波動はルアーゲームにおける唯一の集魚手段 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 3

波動はルアーゲームにおける唯一の集魚手段

食い気のインフレスパイラルを引き起こすには…

ベイトの集団が発する音をルアーで表現するにはたくさんのルアーを同時に引くことである。まあ、それは冗談としても、あるいは同時に釣行している仲間がいればそれも可能である。同時に数人がキャストして同時に同一の場所でルアーをトレースする。たいした効果はなさそうに思えるが、実際にはフィッシュイーターの食い気を上げるには効果的な方法だ。

その一端は水槽で飼育しているマグロで確認できる。マグロのいる水槽にアジを1匹ポンと放り込むと気づいたマグロが突進してきて食う。もう1匹放り込むとまた気づいた1匹がきて食う。これを続けると各マグロは飽食するまで食い続けるが、群れ全体の活性は上がらない。

ところがここで数匹のアジをまとめて放り込むとどうなるか? マグロが飛び出してきて食うことにかわりはないのだが、中には仲間に先に食われて食い損ねるヤツが出る。すると当の本人(本魚?)は、今度は違う餌に飛びつくが、このときの動きは明らかに最初よりも速い。すなわち食い損ねて焦っているのだ。

またそうした個体がいくつも出ると群れ全体が騒然としてくる。食いが立つというヤツである。餌を奪い合うことにより群れ全体が興奮する、そして焦って泳ぎ回る振動がさらに伝わって群れ全体が興奮してくる。まさに食い気のインフレスパイラルだ。要はフィッシュイーター自身が出す波動のきっかけをアングラーが先に演出してしまおうというわけだ。

これに関連することが青物ゲームに利用できる。ブリやカンパチなど群れをなす青物は摂餌活動も群れで行なう。まるでオオカミの群れのようにベイトフィッシュを周囲から追い詰めて団子にし、一気に襲うこともあるし、ときにはベイトを追う群れと待ち構える群れの2群にわかれて狩りをすることもある。

だから群れの中で捕食行動が開始されると群れはある意味パニックになり、我先にベイトを食べようとする。こうした群れではよくルアーに掛かった魚を他の魚が追いかけてくることがあるが、これは餌を口にした魚からあわよくば餌を奪い取ろうとしているのである。だから、こうした場合には誰かがファイトしているときが最も釣れる確率が高い。

ファイト中は餌を捕食し、ベイトが逃げ惑っている音(=波動)がそのあたりに響き渡っているはずで、これがさらに食い気を誘う。逆にいえば、魚を取り込んでしまうとそうした食い気を誘発する音は消えてしまうので群れは散ってしまう。

数人で釣行しているときは、誰かが必ず1人ファイトしているようにすると、理論上は長時間群れを散らさずに釣りができることになる。

海のルアーゲーム 波動4

波動を意識することで幅広く魚の本能に訴えかけるアプローチが可能となる。

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