【磯のヒラスズキゲーム】赤木光広の水中目線主義
観察眼を磨くことが重要
水中目線主義についてもう少し掘り下げると、まずはサラシの下の地形をイメージすることから始める。このとき、波の立ち方などもよいヒントとなり、沖からうねってくれば遠浅であり、急に盛り上がれば沖に深みがあると判断できる。さらに、サラシが少し落ち着いたタイミングでよく見ると、磯際のエグレがうっすらと確認できる場合もあるので視覚で得られる最大限の情報を入手するように心がけたい。
そうやって魚のつき場を自分なりに想定したら、サラシをじっくりと観察。目をつけたバイトポイントへ向かう流れ(本命の流れ)を確認する。さらにどの向きの、どれぐらいのサイズの波によってその流れが発生するのかをチェック。ここまで観察できればキャストポイント、トレースライン、立ち位置なども必然的に決まる。
アプローチ前にチェックすべきこと
①複雑な流れが発生している場所…波は円運動(巻き込む)をしており、それが崩れるのは水深が浅くなって運動が底を擦るようになるからだ。したがって波の崩れ方でカケアガリの存在などを把握することができる。磯のヒラスズキゲームではこのような場所でできるだけ複雑な流れが発生しているサラシに目をつける。そこにエグレや陰などが絡むとヒラスズキがつきやすくなる。ただし、シャローでゴチャゴチャしているような場所はヒラスズキ自身が波の影響を受けて定位しにくくなるので期待できない。
②ヒラスズキの定位場所の推測…狙うサラシが決まればその中でヒラスズキが定位する場所と向きを推測。ヒラスズキがラクに捕食できるパターンをイメージする。
③本命の流れの見極め…ピンポイントを特定したら捕食を促す流れを見極める。波の周期を把握してサラシ内の流れを確認し、複雑な流れが発生してベイトが身動きできなくなるタイミングを絞り込む。そこから逆算してそのタイミングで狙いのピンポイントにルアーを送り込むようにする。
以上、考え方としては決して難しくないが、本命の流れになじませて流し込むというナチュラルドリフトは一朝一夕に演出できるものではない。過酷な自然状況をはじめ、強風や足場など何かと障害が多い。その中でアプローチの精度を磨くという高い志がなければ決して習得することができないテクニックだ。ただ、この釣りのコアな楽しさを追求するためにも、自身の釣りの精度アップに取り組んでほしい。
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