【WINDING TRAIL vol.1】ナイトロックショアジギング
チャームポイントがたくさんのスピニングリール
それとノスタルジックなスピニングリールについては私が愛して止まないPENNスピンフィッシャー430ssを使用。女性的なアウトラインを持つ鋳型ボディーに、潔くこれまた渋いハンドルとワンタッチ脱着式のスプールがついた格好いいリールである。プレートには堂々と「HIGH SPEED5.1:1」と銘打たれており、もちろんそのこと自体に嘘偽りはないのだが、スプール径が小さいのでハンドル1回転の糸巻き量が50㌢ほどと若干控えめなところがチャームポイントである。
さらに他にもチャームポイントが。潔くもワンウェイクラッチが入っていないギヤストッパー式のリールである。「ガッチャン、ガッチャン」という具合に巻きを止めるたびにいちいち1/4ローターほども逆転する。昔のリールにはワンウェイクラッチが入っていないのが当たり前だったが、久々に触ってみるとさすがに衝撃を受けた。逆にいうと自分がワンウェイクラッチつきスピニングリールに慣れ過ぎていることに改めて気づかされた。いくらライトとはいえ、繊細なPEラインを使うジギングである。「現役を退いたレディーにはいささか荷が重過ぎるのではないか…」という一抹の不安を覚えずにはいられなかった。
余談ではあるが私がどれぐらいこのリールを愛しているかというと、もともと左巻き設定のリールなのだが(右巻きに変更できない)、右巻きの自分を左巻きにするぐらいといえば少しは愛の深さをわかっていただけるだろうか。そう、愛の力は利き腕をもかえるのだ。ともあれ、この美しいリールでぜひアジを釣ってみたい。
昭和生まれのリールで平成生まれのアジを狙う
まずは愛して止まないPENN430SSからスタート。振りかぶって恐る恐るキャストすると、小さなスプールからラインがスムーズに放出される。小型スプールとPEラインの相性は意外とよく、不安視していたラインのヨレもまったく気にならない。これは小口径ガイドが主体となる現在のロッドに対してメリットが大きいかもしれない!!
そして、リトリーブだがここで問題が。繊細なアタリを逃すまいとテネシーハンドルグリップ、ブランクタッチであつらえた7.8㌳のロッドにリール回転のノイズが響き渡る。ハンドルノブのアソビは仕方ないが、ローターの回転ノイズはやはり気になる。ローターが回転するたびにわずかではあるがティップまで振動が伝わる。このままでは繊細な釣りに向かないのでローターのウェートバランスを調整する必要がある。
それと最も気になっていたワンウェイクラッチだが、思いのほか慣れれば気にならなかった。強いていうならルアーをロッドに引っかけて移動するときにラインが緩んでルアーがはずれる程度のことであった。
そして、実釣ではそんな昭和生まれのリールでも平成生まれのアジを釣ることができた。ヒット後も巻き遅れることなく「ギャー」と鳴る甲高いドラグもスムーズに機能したし、ローターのウェートセッティングしだいではまだ伸びシロがある。十分に遊べるリールであることを確認できた。何よりお気に入りのリールで釣ることができて感無量であった。
チャーミングなリールが活躍!!
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