【UNCHAIN SKILL act.6】豆アジング・フグとサバの猛攻を避けるには?《前編》
狙いのスポットの見極め
前述したように餌が豊富で安易に摂餌できる場所はサバの独壇場だ。そこでアジングではまず狙いどころを考えたい。たとえば、サビキ釣り師が派手にオキアミを撒く場所では少し下のレンジや周辺部が狙い目となる。シラス(カタクチイワシの幼魚など)の場合も同様だが、こちらは近年の伊勢志摩エリアでは見かけることが少なく、ベイトとして成立していないように思える。一方、この時期に5~7㌢に達するトウゴロウイワシの稚魚はひと回り大きなサバには格好の餌であり、派手なナブラになっていることも少なくない。しかし、豆アジの餌としては少し大きく遊泳力的にも追いきれない。
結果として動物性プランクトンが豆アジのメインベイトであるといっても過言ではないが、「動物性プランクトン=照明下」ということになる。確かに走光性の動物性プランクトンも多いが、そこもまた黄昏フグの巣窟であり瞬時に捕食スイッチが入る。そういったことからも少し下のレンジや照明の明かりの切れ目が狙い目となる。
強い遊泳力を持たない動物性プランクトンだが、浮遊・沈降することや適正照度もあり、宙層や底層を狙ってももそれほど不利ではない。また、まったく遊泳力を持たない動物性プランクトンもおり、潮流や風によって流されることから照明下に留まるわけではない。そういったことから明かりの周辺部も狙い目となるし、同じ理由で潮目も狙い目となる。
[spacer]アプローチの概要
一般的なアジングといえばカウントダウンしながらレンジを刻み、チョンチョンとシャクリを加えてアピール。一定レンジをスイミングやカーブフォールで誘うというアプローチが定番だ。ところがこの時期の志摩エリアにおける豆アジングでは、これらがNGアクションとなることも多い。サバやフグに見つかってしまい、彼らの活性を上げてしまうからだ。また、遊泳力の低い動物性プランクトンはクイックに動かないというのもNGの理由である。そこでリグをアクションさせて追わせるのではなく、自然にプレゼンテーションして存在感で付近のアジや、回遊してきたアジに見つけてもらうのが私のスタイルだ。
私が推奨するアプローチはキャストしたら任意のレンジまでフリーフォールさせ、そこからロッドを立ててアジが吸い込む余地や弛みのマージンを取った上で一定のテンションをかけ続けてリグを漂わせるというもの。目安としてはラインを1度張った後、少し緩めてアジが吸い込むことで張るように設定。その状態を維持するために糸フケを巻き取る。ただ、ジグヘッドの重みで手前に移動するため、できるだけ軽量なジグヘッドを使う。当然、ロッドワークによるアクションを加えたり、速くリトリーブすると一定レンジをトレースできないので注意が必要だ。
おおむねこのようなアプローチとなるが、サバの回遊がないとき、群れが途切れたとき、フグが少ないとき、アジの活性が高いときなどもあるため、従来のワームを跳ねさせるようなアピールや巻きが効果的な場面もある。
[spacer](※《後編》に続きます)
【安田栄治・プロフィール】
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