オフショアエギング・冬のティップラン入門
ゲームをより楽しむための条件
アオリイカの寿命は基本的に1年であり、時期や地域ごとの行動パターンがあるのでティップランが楽しめるかどうかは船宿に問い合わせるとよい。
水温が上がりだす3月以降は産卵を意識し、水深10㍍以下のシャローエリアに入ってくることが多い。この場合はティップランよりも、船から餌木をキャストしての通常のエギングが圧倒的に有利だ。ただし、和歌山の串本や四国の一部地域、種子島、沖縄で釣れるレッドモンスターと呼ばるアカイカ型アオリイカは、一般的なシロイカ型アオリイカとは生態が異なり水深40㍍前後でも産卵を行なうので、同時期でもティップランで狙える。
水深については、15㍍以上あればティップランは成立すると考えている。ティップランプラスだと餌木の真上に船があり、少なからず船影がアオリにプレッシャーを与えると思われるので、大まかには15㍍以浅では通常のティップラン、15㍍以深ならティップランプラスも視野に入れる、40㍍以上ならティップランプラスの方が効率的、という具合だろう。
水温は経験上、13度までは釣れるもののアオリの活性は極端に低いので15度以上が理想的。太平洋側だと12月下旬、早い年だと12月上旬には15度を切る。ただ、関西ではその時期からがレッドモンスターのベストシーズン。串本から田辺にかけてのエリアは黒潮が流入しているタイミングなら真冬でも17度以上あり、大型アオリが狙える最大のチャンスだ。
このころは強い季節風が吹くことが多く、よほど条件が揃わないとドテラ流しでは船の流れるスピードが速過ぎる。また、シロイカ型とは違ってレッドモンスターは、まづめとは無関係に突然訪れる時合にのみ集中的に釣れるから、そのタイミングで船が適正なスピードで安定して流れていることが大事だと感じている。同時に、餌木が縦に大きく動くと好反応を見せることがこれまでの実績から明らかになりつつある。それらのことからもティップランプラスで狙うのがベストといえる。
ちなみに、過去にはティップランプラスにて1月後半~2月に5㌔を筆頭に4㌔以上のサイズが釣れ、3㌔台は多数記録されている。
それと、ティップランプラスの考案者であるF‐cloudの雲船長によると、水深の浅いところで船を止めた次の瞬間に魚が散るのがソナーを通してわかるそうで、アオリは魚探には映らないがベイトである魚について離れていくのではないかとのこと。活性状況などによっては逆に船の下に魚が集まってアオリが釣れることもあるようだが、基本的に浅場ほど船影がプレッシャーの要因になると考えられる。
なお、海況については以下のようなウェブサイトの情報を参考に、チャンスがあればチャレンジしてほしい。●水温…水産総合研究センター リアルタイム海洋情報収集解析システム。
●黒潮の動向…海上保安庁 海洋速報&海流推測図
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