出量別にしたものです。すべて等しくボトムから20㍍上の地点に到達しているにもかかわらず、③の角度ではアタリがある(○)のに①②④の角度だとまったくアタらない(✕)など、ラインの角度の違いでマダイの反応が大きくかわることが多々あります。

①ライン放出量100㍍の場合=巻き上げ20㍍(✕)

②ライン放出量150㍍の場合=巻き上げ30㍍(✕)

③ライン放出量200㍍の場合=巻き上げ40㍍(◯)

④ライン放出量250㍍の場合=巻き上げ50㍍(✕)

上記の例のように③の角度でのみヒットするというシビアな状況の場合は、1回めの底取りでライン放出量が170~180㍍あたり(少し手前が理想)になるようにシンカーのウエートの調整が求められます。そうすることで③の角度を効率よく作ることができます。

限られた角度のみを探る場合は1回や2回の底取りで回収となることから「効率がわるくなるんじゃないか?」と思われるかもしれませんが、限られた角度でしかヒットしないシビアな状況であるならむしろ効果的だといえます。

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逆に②~④のようにヒットする角度に幅がある場合は、②の少し手前から探り始めて④の角度を探り終えるまで底取りを数回繰り返してから回収という感じとなります。やはりここでもいかに効率よく探れるかを考えて巻いていきます。

『レンジの把握』の計算によって正確に導き出したレンジに『ヒット率の高い角度』で通す。これを実践するとヒット率はさらにアップします。

【要点3】巻きスピード

ディープタイラバで私がメインに使用しているリールはオシアコンクエストCT300PGです(カウンター付きリールが不可欠)。

このリールのカウンターに表示される巻きスピードは0~Hまでの10段階。私はこの10段階を下記の①~⑤の5パターンにわけるとともに、リアクションバイトを誘発するための⑥~⑨を加えた9パターンを駆使してマダイが反応する巻きスピードを探っています。

ディープタイラバ数値化スタイル
巻きスピードが表示されることでアプローチをパターン化することができます。それによってヒットパターンの再現性も高まります。

①0~1=デッドスロー

②2~3=スロー

③4=ノーマル

④5~6=速巻き

⑤7以上=高速巻きor回収

⑥ストップ&ゴー

⑦スピードアップ

⑧スピードダウン

⑨スロー&ファスト(緩急)

このうち常用するのは①~④までの等速巻きです。それ以外は以下のケースで用います。

⑤等速の7~H…中層高速巻きパターン。ヒットさせるための巻きではなく、マダイの興味をひくための高速巻き。主に回収などで使用。

⑥ストップ&ゴー…①~⑤のいずれかで巻き始めたのちにストップを入れ、再度①~⑤のいずれかで巻き始めるパターン(組み合わせやストップの時間、回数は自由)。

⑦スピードアップ…一気に、あるいは徐々に巻きスピードを上げていくパターン(巻き始めのスピード、何㍍毎にスピードチェンジするか、何段階スピードチェンジを行なうのかは自由)。

⑧スピードダウン…一気に、または徐々に巻きスピードを緩めていくパターン(⑦同様に巻き始めのスピード、何㍍毎にスピードチェンジするのか、何段階スピードチェンジを行なうのかは自由)。

⑨スロー&ファスト(緩急)…④or⑤→①or②→④or⑤→①or②など、高速or速巻きからデッドスローorスロー、再び高速or速巻きといったメリハリのある緩急をつけたパターン(何㍍毎にスピードチェンジするのか、何回スピードチェンジを行なうのかは自由)。

⑥~⑨は、①~④+⑤でアタリがまったくない場合、アタリはあるものの食い込みがわるくてハリ掛かりしない場合、魚がタイラバについてくるものの口を使わない場合に試す変則的な巻き方です。そのため多用はしませんが、巻きスピードの変化によるリアクションバイト狙いでは有効です。

⑥~⑨の巻き方でアタリがでやすいのは、⑥ならストップや動きだした瞬間、⑦⑧⑨はスピード変化の直後です。

ディープタイラバ数値化スタイル
反応が鈍いときは、リアクションバイトを狙って緩急をつけたパターンを試すのも有効です。

ヒットスピードが判明していないケースの手順

今までの経験上、私はヒット率が最も高い②からスタートします。回収するまでを1セットと考え、1セットで反応がなければ「②→③→①→④→ときおり⑤を交える」という具合に巻きスピードをかえながら同じ手順で繰り返し探っていきます。

⑥~⑨は状況をみながら等速巻きでは反応がない場合に試しています。

ヒットスピードが判明しているケースの手順

自身や同船の方にアタリがあり、ヒットスピードが判明した場合はレンジや角度と同じようにアタリがあった巻きスピード(ヒットスピード)が最も信頼できる情報となります。ヒットパターンを再現するためにそのスピードに合わせますが、再現性がある場合は結果がすぐに出ることが多いです。したがって、そのスピードでしばらく巻いてもアタリがなければ「再現性ナシ」と判断し、上記の手順でイチから探っていきます。

状況に応じて臨機応変な対応を

レンジ・ラインの角度・巻きスピードを完全に再現できてもアタらないことは多々ありますし、次の群れや次のポイントではまた違う反応といったことも多々あります。そのためヒットスピードに固執せず、見切ることも効率を上げるうえでは大事なポイントとなります。

