【Rambling a gogo!! vol.1】好調の磯ヒラゲームで引き出しを増やす!! | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 2

【Rambling a gogo!! vol.1】好調の磯ヒラゲームで引き出しを増やす!!

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ヒラスズキの新たな一面が…

続いての釣行は11月3日。前回と同じような状況だったため、再現性を確かめるためにも同じ磯にエントリーした。先行していた釣友の南氏は早々に70㌢と50㌢クラスのヒラスズキを手にしていた。しかし、反応が途切れたようなのでポイントを移動することに。やってきたのは深場のところどころにシャローエリアが絡むポイントである。

年間を通してさまざまなターゲットを追いかけている釣友の南氏。そのテクニックには定評があり、この日も私が反応を引き出せなかったポイントで本命をキャッチしていた。

 

広く探りながら機動力をを生かして釣り進んで行くと、スロープ状になった払い出しで南氏に4連続バイト。残念ながらフックアップには至らなかったが、派手なバイトシーンを見て盛り上がった。付近の同じようなポイントで釣っていた私には1バイトのみ。反応の違いが気になったので話しかけると、私はシャローミノーを使用しているのに対し、南氏はトップウォータープラグ(ペンシルベイト)をキャストしていた。この時点では特にそれを気に止めることなく次のポイントへと向かった。

海岸線を見ながらよさそうなサラシを捜していると沖磯に波が被り、磯裏で大きくサラしている場所を発見。向かって左側から流れも入っており、見るからにヒラスズキがついていそうなポイントである。サラしている磯裏は少し水深がありそうだが、手前側10㍍ほどは浅くてサラシが届いておらず、ゴロタ石に海藻が生い茂っている。ポイントまで距離があったのでここでは少し重めのトップウォータープラグをチョイスした。

フルキャストの1投め、着水点から少しリトリーブしたところでバイト!! 魚体が水面を割る、まるでイルカショーのような素晴らしいバイトであった。しかし、同時にルアーも宙を舞い、惜しくもフックアップには至らなかった。よく肥えたナイスサイズだっただけに悔やまれる…。

幸い魚がフックに触れていなかったので、今度は確実に仕留めようとリップレスミノーにチェンジしたが数投しても反応がなかった。そこで再びトップウォータープラグをキャストするも、反応のないままサラシ上を通過してしまった。手前は浅くてサラシがないのでルアーを回収しようと若干リトリーブ速度を上げると魚が水面を割ってバイト。想定外の出来事に驚いたが、フッキングも決まってファイト開始。手前は浅場で随所に磯があるので取り込みに苦労したが、何とかランディングに持ち込むことができた。キャッチしたのはコンディションのよい65㌢クラスであった。

それにしても、驚くべきはサラシのない海藻の生い茂った浅場でバイトしてきたこと。サラシ場からルアーを追ってきたのか、それとも海藻の中に隠れていたのか…。答えがわからないまま釣りを再開した。

先ほどと同様にサラシでのバイトはなく、「さっきはこのあたりでバイトしてきたな…」と考えながらゆっくりとトレースしていると、同じ場所で今度はルアーが静かに消し込んだ。バイトの瞬間は見えにくかったが、リヤフックをついばむような感じだったので「もしかしたら沖からルアーを追ってきたのか…」と考えた。ヒットした魚は先ほどよりも小さく途中でバレてしまった。

その後は南氏とポジションチェンジ。氏はトップで反応を引き出しているが、なかなか掛からない様子である。私と同様にサラシのない場所でのバイトもあるようだ。そして、ランカークラスをバラしてしまった後は反応がなくなったので納竿とした。

ときおり想定外の反応を見せるヒラスズキ。この釣行ではサラシのないシャローの海藻エリアでバイトしてくることがわかり、勉強になったとともに引き出しを1つ増やすことができた。再現性は低いと思われるが、条件が揃えばこのようなケースもあるということ。今後はそれも頭に入れて釣りをする必要がある。

予期せぬ場所でのヒットにこの釣りの奥深さを再認識した。

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入り組んだシャローでランカーがヒット!!

