【WINDING TRAIL vol.1】ナイトロックショアジギング | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 3

【WINDING TRAIL vol.1】ナイトロックショアジギング

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ベイトリールでアジジギングってどうよ?

さて、もう1つの課題であるベイトリールについては、まず最初に「ノスタルジックなベイトリールを…」とも考えた。しかし、格好いい旧型ベイトリールはだいたいスプールとフレームの隙き間がオトコマエ過ぎて、繊細なPEが簡単にフトコロへと滑り込むことが予測できた。表向きはそれを理由に却下したことにするが、ABUウルトラマグXL-1やABU1000cなどの秘蔵コレクションを海の釣りで使いたくないというのが理由の半分。後の半分は現行ベイトリールの回転性能や回転制御の進化が凄まじいので旧型タイコリールではアジジギングが可能になるまでのハードルが高過ぎるのではないかということ。明らかにイモを引いた形でのスタートとなった。

かわりに白羽の矢が立ったのはテイルウォーク・ELAN MTX 81。海水でも使える現行のイケイケリールからのスタートである。転校生の法則のように「ベイトタックルだったら2割増しで格好よく見える」のであれば、ぜひとも許してほしい妥協である。

ベイトタックルの可能性を実感

キャストするとラインはスムーズに出ていくが、やはり弾き出すようなスピニングのキャストとは違った。ロッドに乗せて押し出すようなベイトタックルでのキャスティングは同じ条件のスピニングタックルに飛距離が及ばなかった。およそ5~10㍍ほど飛距離に差が出る。

ただ、今回使用した7.6㌳よりも長い8.6~9㌳ぐらいのロッドを使い、スプール回転をうまく制御できればスピニングタックルとよい勝負ができるのではないかと思う。いずれにしても予想通りに飛距離は今後の課題ではあるが今回は遠心ブレーキ式のリールだったので、今後はマグネットブレーキも試してみたい。

フォール中のアタリは気持ちいいほど捉えることができた。アジが絡んでくる繊細なアタリまで感知できたのでフォール途中からのスタート、ロッドを起こすような緩いカーブフォールでジグの姿勢を整えてからリトリーブの立ち上がりでバイト!! アジはロックオンした獲物に対して執拗にチェイスしてリバイトしてくる。主にフリーフォール、カーブフォール、スローリトリーブのタイミングでバイトが集中した。8.1:1のギア比ではリトリーブ時にアングラーの回転運動のモーションがゆっくりなのでロッドティップがブレにくく、ラインがリールからロッドをタイトに伝わっていく構造ゆえ繊細なアタリをとれるように感じた。ロングキャストが必要なロケーションだったにもかかわらず飛距離ではスピニングに劣るが、いち早くアタリがとれるベイトタックルの情報量に今回は軍配が上がった。

ボトム付近でのバイトが多かったのでフィールドコンディションが左右したのか、ベイトタックルではフォール中も緊張が途切れなかったためか、もしくはたまたまのタイミングだったのか…。今後も検証していきたい課題である。ベイトタックルは試さなければならない課題も多く残されてはいるが、アジジギングが今よりももっと楽しくなる可能性も十分に秘めているように感じた。

そんなわけで今回はまったく流行っていない「アジジギング」に注目してみたが、単に「釣る」という行為だけではなく、潜在する可能性に楽しさがあり、釣ることと合わせて楽しむことが釣りという趣味を永く楽しむ極意であるような気がする。

アジング メタルジグ4
アジング メタルジグ5
より味わい深い楽しさを求めて…!!

アジングの可能性を自分なりに引き出すことに成功。実用性の見極めや今後の課題なども見つかり、非常に楽しく有意義な釣行となった。

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【新名啓一郎・プロフィール】

ロックショアにおけるベイトキャスティングスタイルをはじめ、SUPフィッシングなどネイチャリングスポーツとしての釣りを追求。持ち前の好奇心と行動力で独自の世界観を広げ、それを昇華して新たな釣りの楽しさを発信し続けている。


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