【UNCHAIN SKILL act.7】豆アジング・フグとサバの猛攻を避けるには?《後編》 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア

【UNCHAIN SKILL act.7】豆アジング・フグとサバの猛攻を避けるには?《後編》

豆アジング 高水温期5

《前編》では高水温期における豆アジングの戦略を紹介したが、《後編》では具体的なアプローチ法と有効なタックルについて取り上げたい。特に道具選択の妙がこの釣りの醍醐味となるから…

Text & Photo 安田英治

シチュエーション別アプローチ

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ゴミパターン

潮目は遊泳力に劣る動物性プランクトンが吹き寄せられて溜まる場所である。そして、ゴミが溜まる場所はそれが顕在化して視認しやすいため、好みはあるものの1級スポットであることは間違いない。しかも、アプローチにコツがいることからも攻め切られていないのでプレッシャーも低く釣りやすい。そんな、ゴミパターンについて解説したい。

藻場撃ちと同様に、ゴミパターンにおいてもサイドや手前・奥などの周辺部、隙間が狙い目となる。そして、この場合のアプローチで最も重要となるのがリグをできるだけ横(手前)に移動させず、漂うようなアプローチを演出することだと考えている。

切れ藻や草など視認しにくいものも多く、夜間だと避けたつもりがゴミに引っ掛けてしまうものだし、サスペンドしているものも少なくない。そして、リグを横移動させることでこれらを引っ掛けてしまうことになる。仮にラインを引っ掛けてしまっても、リグが水中にあれば餌であり続ける。巻かなくてもジグヘッドの重みで手前に寄ってくるため、極力軽量なものを選択したい。あえてラインをゴミに引っ掛けてリグを吊るす方法を用いれば重いものでもOKだが、それほど遠投する必要もないのでやはり軽量リグが有利だ。ゴミがストラクチャーとなってアジの警戒心も低く、このような場所をあえて狙う釣り人もいないのでプレッシャーも低い。足もとにあるゴミの隙間にリグを置いておくだけでも釣れるほどである。

近年のアジングシーンでは掛けにいくことを至上主義とされる方も多いが、もちろん空振りすることも少なくない。そうなるとリグが手前にくるのでゴミに引っ掛かりやすい。バイトしたアジが反転したのを確認してから乗せるのが釣果を伸ばす秘訣だと感じている。

豆アジング 高水温期6

広範囲に広がる水面破裂パターン

釣り場で広範囲のライズを目撃すれば興奮するものだが、意外と結果が伴わないことも多い。この場合、あたり一面にたくさんのアジがいると錯覚しがちだが、実際には月夜や潮が動かないことによりアジやベイトが散らばっているだけということも多い。よく見ると、いくつかの小さな群れが餌を求めて猛スピードでグルグルと回遊して捕食しているだけということも…。

しかし、この状況ではアジの活性が高いこと、表層を意識していることは確かであり、渋いなりにも釣果に差が出るゲーム性の高いパターンであることも間違いない。

アプローチ法としては、まずは表層~水面直下でアピールして食わせることが重要となる。個人的にあまり好みではないがフロートリグで狙うのも効果的だろう。また、シンプルなリグで攻略するならフライやノーシンカー、もしくは軽量ジグヘッドを用いる。シンカーがついていれば大なり小なり沈む。そこで、ロッドを立ててリールハンドルを巻き、表層レンジをキープ。ときにはアピールではなく、レンジを上げる目的でチョンチョンとロッドを動かす必要がある。この行為は必然的にサバやフグを刺激することになるため、できるだけ波動やアクションが小さくなるように工夫したい。少し硬めで動きのわるいワームを使ったり、目立ちにくいクリアカラーを用いるなどすれば効果的だ。また、フグ対策としてちぎれにくい素材のワームを選択するのも一手である。

フッキングに関しては、掛けにいくスタイルはNG。反転型のショートバイトがほとんどで、サイトゲームでも掛けにいくのは至難の業である。仮にそれでフックアップに成功しても、表層の豆アジ狙いであるがゆえに合わせと同時に水面を割ってバラシが頻発する。アジに限らずバラせばアウト。フックアップしなかった場合は他のアジが追い食いすることも珍しくなく、

ファイト中も左右に8の字を描くような動きをしている間は群れ全体の活性が上がり、横取りしようと目論むアジさえいる。しかし、バラしたアジは直線的な動きで一目散に逃げる。それに呼応するように群れ全体が追随して消えるだけでなく、フィールド全体にプレッシャーを与えてしまうので掛けにいくメリットはないといえる。以上のことからバイトしたアジが反転してロッドに重みを感じてから乗せるのが正しい方法となる。

「乗せ掛け」というと相手(アジ)しだいのネガティブなイメージを持たれる方も多いと思うが、道具の選択やアプローチを修正してアジャストさせることで釣果は大きくかわる。漫然とキャストを繰り返して「釣れてしまった」というものではなく、戦術をトータルに組み立てる緻密な乗せ掛けの釣りなので非常におもしろい。

また、一般的にアジングでは上アゴに掛けるのが至高のフッキングといわれることが多いが、それは掛けにいくアジングの場合である。反転バイトや乗せのアジングでは横フッキングが正解となる。

豆アジング 高水温期7

繊細さを突き詰めることでアングラーとしてのスキルアップに繋がるはずだ。

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