また、風や潮流の強さがかわり、船の流れるスピードがかわれば、同じ巻きスピードでも実際にタイラバが動くスピードはかわります。その際はヒットスピードを基準とし、流れが速くなったのであれば巻きスピードを遅くする、流れが遅くなったのであれば巻きスピードを速くするなどのアレンジが必要となります。

固定観念にとらわれないことも重要

そして、私が巻きスピードをアジャストしていく際に最も気を付けていることがあります。それは『固定観念にとらわれないこと』です。

具体的には「ベイトがイワシ」「反応のあるレンジがボトム付近」など、確実な情報を得られた場合でも「イワシベイト=速巻き」「ボトム付近=スロー」などの固定観念にとらわれずに1つの巻きスピードに固執し過ぎないことです。

私の場合は〝ベイトやセオリーなどに関係なく〟ヒットスピードがまだ判明していない場合は必ず自分のベースとなるスピードの②から探り始め、他のスピードもテンポよく使いながら消去法の考え方で実際のヒットスピードにアジャストできるよう心がけています。

ディープタイラバ数値化スタイル
アタるはずのパターンで反応がないときはパターンをイチから精査すること。刻一刻とかわる自然が相手であるだけに固定観念にとらわれず、臨機応変に対応することも大事です。

巻きスピードはディープタイラバにおいて「レンジの把握」と双璧をなす最重要事項です。ここをおろそかにしていると、安定した釣果はとても見込めないのでしっかりと押さえておきましょう。

もちろん、私とまったく同じパターンにする必要はありません。自分なりの巻きスピードの探り方を確立していただけれはと思います。

【要点4】フォールスピード

ディープタイラバを始めたばかりのころは可能な限り早くボトムまで落として1日に撃てる回数を増やすことしか考えておらず、フォールスピードはあまり重要視していませんでした。しかし、フォールスピードの違いでマダイの反応がかわるという経験を何度もしたことで考え方がかわり、フォールスピードのコントロールや最高速度(MAXスピード)、巻きスピードとの組み合わせなどを考えて釣りをするようになりました。

今では、フォールスピードはパターンフィッシング(再現性のある釣り)成立の条件の1つであり、マダイの捕食や攻撃のスイッチを入れるための重要なファクターだという認識です。

フォールスピードのコントロール

私がメインに使用しているシマノ・オシアコンクエストCT300PGは、巻きスピード同様にフォールスピードも0~Hの10段階で表示されます。

ディープタイラバ数値化スタイル
フォールレバー付きのリールであれば、スピードを瞬時にコントロールすることができます。

私は、この10段階を下記の①~③の3パターンとともに、リアクションバイトやマダイの興味をひくための④~⑥を加えた6パターンを使ってマダイが反応するフォールスピードを探っています。

①0~3=デッドスローorスロー

②4~6=ノーマル

③7~H=フリーフォール(シンカーの重さで5や6になる場合もある)

④スピードアップ

⑤スピードダウン

⑥スロー&ファスト(緩急)

⑦ストップ

常用するのは③のフリーフォールのみです。少しでも早くボトムに落として撃てる回数を増やした方がヒットする確率は上がるので、基本的にはフリーフォールで探っていきます。

その他のバリエーションは以下の通りです。

④スピードアップ…一気に、あるいは徐々にフォールスピードを上げていくパターン(落とし始めのスピード、何㍍毎にスピードチェンジするか、スピードチェンジを何段階行なうのかは自由)。

⑤スピードダウン…一気に、あるいは徐々にフォールスピードを緩めていくパターン(④同様に落とし始めのスピード、何㍍毎にスピードチェンジするか、スピードチェンジを何段階行なうのかは自由)。

⑥スロー&ファスト(緩急)…フリーフォールからデッドスローorスロー、再度フリーフォールといったメリハリのある緩急をつけたパターン(何㍍毎にスピードチェンジするか、何回スピードチェンジを行なうのかは自由)。

⑦ストップ…①~⑥と組み合わせてフォール中に反応のあるレンジ付近で止めることでマダイにアピール(何回止めるかは自由)。

ディープタイラバ数値化スタイル
ストップもアピールの手段の1つです。

④~⑦は③のフリーフォールでまったくアタリがない場合に試す変則的な落とし方なので多用はしませんが、フォールスピードの変化によるリアクションバイト、または変則フォールによってマダイの興味をひくことができれば次の巻き上げでのヒットにも繋がります。

私はフォールでヒットへと持ち込むというよりは、いかにしてフォールでマダイに興味を持ってもらえるのかをテーマにスピードをコントロールしています。さらにフォールスピード単体ではなく、巻きスピードとの組み合わせも考慮してマダイの反応がいいパターンを探しています。

具体的な例としては…

・フリーフォール→デッドスロー巻き上げ

・スローフォール→速巻きor高速巻き上げ

…などです。

組み合わせは他にもたくさんありますが、上記のような「速→遅」「遅→速」などのメリハリのきいたパターンが特に有効だと感じています。

フォールの最高速度(MAXスピード)

フォールの最高速度(MAXスピード)=フリーフォール時のフォールスピードです。このMAXスピードはヘッドの素材(ナマリorタングステン)、形状、重さによりかわります。メカニカルブレーキ(フォールレバー)の操作で遅くすることはできますが、速くすることはできないという特徴があります。

