スローピッチジャークで底物を攻略
底質を判断する方法
タックルには感度を求められるケースが多いが、底質を知るうえでは特に欠かせない要素となる。地形や底質を知り、そこに生息する魚を知り、狙い通りに攻略することこそスローピッチの醍醐味ともいえる。
たとえば、ロッドなら素材の軽量化、ハイカーボンの採用、ガイドのラッピングの低レジン化による軽量化や設置の適正化、リールシートの小型化などが感度の向上に繋がる。このあたりは各メーカーが取り組んでいることであり、市販の専用品を選択すれば高感度を手にできるだろう。
リールは軽量なカーボン製のハンドルに換装するだけでも違いを感じることができる。ハンドルの素材としてはアルミ、ステンレス、チタンなどがあるが、私はダイヤモンドと同等の硬度を誇る非金属のカーボン製のものを愛用している。
ラインはPEを選択すれば十分な性能を得られるが、潮が速いときや二枚潮などではより低伸度なスーパーファイヤーラインなどがおすすめだ。また、ターゲットのサイズを考慮し、余裕を持ってファイトできる範囲内でできる限り細号柄を選択することも余分なラインスラックを出さず感度の向上に繋がる。リーダーは初期伸度が低いフロロカーボンがベスト。リーダーは短いほど感度がアップすることも覚えておきたい。
ジグは重いものを選ぶことで底質を把握しやすくなるが、魚が釣れなければ意味はないので口を使わせることを優先してウエートを選択したい。また、リールから出るラインの量が多くなるほど感度は鈍くなるため、潮に流されにくい形状のジグも有効だ。そういった意味では高比重でシルエットの小さいタングステンジグの使用も効果的といえる。
底質を把握するための目安やシグナル
底質の把握に限ったことではないが、船長とのコミュニケーションも大切にしてほしい。地形の変化や底質の状況は船内の魚探のモニターに表示される。底物狙いでは魚やベイトなどのいわゆる反応を追うのではなく、地形の変化や形状(カケアガリ、カケサガリ、背の高い根や低い根)に注目している。
岩などの音波の反射の強い底質ほど、魚探には赤く太く表示され、海底から下部にのびる「尾の引き」と呼ばれる部分が長くなる。小石、砂利、砂、泥の順に反射は弱くなり、赤い部分が細くて尾の引きが短く表示される傾向がある。
ただし、船長によって魚探の設定がかわるためまずは素直に聞いてみるのが得策だろう。きっとアングラーにとって役立つ情報を教えてくれるはずだ。気持ちよく釣りをするためにも、船上での円滑なコミュニケーションを心がけてほしい。
もちろん、手もとに伝わる感触から底質を把握することも重要だ。着底後、ジグを少し持ち上げてラインを張りながら海底を小突くようにロッドを動かす。「コチン」や「ゴチン」といった感触が伝われば岩や石などのかたい底質。「ドスッ」や「フッ」は砂利や砂。「ブスッ」と埋まるようなら泥といった具合だ。
文章ではなかなか伝わりにくい部分だが、経験を積むことで感覚的に判断できるようになるだろう。
スポンサーリンク
※文章・写真・記事などのコンテンツの無断での転用は一切禁止です(詳細はサイトポリシーをご確認下さい)。