【磯のヒラスズキゲーム】赤木光広の水中目線主義

SWルアーフィッシングの中でもゲーム性、難易度という面で至高の釣りの1つに数えられる磯のヒラスズキゲーム。テクニックもそうだが、それ以前に自然状況を読むスキルが重要となるから…

(編集部)

低水温期のヒラスズキゲーム

冬の磯ヒラゲームといえばシーズン序盤こそ浅場で大胆に食ってくるものの、水温が下がり切ると口を使わせるのが格段に難しくなる。ヒラスズキ自体は比較的低水温に強い魚だが、水温が下がるとベイトフィッシュが深場に落ちるのでショアライン(磯)におけるヒラスズキの個体数が減ると考えられる。また、このタイミングでヒラスズキは産卵を意識するので口を使いにくくなり攻略の難易度がグンと増す。

そういったことからこの時期のヒラスズキは捕食ゾーンが狭まり、ヒットに持ち込むには精度の高い釣りが要求される。この時期特有の強い北寄りの風やウネリの中で常に安全面に注意を払いながらキャストのタイミングを計り、自分が思い描くアプローチが実践できるまで根気よく釣り続けなければ結果がともなわない。アングラーにとってはさまざまな面で過酷な時期といえるが、釣果に左右されずに自身のウデを磨き、レベルアップを目指するなら絶好の時期ともいえる。

この時期、掛けた後のリスクを承知のうえで細めのライン(PE1.2号)を使用することで風の影響をできるだけ減らし、潮なじみをよくして魚に口を使わせることを優先するというのが漢磯(おとこいそ)こと赤木光広氏の考え方だ。さらに百戦錬磨の漢磯は「アングラーにとっては何かと厳しい時期やけど、その中でアプローチの精度を磨こうとしないと絶対に上達せえへんよ。納得できるアプローチが実践できたうえでのノーバイトは大いに結構。『次はこうしよう』という考えが出てきてそれが上達に繋がるんよ」と語る。

厳寒期は魚との接点を少しでも増やすという考え方で細ラインで挑む。


水中目線主義

そんな漢磯の磯ヒラゲームにおける代名詞といえるのが水中目線主義である。フィールドにおいてアングラーはポイントを上から見ることになるが、魚の気持ちになって水中目線を意識するといのがこのスタイルのベースだ。「自分がヒラスズキならここに隠れて(波の影響をまともに受けないエグレなど)、ここから餌を捜し、ここに餌を追い詰めて食う」というヒラスズキにとって有利となる捕食パターンをイメージする。

その中ではヒラスズキが捕食に利用しているであろうサラシ内の流れを捜し、その仮説のもとで自身の立ち位置やキャスト場所、タイミングなどを決める。そして、ルアーを自然な形でサラシ内の流れに同調させて魚が定位している場所に送り込み(ナチュラルドリフト)、バイトに持ち込むというのが漢磯の勝利の方程式だ。氏のホームは激戦区として知られる紀伊半島。特に厳しい状況下においては、リトリーブの釣りはルアーアクションが不自然になるのか通用しにくくなっているようだ。「ここまでやってようやく出てくれたか…」というように年々ヒラスズキが賢くなっていることを実感するという。

いずれにせよ理論的な釣りの組み立てができるようになれば、日本全国どこへ行っても自分の釣りが通用するようになる。また、仮説を立てて釣るのとやみくもにキャストするのとでは1匹がもたらしてくれる経験値という面でも大きな違いがある。ゲームフィッシングとしては、やはりそういった部分を追求していきたいし、特にアングラーと魚が1対1で向き合う要素が強い磯のヒラスズキゲームにおいてはそれが醍醐味の1つといえる。

まずはポイントの状況をじっくりと観察。ウネリの周期やサラシの広がり方、流れなどから魚のつき場を推測する。


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