素材(ナマリorタングステン)、形状(AorB)、重さ(㌘)別にフリーフォール時のMAXスピードをカウンター付きリールのスピード表示(0~Hの10段階)で表わすと下記のようになります(スピードの数値は例です。形状は実際にはたくさんありますが、ここではわかりやすいようにAとBの2種類にしています)。

①ナマリA200㌘→5

②ナマリB200㌘→6

③タングステンA200㌘→7

④タングステンB200㌘→8

⑤タングステンB240㌘→H

⑥タングステンB280㌘→H

⑦タングステンB320㌘→H

※⑤⑥⑦の表示は同じHですが、MAXスピードは⑤<⑥<⑦の順に速くなります。

このMAXスピードの違いでマダイの反応がかわることも多々あるので、しっかり押さえておきたいポイントです。

ディープタイラバ数値化スタイル
フォールのMAXスピードを意識することでマダイの反応に変化が生まれます。ここもおろそかにせずにいろいろと使いわけたいものです。

具体例をあげてみましょう。

①反応なし✕/②反応あり◯…同じナマリの200㌘でもAとBは形状の違いによってMAXスピードが異なります。そのため、MAXスピードの速いBにのみ反応。

①~③反応なし✕/④反応あり◯…同じ200㌘でもナマリAとBには反応がなく、タングステンでもMAXスピードの速いBにのみ反応。

①~④反応なし✕/⑤反応あり◯/⑥~⑦反応なし✕…ある一定のフォールスピードにのみ反応するパターン。この場合はタングステンB240㌘のフォールスピードがヒットパターン。

①~⑤では反応なし✕/⑥~⑦反応あり◯…ある一定以上のフォールスピードに反応するパターン。この場合はタングステン280㌘以上のフォールスピードがヒットパターン。

このように普通に釣りをするだけならナマリやタングステンの200㌘程度で十分な場合でも、マダイの反応がなければタングステンの240~320㌘の速いフォールスピードで反応がないかを試してみるなど、巻きスピードだけではなくてフォールスピードも意識するとさらにヒット率がアップすると思います。

ディープタイラバ数値化スタイル
フォールスピードを意識したヘッドの使い分けも実践するとヒット率の向上が期待できます。

ヘッドの選び方

わかりやすいように同じ重さの①~④を例に考えてみましょう。

重さは同じ200㌘、素材はナマリとタングステンの2種類、形状はナマリもタングステンもそれぞれAとBの2種類ずつです。同じ200㌘ですが、素材や形状が違うのでMAXスピードもそれぞれ違います。MAXスピードはそれぞれ④=8、③=7、②=6、①=5となります。

たとえば、④のヘッドはMAXスピードが8なので、メカニカルブレーキを駆使すれば0~8までの9段階のスピードが使えるということになります。③は0~7までの8段階、②は0~6までの7段階、①は0~5までの6段階と考えると、同じ200㌘ながら9段階のスピードが使えるうえ、①~③のヘッドには出せない8のスピードが出せる④のヘッドが最も使い勝手がいいということがご理解いただけると思います。

「引き抵抗の軽さ」「使えるスピードの幅」「ナマリでは出せないMAXスピード」「同じ重さでも1日に撃てる回数が増える」という4点が私がディープタイラバでタングステンヘッドを推奨している理由です。

ディープタイラバ数値化スタイル
タングステンヘッドにはナマリに比べて優位性があります。できればいくつか揃えておきたいものです。

もちろん、常にタングステンヘッドじゃないと釣りにならないということはありません。基本はナマリでいいですが、風や潮流が強くて流れ方が速い場合や、前述の通りにタングステン280~320㌘などの速いフォールスピードにしか反応しない場合に対応できるようにいくつかは持っておきたいものです。

ちなみに、私が使用しているヘッドは京都府舞鶴の遊漁船『TOPS JAPAN』森船長オリジナルのフルタングステンヘッド「レッドスナイパー」です。現行では間違いなく最高のヘッドだと感じています。

フォールスピードについては重要性が少し見過ごされがちなファクターですが、『レンジ』『ラインの角度』『巻きスピード』に加えて意識していただければ釣りの幅がさらに広がります。ぜひ実践してみて下さい。

【ディープタイラバ】数値化スタイルの実践ノウハウ

「数値化スタイル」を実践する際の流れを解説させていただきます。

ヒットパターンが不明なケース

①何㍍巻くのかを明確にする

まずはタイラバを投入する前にポイントの水深とマダイの反応のあるレンジを確認し、水深の何分の1までがマダイの反応のあるレンジなのかを三角比の計算により導き出します。たとえば、水深が100㍍でボトムから20㍍まで反応がある場合なら計算式は「100÷20=5」となり、水深の「5分の1」までがマダイの反応のあるレンジとなります。

ディープタイラバ数値化スタイル
水深、マダイのレンジ(指示ダナ)、ライン放出量から必要な巻き上げ量を求めることからスタートします。

この「5分の1」をライン放出量に当てはめることにより、ドテラ流しでライン放出量が増えた場合でも「タイラバがマダイの反応のあるレンジに到達するまでに必要な巻き上げ量」を計算することができます。

