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憧れの大型ヒラマサとの出会いを求めて…

オフショアキャスティング,大型ヒラマサ,隠岐の島1

憧れの大型ヒラマサをキャッチしようと、島根県・隠岐の島に遠征。夢の実現に向けて船長と仲間が一丸となり、豊かなフィールドで懸命に竿を振り続けた結果は…!!

Text & Photo  上杉一臣

大型ヒラマサを求めて隠岐の島へ遠征

私の地元、高知の海は黒潮の恩恵を受ける自然豊かなフィールドであり、西には足摺岬、東には室戸岬といった国内でも有名な釣り場がある。魚種も豊富で特にオフショアの釣りでは数十㌔のカンパチやクエなどの実績も高く、大物との出会いも夢ではない。私自身も9年ほど前から土佐湾におけるキハダマグロのキャスティングの可能性に注目し、仲間たちとともに高知が新たなキハダフィールドとなるための開拓に注力している。

しかしながら、そのような恵まれた環境であっても出会うチャンスが少ない魚もいる。それはヒラマサだ。県内で実績がないわけではないが、そう簡単に結果が出ないのが現状。ただ、なかなか釣れないからこそキャッチしたときの満足感や達成感は大きく、高知のヒラマサにこだわるアングラーもいる。

個人的にはそんなスタイルも大好きだが、夢を求めて高知に遠征してくるアングラーと同様に、ヒラマサという夢を求めて3年ほど前から年に1~2度のペースではあるが、日本海へ遠征するようになった。

現地でいつもお世話になっているのは島根県美保関町・笠浦港から出船のソルトウォーターフィッシングガイド「トラスト」さん。船長の林田さんは隠岐の島周辺海域のポイントに精通するイケメンで、我々の夢へのチャレンジを熱心にサポートしてくれる。

オフショアキャスティング,大型ヒラマサ,隠岐の島2
いつもお世話になっているトラストの林田船長。強い情熱と豊富な知識、経験でアングラーをしっかりとサポートしてくれる心強い存在だ。

隠岐の島周辺海域はヒラマサの魚影が濃く、「大マサ」と呼ばれる20㌔オーバーの大型ヒラマサの実績も高い魅惑のフィールドだ。そして、我々は大マサがヒットする可能性が高い春と秋に的を絞って釣行しており、2020年は5月と6月にアタックすることを早々に決めていた。

しかし、これからシーズンが開幕というタイミングで新型コロナウイルスが蔓延。遠征どころの話ではなくなった。林田船長も感染拡大を防ぐために早くから休船を決断。収入が絶たれてしまう深刻な状況の中、誰もが一刻も早い事態の収束を願った。

そして、ようやく緊急事態宣言も解除され、トラストも6月から再始動。我々も遠征予定を組み、何とか春シーズン終盤戦のヒラマサキャスティングにチャレンジすることができた。

オフショアキャスティング,大型ヒラマサ,隠岐の島3
雄大な隠岐の島周辺のフィールド。この海域のヒラマサ狙いでは過去に数々のドラマが生まれてきた。

穏やかな海況に苦戦

当日は風、波ともに穏やかだったが、6月下旬の日差しがジリジリと我々の体力を削っていくような状況となった。一般的に無風・ベタナギは釣り日和というイメージが強いが、ヒラマサのトップゲームにおいては悪条件といえる。

ヒラマサは青物の中でも運動能力が高く、非常に賢い魚だ。それだけに海面が穏やかだとルアーが見切られてしまい、なかなかヒットに持ち込めない。そんなシビアな状況を何とか打開するべく、船長はあらゆるアプローチを試みてくれた。

我々も何とかその思いに応えたい。ルアーサイズやアクションをいろいろと試し、ヒラマサの反応を引き出すように努める。しかし、チェイスは数回あったもののバイトにまで至らない…。ルアーの後方に魚がついても、執拗には追ってこないのだ。

そんな中、同行してくれたオーナーばりの渋谷さんがテクニカルなルアーアクションを駆使し、60㌢ほどのヒラマサをキャッチ。氏は経験豊富なアングラーで、その対応力の素晴らしさに感心した。この1匹が呼び水になることを期待したが、残念ながらあとが続かない。魚群探知機に映るベイトの反応は申しぶんないのだが…。

状況はわるくとも、ここ隠岐の島の海には何かが起こりそうな雰囲気がある。それほど自然が豊かで生命感に溢れており、フィールドの力強さを感じるのだ。

オフショアキャスティング,大型ヒラマサ,隠岐の島4
隠岐の島の海は常に何かが起こりそうな期待感を抱かせてくれる。今回もそのような雰囲気の中で高いモチベーションを維持でき、夢の大型ヒラマサに向けてキャストを続けた。

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