磯のヒラスズキ・シーズン序盤を制する戦略的釣行|【Experienced Plugger vol.1】
初冬に入りヒラスズキがベイトを荒食いする盛期となったが、肝心の海が荒れる日が少ない。そんな中、久々に荒天と休日が重なって釣行するフィールドをじっくりと吟味。波高の継続が期待できる筑前大島へ向かったところ…
Text & Photo 池田一郎
磯のヒラスズキ日和が到来
晩秋から冬へと移りゆくこの季節、磯のヒラスズキは産卵を強く意識する時期であり、より多くのベイトを欲する本能に支配される。同時に寒波が繰り返される時期でもあり、西高東低の気圧配置がもたらす季節風はシケを日常化させる。そして、サラシのベールに包まれた外洋の磯では、その本能に導かれたヒラスズキが容赦なくベイトを襲う。
秋のシーズンイン以降、今季は例年に比べて天候が安定しており、12月に入ってからも私の地元である福岡では最高気温が25度を上回る記録的な日が訪れるなど、シケる日が少ない傾向が続いている。
シーズン中は常に気象予報をチェックしながら釣行の機会をうかがっているが、11月23日、シケのタイミングに合致する休日が訪れようとしていた。気象予報によると「22日より低気圧が発達しながら九州~本州を通過。気圧差は小さいながらも一時的に西高東低の冬型の気圧配置となり、海上や沿岸部では北寄りの風が強まっていく」とのことであった。
風は22日夜がピークとなり、翌23日の九州北部は高気圧圏に入って風が急速に弱まるが、朝のうちはサラシが広がる状況が継続すると思われた。実際、23日発表の気象予報は「北西風、波高2.5㍍のち1㍍、海上は始め北西の風やや強く…」というものであった。
季節のかわり目ということで、短い周期で天候が変化する予報だが、ここ最近では貴重な磯のヒラスズキ日和を迎えることとなった。
波高の継続を期待して選んだフィールドは…
釣行場所を設定するにあたり、予報通りなら波が一気に落ちることが想定されるので、多少なりとも波高の継続が優位であろう玄界灘の沖磯を視野に入れて検討。しかし、前日から続く2.5㍍の波高では、この海域における瀬渡しは出船しないことが多い。ましてや風裏ならともかく、波風をまともに受けるエリアへの瀬上がりは厳しいだろう。そこでフェリーを利用して離島へアクセスする手段を選択。ピックアップしたのは宗像沖の玄界灘に浮かぶ「筑前大島」である。
同フィールドは外洋に面して北側にヒラスズキのポイントが連なっており、予報の風向きならサラシが十分に継続することが期待できた。筑前大島へは神湊(こうのみなと)から定期船「おおしま」で30分ほどの距離。今回、現地では交流がある島内のアングラーと行動をともにした。
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