上記の例の場合、ライン放出量が120㍍になれば必要な巻き上げ量は120㍍の5分の1なので24㍍、150㍍なら30㍍、200㍍なら40㍍となります。これで何㍍巻くのかが明確になります。

②ヒットパターンを探っていく

何㍍巻くのかが明確になれば、巻きスピード、フォールスピード、ラインの角度を順番に組み合わせ、消去法の考え方でヒットパターンを探っていきます。

巻きスピードとフォールスピードは、基本となる巻きスピード2、フォールスピードフリーから始め、回収するまでにアタリがなければ巻きスピード3、フォールスピードフリーという具合に順番に組み合わせて探ります。それでひと通り探ってもアタリがなければまたイチから探り直しとなります。

ラインの角度については、実際に角度が何度なのかという考え方ではなく、ライン放出量によって把握します。たとえば、ライン放出量120㍍の角度、140㍍の角度、160㍍の角度という具合です(前述の直角三角形でイメージしていただくとわかりやすいかと思います)。

ディープタイラバ数値化スタイル

基本的にはライン放出量200㍍前後までをメインに探っていきますが、それまででまったくアタリがない場合や同船の方が200㍍以上でヒットした場合は250㍍、300㍍とライン放出量をどんどん増やしていくこともあります。マダイの活性が低い、あるいは何らかの原因で警戒心が高い場合などはタイラバを船からできるだけ離した方がアタリが多いこともあるので、ラインをどんどん出せる状況において200㍍前後まででアタリがなければ、ライン放出量200㍍以上も必ず探るようにして下さい。

ヒットパターンが判明しているケース

自身や同船者がすでにヒットしていてヒットパターンが判明している場合は「ライン放出量」「巻き上げ量」「巻きスピード」「フォールスピード」をヒットしたパターンに合わせていくことでヒットパターンの再現が容易です。

具体的には、ライン放出量150㍍、巻き上げ量20㍍、巻きスピード2、フォールスピード6でヒットした場合、ライン放出量と巻き上げ量を再現すれば「レンジ」と「ラインの角度」を再現できます。さらにカウンター表示で「巻きスピード2」「フォールスピード6」も合わせれば完全にヒットパターンを再現できます。

ディープタイラバ数値化スタイル
ヒットパターンが再現できれば連続ヒットの可能性は大いに高まります。おのずとビッグワンのヒット率も高まります。

しばらくはこのパターンを軸に探り、アタリがまったくなくなれば「ヒットパターンが不明なケース」で紹介した手順でイチからヒットパターンを探っていきます。

【ディープタイラバ】数値化スタイルの補足アドバイス

タックルの性能について

ロッド

レングスは、バーチカル状態やラインが船の下に入っていくような状況にも対応可能な6.5㌳から7㌳がおすすめです。

調子は、水深100㍍超のディープエリアでの釣りとあって硬めでパワーのある掛け調子がいいと思われるかもしれませんが、硬いロッドは保持する手や手首に負担がかかるのでおすすめしません。基本的にドテラ流しであり、ラインが斜めに出るディープタイラバでは、乗せ調子のロッドの方がラクに巻くことができます。また、外海での釣りがメインとなるので船の揺れを少しでも吸収してくれるという理由からも私は乗せ調子のロッドを使用しています。

ディープタイラバ数値化スタイル
ディープライタラバでは乗せ調子の竿がおすすめです、

リール

リールはディープタイラバに必要な性能をすべて兼ね備えたオシアコンクエストCT300PGを使用しています。必要な性能については以下の通りです。

ディープタイラバ数値化スタイル
オシアコンクエストCT300PGのようにカウンター、フォールレバー、パワーギヤ、十分なラインキャパシティーを備えたリールをセレクトすることが数値化スタイルでは不可欠です。

・カウンター…「数値化スタイル」を実践するにあたり、リールのカウンター表示からライン放出量、巻きスピード、フォールスピードを正確に把握することは必要不可欠です。

・フォールレバー…メカニカルブレーキの強弱をレバー操作によって瞬時にコントロールできるので、フォールスピードを変化させる場合に重宝します。

・パワーギヤ…サソイやファイト中の巻き上げがラク。今までの経験でマダイがヒットしやすいと感じている低速域の巻きスピードに合わせやすいという特徴がパワーギヤにはあります。

・十分な糸巻き量…ディープタイラバではメインラインが最低でも400㍍必要です。オシアコンクエストCT300PGは1号なら600㍍以上巻けるキャパがあります。

・ハンドルとノブ…LIVREのロングハンドル「SB70-75」に「EP50」を組み合わせたセッティングとしています。ロングハンドル+握りやすいノブにかえることにより、パワーギアとの相乗効果で巻き上げがさらにラクになります。「ラクに巻ける=疲れにくい」のでディープタイラバを快適に楽しむことができます。

ディープタイラバ数値化スタイル
深場を攻めるにあたってパワーハンドルはなくてはならない存在です。「ラクに釣る」ことを考えることも大事です。

メインライン(PE)

XBRAID・鯛ラバーカスタムPE ボーンラッシュWX8 1号400㍍

ディープタイラバで主流のラインシステムはPE1号、リーダ5~6号のセッティングですが、強度は最低でも16Lb以上はほしいところです。

私はメインラインにXBRAIDの「鯛ラバーカスタムPE ボーンラッシュWX8」を使用しています。このラインは同じ太さなら他を圧倒する高強度が特徴です。ターゲットをマダイに限定するのであれば0.8号(18Lb)でも強度的にはまったく問題ありません。ただし、乗り合い船でブリやメジロなどの青物がヒットした場合に時間がかかり、他のお客様に迷惑をかける可能性が否定できません。そのため10㌔までの青物相手なら多少強引なファイトが可能な1号(22Lb)を使用しています。

