【ショア青物ゲーム】ヒット率アップに繋がる基礎知識 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 2

【ショア青物ゲーム】ヒット率アップに繋がる基礎知識

青物の習性を知る

ブリ・ヒラマサ・カンパチはいずれもフィッシュイーターと呼ばれる魚食性の魚である。だから小魚やイカ類、甲殻類(エビなど)を主として捕食するが、ブリは主に沖合を回遊していることから、大きな群を作るイワシやサバ、サンマ、アジ、トビウオといった魚を捕食することが多い。

大群を作って行動する以上、同様に大きな群を作って行動する小魚を集団で狩る方が効率がよいことは明白である。一方、ヒラマサやカンパチは根回りを住みかとするいわば青物の中の「根魚」であり、捕食する魚はブリなどが狙う小型回遊魚から磯回りに生息する根魚まで幅広い食性を持つ。

魚種によって根への意識が異なる

ルアーへの反応はいずれも良好だが、数が多いこともあってルアーマンが最も手にしやすいのはブリである。集団で捕食を行なうことから、群の一部の個体が捕食を始めるとそれに刺激されて群れ全体が狂乱状態になって餌を奪い合うような形になる。そういったことからスイッチが入れば数釣りがしやすい。

元来、沖合を回遊する魚であり、あまり浅い岸に近づくことは避ける習性があるが、ベイトが浅場にたくさんいるときや波が高いときは驚くような浅場にも入ってくる。カンパチは3種の中では最も好奇心が旺盛で、1匹が捕食を始めると奪い合うように捕食行動を始める習性がある。特に30~50㌢前後の若魚はルアーへの好奇心が強く、群れでルアーを追う様子が見られることもある。

こうした習性から1つのルアーに2匹が掛かるようなことがたまにあるが、カンパチの例が最も多いように思われる。青物はダイバーが出す泡によく集まるが、中でも圧倒的にカンパチが多いことからもその好奇心の強さがうかがい知れる。ただ大型は浅場にあまり回遊しないので3種の中では最も釣りにくい。

最も警戒心が強いのがヒラマサで、数が少ないうえに大きな群を作って行動することが少ないので、特に大型のヒットは単発であることが多い。ただ、磯などの障害物をまったく怖がらないので、それこそ人の背が立つような浅場にまで捕食エリアを広げていることがあり、朝夕の薄暗いときや波が高いときには水深1㍍にも満たない浅場に入っていることがある。

ファイトの強さはヒラマサとカンパチがいい勝負、ブリはやや落ちる。これは肉質を見てもわかる。ブリの肉はやわらかいが、ヒラマサとカンパチの肉質は引き締まり、見るからに筋肉質である。持久力もヒラマサとカンパチの2種は図抜けており、中でもヒラマサのファイトは瞬発力もスピードもあり強力である。

ショアからの青物で最も知っておきたい習性が、先に述べた彼らの根への反応である。以前、水族館の水槽でブリとヒラマサを比較した実験結果がある。それによると、水槽内に作られた擬岩(岩に似せた構造物)に開いたトンネルへの反応を調べたところ、ヒラマサはこの狭い穴を普段から苦もなくくぐり抜けて生活圏にしていたのに対し、ブリは近寄ろうともしなかった。これは海底の障害物に対する彼らの見方をはっきりと表わしている。障害物のある海岸からのゲームはしばしばラインを根に巻かれてゲームが終わることが多いが、中でもヒラマサの場合にはその事例が多い。これはこの根を恐れない、根を住みかとしている習性を表わしたものである。

これはカンパチも同様である。よってヒラマサ相手の浅いショアからのゲームの場合には、主導権を取り続けないと最後はラインブレイクでジ・エンドとなる。ボートからのゲームではラインは上方に向かって引かれるので、根が激しいところ以外では魚を浮かせるのは可能だが、ショアゲームではちょっとした根でも簡単にラインブレイクが起こる。リーダーなどはゲームに差し障りがないレベルまで強度を上げておくことが貴重な1匹を取るためには必要である。対してブリは根に走ることが少ないので、あくまでも状況によるが、ラインフリーにして走らせても根への干渉は少ない。

ショア青物ゲーム 基礎知識5

群れの規模が大きく、回遊に当たれば連続ヒットも期待できるブリ。本来は岸際を避けて沖合を回遊する傾向が強いが、ワンド内にベイトが溜まる状況であればシャローエリアでも十分にチャンスはある。

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