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オフショアエギング・冬のティップラン入門

冬のティップラン1

全国的に認知されるようになったティップランエギングだが、そのスタイルは進化を多様性を増している。たとえば、船を立ててバーチカルで誘うティップランプラスと呼ばれる釣法。従来のアプローチに縦の動きを加えることで、大型の反応がすこぶるよくなるから…

解説:太田武志

ティップラン釣法の概要

まずは通常のティップラン釣法とティップランプラスの違いについて説明したい。

「お助けリグ」を介して餌木を2個つけるのがティップランプラスと思われている向きもあるが、通常のティップランでもそれを使用するパターンがあり、その点では両者を区別できない。

スパンカーを用いて船を立て、潮に乗せて流すことでバーチカルにティップランを行なうのがティップランプラスである。ボートでのエギング全般において餌木が横移動するよりも、縦に動く方が大型アオリの反応がよいことは実績に裏づけられており、それを容易に、しかも通常のティップランが成立しない状況でも実現できることが最大の強みだ。その際に餌木を2個使用するお助けリグのメリットがより発揮される、ということである。ただし、スパンカーを使用して船を立てることを禁止している地域では当然ながら成立しない。

一方、ドテラ流しによるティップランでも風によって船が流されるスピードが適正で、お助けリグを水中で立てることができる状況であれば縦の動きも演出でき、餌木を2個をつけることの効果は十分に発揮できる。だが、あくまでも自然任せとなり、スピードを調整することはできない。

冬のティップラン2

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●ティップランの利点…重めの餌木を使用するので底取りがしやすい。風によって船を流し、餌木を引っ張ってアオリのいるポイントに通していく形となるので、基本的なアプローチ法さえ覚えれば比較的容易に釣果を得ることができる。専用ロッドも各社から発売されておりショート、ロングと各自の体格や体力に応じてチョイスできる。

●ティップランプラスの利点…船、潮、餌木が常に同調して流れる形となり、風や潮の状況に左右されにくい。風や潮の加減により船がまったく流れない、風が強く船が流されるスピードが速過ぎるといったドテラ流しによるティップランが成立しない状況でも問題ない。また、バーチカルな釣りであることから水深に対してラインが余分に出ることが少なく、餌木の回収時にアングラーの負担が軽減されるうえ、着底もよりわかりやすい。

ティップランプラスで効果を発揮するお助けリグのメリット

船を立てることでより底取りがしやすくなるのだから、ティップラン用の重めの餌木が1つあれば釣りは成立する。一方、通常のエギングで使用するノーマル餌木は底取りよりも乗せることを重視しているからフォール姿勢が良好で、単純に比較すればこちらの方がヒット率は高いはずだ。ただ、それを船から水深数十㍍の底まで送り込むとなると現実的でない。そこで、上部に乗せ専用としてノーマル餌木、下部にサソイと沈下用としてティップラン用の餌木をセットし、両者のメリットを同時に引き出そうというのがお助けリグの狙いだ。90㌫以上の確率で上部にヒットすることからも、その効果がうかがえる。

お助けリグを使用する際に大事なのは水中でリグを立てるということ。2個の餌木がそれぞれの動きに干渉するせいなのかは定かではないが、リグが斜めの状態だと釣果が格段に落ちるのは事実だ。むしろその状況ではティップラン餌木1つとする方がよく釣れる。

それと、これはシーバスの反応だが、ティップラン餌木1つで上下にサソイを入れたときはゆっくりと、お助けリグで上下に誘ったときはより速く近づいてきて捕食モードとなっていることがうかがえた。また、小アジの群れに対して同じことをやったところ、後者のときはアミエビを撒いたかのようにパニック状態となって2つの餌木にまとわりついてきた。いずれも警戒する様子はなく、複数の餌木を使用することで集魚効果が高まると考えられる。

そして、水深20㍍以上ともなるとラインの抵抗もそれなりに大きく、シャクリを入れても餌木はさほど大きなダートアクションを起こさない。シャクリによる上への動きとフォールによる下への動きがティップランにおけるサソイだといえる。ティップランプラスならそれがより容易に演出でき、お助けリグを立ててその集魚効果、乗せやすさを十分に発揮させることができる。

冬のティップラン3

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