ディープタイラバ数値化スタイル
潮流の影響を多大に受けるディープタイラバにおいてラインの細さは大きなアドバンテージになります。ただし、大鯛の引きに耐えられない強度では本末転倒です。その点、「鯛ラバーカスタムPE ボーンラッシュWX8」は細さと強度はもちろん、感度や耐摩耗性も優れたタイラバゲームカスタム仕様であるため、安心して使用することができます。

さらに水深100㍍超でのドテラ流しでの釣りでは船の流れ方次第ではオマツリが多発する場合も多々ありますが、ライン同士の擦れに対しての耐摩耗性能も最高レベルなの安心です。

そして、高密度で限りなく均一に編み込まれた「鯛ラバーカスタムPE ボーンラッシュWX8」はラインを通して得られる情報量が多いのも魅力です。微妙な潮の変化やマダイがタイラバの後ろに付いた感覚までしっかりと手もとに伝わる超高感度は大きなアドバンテージとなります。

ディープタイラバ数値化スタイル
強度、細さ、耐摩耗性、感度を兼備した最高品質のラインです。

そして、特筆すべきは細さにあります。「1号=22Lbという高強度なら少し太いんじゃないか?」と疑問に思われるかもしれませんが、XBRAIDのPEラインはすべて㈳日本釣用品工業会釣糸部会制定の「PE糸の太さ標準規格」に準じた太さです。

強度、細さ、耐摩耗性、感度のすべてにおいて最高レベルの「鯛ラバーカスタムPE ボーンラッシュWX8」。ぜひ使ってみて下さい。

糸巻き量について

ディープタイラバの水深は100㍍前後がメインなのでラインは300㍍も巻いておけば十分と思われるかもしれませんが、水深120㍍のポイントで風があり、潮が速い状況ではタングステンヘッド320㌘でも1回めの底取りで150㍍、2回めで200㍍もラインが出るような状況もありますし、200㍍以上ラインが出ている状況で大ダイや青物がヒットすることを考えると、とても十分とはいえません。

また、300㍍しか巻いていない状態でライントラブル(高切れなど)が起これば、ラインの残量や状況によっては以降はそのリールではもう釣りにならない場合もあります。私は船上でそういう状況に陥った方を今までに何度も見てきました。

ディープタイラバの糸巻き量は「最低300㍍」とよくいわれていますが、言葉通りに300㍍はホントにギリギリ釣りになる糸巻き量です。「最低300㍍」=「300㍍で十分」ではありませんのでご注意下さい。「ライントラブルなどがなければ300㍍でもなんとか釣りにはなる」というくらいの認識でいいのかなと思います。

ディープタイラバ数値化スタイル
400m巻きがラインナップされているのも「鯛ラバーカスタムPE ボーンラッシュWX8」の魅力。できるだけ多い糸巻き量を備えておくのが安心です。

400~600㍍巻いておけば、ワンタックルしか持ってきていなくても高切れなどのトラブルでラインの長さ不足で釣りができなくなることはほぼありませんし、仮に100㍍高切れしても次回の釣行にも使えたり、裏巻きできる余裕もあります。しかし、300㍍だと100㍍切れると残りは200㍍となり、ディープタイラバでは次回の釣行で使うことができません。さらにはラインを200㍍以上出したライン角度でマダイの反応がいいような状況も攻略できないなど、釣果にも直結してきます。

初期投資は少し高くつきますが、結果的には400~600㍍の方がコスパはいいと思います。私は上記の理由から400~600㍍をオススメしてます。

リーダー

XBRAID・アップジーリーダー6号(フロロ)

XBRAIDのアップジーリーダーは従来品より5㌫スリム化されています。風と潮流の影響をモロに受けるドテラ流しでのディープタイラバにおいて細さは大きなアドバンテージとなります。

さらに細くなっているにもかかわらず、強度は従来品より1.3倍にパワーアップ。糸径の均一性が非常に高いのでノットも決まりやすいのもうれしい点です。本当に信頼できるフロロカーボンリーダーです。

また、小口径スプールを採用しているのでタックルボックスの中でも嵩張らず、持ち運びが便利です。

「鯛ラバーカスタムPE ボーンラッシュWX8」と組み合わせれば細さと強さを兼ね備えた最強のセッティングとなります。

ディープタイラバ数値化スタイル
細くて強いフロロカーボンリーダーを使うことで安心してアプローチできます。
XBRAID・キャストマンアブソーバー6号(ナイロン)

低伸度の「ボーンラッシュWX8」に伸びのあるナイロンリーダーのXBRAID・「キャストマンアブソーバー」を合わせると、乗せ重視&低活性時のバラシ対策のセッティングとなります。アタリがあるもののなかなか乗りきらない場合、激流時の負荷が強過ぎる場合、食い込みがわるくてバラシが多発するようなシビアな状況ではナイロンリーダーの伸度が大きな武器となります。

