磯のヒラスズキゲーム・初冬の戦略①|【漢磯紫流儀 vol.2】 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 2

磯のヒラスズキゲーム・初冬の戦略①|【漢磯紫流儀 vol.2】

釣果を上げるためのアドバイス

磯のヒラスズキゲームではサラシが十分に広がっていて潮位もちょうどいい感じなのに、まったくアタリがないというケースがある。私がこのようなときに信条としているのは泥臭く攻めることだ。

磯のヒラスズキゲームの創成期は「数投してアタリがなければ移動」というのが鉄則であった。しかし、近年はヒラスズキを狙うアングラーが激増し、磯にサラシが広がる状況なら四六時中攻められているというのが実情なので、その考え方は通用しないと感じている。人的プレッシャーにより以前に比べてかなり魚を釣りにくくなっているからだ。たまたまフレッシュなヒラスズキの群れが磯についたタイミングやベイトに狂っている場合などは別として、エントリーしやすい磯やアプローチしやすいポイントは軒並み釣りにくくなっているように思う。

では、ヒラスズキを手にするためにアングラーはどのように対応すればいいのか?  それは今のところルアー操作の精度を上げることだと考えている。

たとえば、サラシの下のエグレについたヒラスズキがベイトを捕食しようと上層を意識していると仮定する。そして、捕食場所を絞り込んでルアーをそこへ向かう流れに乗せ、理想と思えるトレースを繰り返す。仮にうまくいかなかったとしても、何度もやり直す根気が必要だ。そうやってルアー操作の精度を磨いていく。さらにサラシの濃いときと薄いときで反応の違いをうかがったり、サラシの切れ目を意識して狙うなど、考えられるあらゆる攻め手を繰り出す。

あるいは今まで距離が遠くて諦めていたポイントがあるなら、ルアーロストを覚悟で積極的に攻める。さらに離れたポイントであってもサラシ内の流れの抵抗を意識しながら、それに逆らわないよう繊細なルアー操作を心がける…。最初はうまくいかずとも決して諦めず、難易度の高い状況を克服するという意識を持つことが重要だと考えている。

サラシの下に潜む狡猾な大型に口を使わせるのは容易なことではない。私自身、同じサラシに2時間以上もキャストを続けてヒットに持ち込んだという経験が何度もある。

そこにヒラスズキがいるのは餌を捕食するのが目的であるのだから、捕食を躊躇させている自然の複雑な要因を打破してバイトに持ち込む。それが実現できたときは大きな達成感が味わえる。そんな泥臭いプロセスもヒラスズキ釣りの醍醐味だ。情報や人に案内されたポイントで肝心のプロセスを省き、たまたま釣れてしまった魚とはわけが違う。みなさんも自分が感じたままの釣りを展開し、自然に溶け込んで真のゲームを楽しんでほしい。厳しい自然環境の中でアングラーと魚が1対1で向き合い、自らの狩猟本能を掻き立ててターゲットを攻略するのが磯のヒラスズキ釣りの醍醐味だ。

磯のヒラスズキ&青物ゲーム 初冬の戦略4

自らの考えをもとに攻略パターンを突き詰め、磯のヒラスズキゲームならではの醍醐味を存分に味わってほしい。

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初冬の戦略②に続きます)



【赤木光広・プロフィール】

激戦区の紀伊半島で磨いたテクニックと理論を武器に、ヒラスズキをはじめ、青物・マルスズキなどを求めて各地の磯で積極的に竿を出し、飽くなき探究心で進化を続ける熱血漢。結果よりプロセス重視の釣りを心がけている。


【磯のヒラスズキゲーム・安全とマナーについて】
【ショア青物ゲーム・安全とマナーについて】

※上記のリンク先にある「磯のヒラスズキゲーム・安全とマナーについて」「ショア青物ゲーム・安全とマナーについて」を必ず読んでいただき、ルールやマナーを守り、安全対策をしっかりと講じたうえで事故やトラブルのない釣りをお楽しみ下さい。


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