11月18日、この日は夕方に満潮を迎える潮回りだったので午後からのんびりと磯へ向かった。テンポよく数個所のポイントをチェックするが、反応が得られないまま最後のポイントへ。しかし、南東からの波は上げ潮とともに大きくなっており、波が大き過ぎてアプローチできる場所がない。仕方なくタックルを片づけて撤収することにした。今きた道を半分ほど戻ったところで、入り組んだシャローでサラシが発生している場所を発見。とりあえず様子をうかがおうとポイントを見渡すと、外洋からの大きなウネリは入っておらず、砕けた波がサラシを形成して1個所に流れ込んでいる。流れも差し込んでおり、すべての餌が1点に集中しているような感じであった。ヒラスズキにとっては流れの先で待っているだけで四方から餌が運ばれてくるような格好の捕食場であろう。

これはチェックしない手はないと思い、さっそくタックルをセットして釣りを再開。ポイントはプール状になっており、その中央付近に濃いサラシが広がるタイミングで120㍉のリップレスミノーをキャスト。水面直下を漂わすイメージでトレースすると、サラシと流れが1点に集中する場所に差しかかろうとしたときに水面を割ってバイト!! その瞬間に確認した魚体は間違いなくランカーだった。魚は入り組んだシャローを縦横無尽に走り回り、磯の裏に回り込まれたりもしたが、運も手伝ってくれて浅場へと誘導することができた。無事にランディングしたのは83㌢(5.5㌔クラス)であった。充実感と無事に取れた安堵感で満たされ、この日は大いに満足して納竿となった。

83㌢(5.5㌔クラス)のヒラスズキ。撮影後はタイドプールでしっかりと蘇生してリリース。泳ぎ去る姿を見ながら感謝の気持ちでいっぱいになった。

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ルアーはアゴの下に絡みつくようにフッキング。ファイト中も終始ルアーが見えていたので、バレないかと何度ヒヤヒヤしたことか…。

 

以上のように、今秋の南紀エリアにおける磯ヒラゲームを振り返ると非常に好調だったように思う。私自身、釣行する先々でヒラスズキに出合えたし、釣友などからも釣れたという話をよく聞いた。魚との出合いが多くなると必然的に引き出しが増えて釣りの精度も上がる。そして、改めて認識したのはベイトがシャローに接岸したときのトップゲームの楽しさである。サイズを問わず、信じられないような浅場や溝からバイトしてきたときは本当に興奮する。一連の釣行でも「さすがにこんなところにはいないだろう」という場所で何度もバイトを得た。これにより固定観念が少しずつなくなっていき、この釣りの奥深さを実感することができた。自分自身の着実な成長を感じることができたよいシーズンであった。

やり込むほどに奥深さを痛感する磯のヒラスズキゲーム。今後も安全面にはしっかりと留意してこの釣りを楽しんでいきたい。

 


《使用タックル》 ロッド=Go-Phish・The Spot King“master plugger”13.0TTheSpotKing 11S surface リール=ダイワ・カルディア3520PE-H  ライン=サンライン・ソルティメイト キャリアハイ6(2号) リーダー=サンライン・システムショックリーダーFC30Lb ルアー=Go-Phish・ヒラフィードGPBKRP115GP “24G”TKF130Force-GPTKLM120-GP

磯ヒラゲームにおいて私が好んで使うルアーのカラーは蛍光マット系(マットオレンジ、マットピンク、マットチャート、マットグリーンなど)。特に自分の目で視認しやすいのはマットオレンジで自然界には存在しないカラーだが、以下の理由から好んで使用している。 ①高い視認性によりルアーの位置を即座に認識でき、ルアーの動きでサラシの中の流れを把握しやすい。また、磯際をタイトに攻めやすいなどヒット率を高められると感じている。 ②ルアーを見失わないので根掛かり回避に繋がる。 以上のように視認性の高さが1番の理由だ。これはサラシの厚さや光量を問わず、またフルキャストした沖や、複雑なサラシの中など、いかなる状況でも見失ないにくいのでアングラーに大きなアドバンテージをもたらせてくれる。それにともない、水面に躍り出るようなバイトシーンもはっきりと見えるので興奮できるし、どこでバイトしたかを考えることでスキルアップにも繋がると感じている。他にもルアーボックスがオモチャ箱のような感じがして開けるたびにうれしくなるという楽しみもある。


【中瀬直行・プロフィール】

年間を通して多彩な魚種が狙える南紀・串本エリアを中心に、波止回りのアジ・根魚・チヌから磯のヒラスズキや青物までジャンルを問わずに旬のターゲットを追いかけている生粋のマルチアングラー。

 


【磯のヒラスズキゲーム・安全とマナーについて】

※上記のリンク先にある「磯のヒラスズキゲーム・安全とマナーについて」を必ず読んでいただき、ルールやマナーを守り、安全対策をしっかりと講じたうえで事故やトラブルのない釣りをお楽しみ下さい。


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