ディープタイラバ数値化スタイル
テンションが過度にかかる状況でバラシが多発するようなときは伸縮性のあるナイロンリーダーの使用を考慮します。

ヘッド

ヘッドは京都府舞鶴の遊漁船『TOPS JAPAN』森船長オリジナルのフルタングステンヘッド「レッドスナイパー」を使用しています。

もちろん、ナマリのヘッドでも釣りは成立しますし、十分に釣れます。ただ、風と潮流の影響をモロに受けるディープタイラバではナマリより比重が重く、引き抵抗が小さいタングステンヘッドの方が圧倒的に有利です。

ディープタイラバ数値化スタイル
ディープタイラバではタングステンヘッドが有利です。また、同じ種類で揃えることで感覚の統一をはかることができます。

さらにはナマリのヘッドでは出せない速いフォールスピードでマダイにアピールすることも可能とあって、私はすべてフルタングステンの「レッドスナイパー」で揃えています。

タイラバ

ネクタイの「形状」や「カラー」よりも、タイラバ自体をマダイにどうやって〝魅せる〟かというアプローチを大事にしています。とはいえ、ネクタイの「動き」はもちろん、自然界には「保護色」があるようにカラーも絶対に無関係ではないと考えています。

魚類の多くは「視覚」「嗅覚」「聴覚」の主となる3つの感覚に加えて水圧・水流・振動・音などを「側線」で感じ取って離れた場所の情報を得ているといわれています。特に目が発達しているマダイは、日中に活動する個体が多いことから「視覚」に頼って捕食していると考えられています。

上記の理由から、私はマダイにタイラバの存在を認識させ、捕食させるためのネクタイの一番重要なファクターは「視覚」に訴える「形状」と「動き」だと考えています。

ディープタイラバ数値化スタイル
視覚に訴えることが大事という理由でタイラバを選択しています。

私の中でネクタイは自らが水流を作って側線の機能に訴えるものではなく、ヘッドが作りだした水流をもって動いて視覚に訴えているというイメージです。側線の機能に訴えるのは主にヘッドの水押しによって発生する水流や振動であると考えています。

側線の機能に訴えるのが目的の場合、魚類や甲殻類が動くときのような筋肉の動きによる電気信号が出ているわけではないネクタイではなく、水流によって大きな変化を与えるヘッドの形状をかえたり、タイジグを使用する方が有効ではないかと考えています。ネクタイの一番の役割はマダイの視覚に訴えることだという考え方です。

プラスαで「嗅覚」「味覚」「触覚」に訴える匂いや味付きのネクタイやワームネクタイ、フックにチョン掛けするトレーラーワームは有効だと思います。

ディープタイラバ数値化スタイル
自重で垂れ下がるフックをタイラバに同調させるために、抵抗をあえて与える役割もトレーラにはあります。したがって、抵抗が強くなる急流時にはつけません。また、バイトマーカーとしての役割も期待しています。

ネクタイの「形状」「動き」「カラー」については各メーカーさんからさまざまな型が販売されています。

形状について

基本の型は、ストレート型orカーリー型orストレート&カーリー組み合わせ型、細いor太い(横幅)、ショートorロング(長さ)、シリコンorワームなどとなります。

基本の型だけでもたくさんあってどれを選ぶか迷うところですが、私はⒶショートカーリー、Ⓑシングルカーリー、Ⓒストレート、Ⓓネクタイレスリグ(自作)の4種類を使いわけています。それぞれの「動き」の大きさはⒶ>Ⓑ>Ⓒ>Ⓓとなります。これらを使い分けの目安は以下の通りです。

Ⓐショートカーリー…水深やベイトに左右されず、どんな状況でもまずはこれからというパイロットルアー的な存在。

Ⓑシングルカーリー…ショートカーリーよりもシルエットが小さく、細くなるこのパターンは、明石など瀬戸内でメインに使用。

Ⓒストレート(シングル、ダブル)…イソメやゴカイ類をイミテートしたい場合はシングルストレート、イワシベイトをイミテートしたり、ディープゾーンなどでアピール力をアップさせたい場合はダブルストレート(2本付け)を使用。

Ⓓ自作ネクタイレスリグ(スカートのみ)…ネクタイがないスカートのみの仕様なので動きは小さいですが、トラブルは皆無。トレーラーワームを付けるとアピール力もあるのでディープタイラバでは特に大活躍します。

ディープタイラバ数値化スタイル
形状については動きの大きさによって使い分けています。
カラーについて

コントラストを重視して①濃い色(赤、黒、緑など)、②薄い色(オレンジ、チャートなど)、③グロー、④ケイムラの4つにわけて考えています。プラスαとして明滅効果のあるゼブラカラーがあれば十分だと思います。

形状やカラーの使いわけに関しては、ベイトが◯◯だからショートカーリー、晴天だから◯色、曇天だから◯色という風に決めつけず、実際に順番に試して消去法で反応のいいカラーを探していくという感じです。

ディープタイラバ数値化スタイル
カラーはコントラストを重視しています。こちらも4つに分類し、消去法にてヒットパターンを絞り込んでいきます。

なお、他の方がヒットしているタイミングは、ヒットしている魚の周りにもやる気のある魚がいる可能性があります。やる気のある魚がいるようなら、ヒットしている方と自身のネクタイなどのカラーが違ってもレンジや巻きスピードなどが合えばヒットする確率が高くなります。そうしたタイミングでは、オマツリを回避する以外は回収せずに探り続けることです。ネクタイなどの形状やカラーを交換するために回収するのは自らチャンスを手放すことになることを頭に入れておいて下さい。

