磯のヒラスズキゲーム入門【トップウォータープラグ編】PART1
海況が比較的落ち着いた日に恵まれることの多い春は、地磯のヒラスズキゲーム入門にもってこいの時期だ。産卵後の荒食いを見せるタイミングにもあたるため、条件が合えば大興奮のファイトを楽しめる。安全対策を万全にし、1歩1歩着実なステップアップで本命に肉薄しよう‼
解説:宇井晋介
トップウォータープラグで楽しむ地磯のヒラスズキゲーム
ヒラスズキゲームは地磯でトップで楽しむべし‼ それが私のスタイルだ。これだけ大型の魚が日中に水面を割ってルアーに飛びついてくる釣りは他にほとんどないからだ。
しかもそれをオフショアではなく地磯で味わえるのがうれしい。自分の足を使ってピンポイントを次々とめぐっていく展開は渓流釣りにも似ている。ヒラスズキはどこにルアーを投げてもヒットするという魚ではない。狙い目を絞ってうまくルアーを通すことができて初めて出合えるという点は渓流魚と共通している。青物狙いのトップゲームとはアプローチの異なる、静の釣りだといえる。
地磯であれ沖磯であれ釣れるヒラスズキのサイズに大差はない。ヒラスズキは浅い磯場から水深60㍍以上の岩礁地帯までの広範囲を回遊するからだ。スズキと比較して体高があって尾の太いヒラスズキの身体的特徴は、遊泳力の要求される波の荒い磯場を主な住みかとしていることと無縁ではないだろう。その大きく目立つ体を隠して水面近くにいる小魚を捕食するために、磯の中でも白い泡波の立つサラシ場を餌場としていることが多い。すなわち、この魚をトップで狙うことは決してストイックなゲームではなく、むしろ極めて合理的なのである。
シーズナルパターン
一般的には磯の魚というイメージが強いが、ヒラスズキは季節回遊を見せる。秋から初夏にかけては磯場、夏は河口周辺という具合に移動しているようだ。もっとも個体差があり、夏でも磯で釣れたり冬に河口で釣れることもある。いずれにせよアングラーが思っているよりも行動的な魚である。常識に捉われず、各自なりのシーズナルパターンを見つけてほしい。
私の場合は9月から5月は磯を中心に狙う。6月から8月は増水時などに河口から河川を狙うが、この時期は基本的にナイトゲームとなるためあまりやらない。
元来温かい海を好むヒラスズキは低水温を苦手としているため、1~2月の磯でのゲームは厳しい。特にトップ系のルアーへの反応はかなり鈍くなる。トップへの反応がいいのは磯シーズン初期となる9~11月と、海水温が上昇しだす4~5月である。特に産卵後で食欲の増す4~5月は釣りやすい時期といえる。
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