フック

フックは常にトリプルフック(段差3本バリ)を使用しています。

ディープタイラバでは200㍍以上ラインを出している状態でファイトする状況も多々あるなど、どうしてもファイト時間が長くなりがちです。それに応じてバレる可能性も高まるため、フッキングの際に2本以上掛かりやすいトリプルフックの使用がオススメです。

ディープタイラバ数値化スタイル
しっかりと掛かる確率が高まるいトリプルフックがおすすめです。

私が使用しているフックは、がまかつ・サーベルポイント フッキングマスターSサイズのトリプルフックです。トリプルフックを用いるとキャッチ率が確実にアップします。

ヒットレンジの共有について

自身だけではなく船中全体の釣果をアップさせるためには、マダイがヒットしたレンジを船中全員で共有することが重要になります。しかし、ドテラ流しの釣りの場合、どう伝えればみんなでレンジを共有できるのか? 船の真下にタイラバが落ちていくバーチカルの場合は「底から◯㍍のところでヒット」と単純に伝えれば共有できますが、ラインが斜めに出ているドテラ流しの場合はそうはいきません。

では、どの情報があれば簡単にレンジを共有できるのでしょうか?

答えは超簡単です。

Ⓐラインを「◯㍍」出しているのか。

Ⓑ「◯㍍」巻き上げたところでヒットしたのか。

…という2つの情報を共有すればいいのです。具体的には…「150㍍出して30㍍巻き上げでアタッた」あるいは「150㍍出して120㍍でアタッた」などです。

この2つの情報さえあれば使用しているリールがそれぞれ違っても、カウンター付きリールか色分けされたラインを使用していればヒットレンジを共有することができます。

共有したレンジが底から何㍍なのかを知るためには三角関数などで計算する必要がありますが、船上でヒットレンジを共有するだけなら、それがボトムから何㍍なのかまでは計算しなくても◯㍍出して◯㍍巻き上げたところでヒットしたかがわかればヒットレンジの再現が可能なので問題ないと思います。

ディープタイラバ数値化スタイル
ラインを何㍍出して、何㍍巻いたところでヒットしたか? この2つの情報があればヒットパターンの再現が可能です。

ちなみに、バーチカルと同じように「底から◯回転」というのは何の役にも立たない情報なので気をつけましょう。

たとえば「ボトムから50回転でアタッた」と同船の方に伝えても、ラインが何㍍出ているかによって同じ底から50回転でもレンジはまったく違ってきますし、それぞれが使用しているリールが異なれば1回転の巻き取り量も違います。冷静に考えれば「底から◯回転」とだけ伝えても誰もマネできないのです。さらには、ディープタイラバでレンジを考える際の単位は「回転」ではなく「メートル」です。ここを勘違いしていると誰にも伝わらないのでご注意下さい。

私は自身がヒットしたら船中ダブル、トリプルヒット狙いで同船の方にレンジと巻きスピードをすぐにお伝えするようにしています。

私の場合はオシアコンクエストCT系を使用していますので、シマノのカウンター付きリールを使用している方とはヒットレンジも巻きスピードも完全に共有できます。また、ダイワのカウンター付きリールでもそこまで表示の差はないのかなと考えています。

上記の理由から私はディープタイラバにはカウンター付きリールを推奨しています。

正確にヒットレンジと巻きスピードを共有してみんなで釣果アップできたら最高ですよね。ディープタイラバはレンジや巻きスピードが非常に重要な釣りです。イカメタルのように仲間内だけではなく、乗り合いで初対面であってもヒットレンジや巻きスピードなどのヒットパターンをみんなで共有して釣果を上げていくスタイルがもっと浸透してくれたらいいなと思っています。

ディープタイラバ数値化スタイル
ヒットパターンとともに、心の底から喜べる1匹の価値を船中で共有できれば…。数値化スタイルがその一助になれば幸いです。

広範囲のマダイにアピールする

レンジを正確に把握して効率よく探っていくのが「数値化スタイル」ですが、数回に1回はマダイの反応のあるレンジより20~30㍍ほど巻き上げて高い位置からのフォールを入れるようにしています。そうすることで船の真下にいるマダイはもちろん、船から離れた場所にいるマダイにもアピールすることができます。

いわばマダイに「フォールで〝魅せる〟ための巻き上げ」です。

効率的ではないように見えますが、数回に1回入れるだけでヒット率は確実にアップしますので、ぜひ実践してみて下さい。

【ディープタイラバ】数値化スタイルの解説MOVIE

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【タイラバゲーム】数値化で極まる再現性。大鯛が狙えるディープ攻略の先進メソッドを公開

XBRAID・鯛 rubber custom PE BORN RUSH WX8

世界最大のPE製造工場からもたらされる、組ピッチの精度を極限まで高めて得た「均質の編み込み密度」にてきわめて安定した強度を実現したタイラバ専用PEライン。
特許技術HST.WX工法による耐摩耗性強化・ローストレッチを実現したことにより、ディープエリア攻略や、繰り返されるガイド摩擦への耐性に驚くべき有効性を発揮する。
また、セレクティブになったマダイに違和感を与えず、カウンター付リールから得られる核心的要素を最大限に活用する戦略的アプローチを可能とする染色パターンを採用。
細さと強度、耐摩耗性、ローストレッチ性能を兼備する仕様は、80㌢、90㌢といったビッグワンにも圧倒的な安心感で挑むことができる。
■号数
0.4号(10LB)/0.5号(12LB)/0.6号(15LB)/0.8号(18LB)/1号(22LB)
■巻き容量
200m/300m/400m
■COLOR
5m毎ウグイスグリーン/ケシアイボリー
1m毎ブラックマーク
■素材
素材:ポリエチレン(比重:0.98)
■商品URL
https://xbraidygk.jp/products/p3652/

【タイラバゲーム】数値化で極まる再現性。大鯛が狙えるディープ攻略の先進メソッドを公開

XBRAID・UP-G LEADER V12 HARD

α1+特殊製法により、YGK従来品比で約1.3倍の強度と糸径の約5%のスリム化(細い!強い!)を実現したフロロカーボンリーダー。
糸径誤差がほとんどなく、しなやかでありながら強力安定性と表面平滑度が抜群。また、高テンションがかかるロングファイト時にも縮れない復元力を発揮するとともに、驚愕のタフネスさでビッグワンを確実に手繰り寄せることが可能。
ボトムコンタクト・ストラクチャーへのタイトアプローチのメソッドに適したHARDタイプ、ナイロンライクなルアースイミングや吸い込みなどのメソッドに適したSOFTの2タイプがラインナップ。■号数
HARD…3号(15.5LB)/4号(19LB)/5号(24LB)/6号(28LB)/7号(32LB)
SOFT…3号(14LB)/4号(17.5LB)/5号(22LB)/6号(26.5LB)/7号(30.5LB)
■巻き容量
30m
■カラー
ナチュラル
■素材
フロロカーボン(比重:1.78)
■商品URL
https://xbraidygk.jp/products/p2407/

【タイラバゲーム】数値化で極まる再現性。大鯛が狙えるディープ攻略の先進メソッドを公開

XBRAID・CASTMAN ABSORBER

一般的なナイロンは破断に至るまでの無結節伸度は約30%に満たないものの、CASTMAN ABSORBERに使用される特殊ナイロン原糸のスーパーブロンは約35%! この差がロッドやドラグでは補えきれないビッグワンのファーストランをくい止める効果とともに、結束部分への負担を大きく軽減することに寄与。
また、驚くほどしなやかで巻きグセが付きにくいのもこのリーダーの特徴の1つ。ノットを確実かつスピーディーに決めることが可能、ルアー本来の動きを損なわない、というメリットを享受できる。
■号数
4号〜100号までの20アイテム
■巻き容量
50m(70号以上は30m)
■カラー
スーパーファインクリア
■素材
ナイロン(比重:1.14)
■商品URL
https://xbraidygk.jp/products/p546/

Anglers Profile

【タイラバゲーム】数値化で極まる再現性。大鯛が狙えるディープ攻略の先進メソッドを公開

永田広也(ながた ひろや)

タイラバ、ティップラン、イカメタルなど、オフショアをメインに多彩な釣りに深く精通するエキスパート。レンジや巻き回数などを数値化することで生まれる高い再現性で大鯛を次々とキャッチするタイラバゲームをはじめ、物ごとを理論的に捉える独自のスタイルにてハイレベルなゲームを楽しんでいる。
1979年生。兵庫県在住。
XBRAID・Xサークルメンバー。

Makers Information

株式会社XBRAID JAPAN

【HP】
https://xbraidygk.jp/
【住所】
大阪府大阪市西区西本町1-7-21 ニシモトビル303号室

【問い合わせ】
050-5526-8046

株式会社ワイ・ジー・ケー
【HP】
https://xbraidygk.co.jp/
【住所】
〒771-0360
徳島県鳴門市瀬戸町明神字板屋島60番地1

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【タイラバゲーム】数値化で極まる再現性。大鯛が狙えるディープ攻略の先進メソッドを公開

XBRAID・鯛 rubber custom PE BORN RUSH WX8

世界最大のPE製造工場からもたらされる、組ピッチの精度を極限まで高めて得た「均質の編み込み密度」にてきわめて安定した強度を実現したタイラバ専用PEライン。
特許技術HST.WX工法による耐摩耗性強化・ローストレッチを実現したことにより、ディープエリア攻略や、繰り返されるガイド摩擦への耐性に驚くべき有効性を発揮する。
また、セレクティブになったマダイに違和感を与えず、カウンター付リールから得られる核心的要素を最大限に活用する戦略的アプローチを可能とする染色パターンを採用。
細さと強度、耐摩耗性、ローストレッチ性能を兼備する仕様は、80㌢、90㌢といったビッグワンにも圧倒的な安心感で挑むことができる。
■号数
0.4号(10LB)/0.5号(12LB)/0.6号(15LB)/0.8号(18LB)/1号(22LB)
■巻き容量
200m/300m/400m
■COLOR
5m毎ウグイスグリーン/ケシアイボリー
1m毎ブラックマーク
■素材
素材:ポリエチレン(比重:0.98)
■商品URL
https://xbraidygk.jp/products/p3652/