磯のヒラスズキゲーム入門【トップウォータープラグ編】PART1
タックル選びの目安
ヒラスズキゲームにショートロッドを使うメリットはほとんどないと考えており、11~13㌳のロッドをメインに使用している。また、頑丈一点張りといったロッドではゲームを成立させづらい。アングラーの操作意図をルアーに、ルアーからの水中の情報をアングラーにと、的確に伝えてくれる鋭敏さを重視している。なお、可能であれば足場の高さやポイントまでの距離などに応じて使いわけられるように2本のロッドを用意したい。いずれもPE2号、もしくはナイロン16Lbを200㍍以上巻くことができる中型スピニングリールを組み合わせる。
ルアーは水しぶきを上げてアピールするポッパー系、水中へダイブしたり浮かび上がったりという動きの繰り返しによりアピールするペンシル系を使いわける。両者の中間的な性質を持つタイプもある。
いずれのルアーも必ず付属のフックを外して信頼しているフックに交換している。それがファイト時の自信につながり、キャッチ率を高めている。魚とアングラーを繋ぐ唯一の接点だけに重視したい部分だ。
ロッド…ピンポイントへルアーを打ち込める繊細なティップと、ネジレに強くてキャスト時のコントロール性が高くヒラスズキのパワフルな引きを受け止められるバットとのバランスのよさを重視している。また、足場が高い、波が大きいなどでポイントへ近づきにくい場合はルアーの操作性や安全面も考えて13㌳、風が極めて強い、海面まで近い、青物の気配があるなどの場合は飛距離が稼げてバットパワーもあるヘビークラスの11㌳6㌅というように異なるタイプを使いわけている。
リール…ヒットしたヒラスズキはよく跳ねるので、急激な負荷がかかったときに瞬時にラインを出してくれるドラグ性能の高いモデルを選択したい。最大ドラグ力よりも細かく調整できることが大事だ。また、ロッドとのウェートバランスや耐久性の高さも考慮しよう。
ライン…PEとナイロンを状況によって使いわけている。PEラインは伸びの少なさによってキャスト時に細工がしやすく、アタリをとりやすいものの、そのぶん魚をバラしやすいからラフなファイトは禁物だ。キャスト時はトラブルに繋がるラインスラックを出さないように、ルアーの着水直前からサミングにてラインの放出をシビアに調整しよう。
ナイロンは適度な伸びにより魚の急激な動きによるショックを吸収してくれ、バラシを低減させる。ダイレクト感が薄くルアーを細かく操作するのは難しいものの、PEよりもトラブルが少なく扱いやすいといえる。
リーダー…根ズレに強いフロロカーボンを好んで使っている。8号(30Lb)を基準に、飛距離を稼ぎたいときや障害物が少ないポイントでは6号程度とする。波が高いとき、障害物が多いとき、青物がヒットする可能性があるときなどは10~12号を使う。ただし、バラシが多いときはファイト時にショックを吸収してくれるナイロンリーダーがよい。PEと組み合わせるとトップゲームでのバラシを低減させられる。
ルアー…ヒラスズキが最も多く食べるベイトの大きさにマッチした115㍉前後のポッパーをメインに使用し、活性や風の強弱に応じて90~140㍉を使いわける。リリーフとしてペンシルベイトも投入する。ヒラスズキはどんなカラーのルアーにもバイトしてくるが、諸条件により「当たりカラー」は変化するためローテーションにより捜し出そう。ベイトらしさを演出するのにあえて目立ちにくいカラーをチョイスするのもおもしろい。
私が最も信頼するルアーはタックルハウスのリップルポッパー。フローティングのポッパー系であるがヘッドのカップは平面に近い。そのぶん引き抵抗が少なく、ボディーをくねらせながらテールを左右に振る独特のアクションを起こす。波の中でなら勝手に動いて魚をヒットさせてしまうというオートマチックルアーだ。非常に丈夫に作られており、ハードな使用でも割れることはまずない。ラインアイなども最強の打ち抜き貫通型のため大型とのやり取りにまったく不安はない。ただし、水面を滑るように移動するタイプのため強い横風を受ける状況ではラインの抵抗に引かれて狙いのトレースラインから外れてしまうことがある。そんなときはヘッドのカップが深いフィードポッパーなどを使う。こちらは必要最低限のボディーアクションしか起こさないのでリトリーブスピードをかえたり、ストップ&ゴーを入れるなど前後の変化で魚を誘う必要がある。
また、ヒラスズキがベイトに対してセレクティブだったり、1度バラしたあとで警戒心が高い場合などは水との接触面積が少ないタックルハウス・Mクワイエットなどが有効だ。このルアーは軽くて引き抵抗はほとんどないが、ときとして爆発的に効くことがある。水中からルアーのボディーがほとんど見えないことで魚の警戒心が緩むのだろう。他にもトップへの反応が渋いときはイレギュラーな動きをするK-TENリップレスミノ―などに切りかえて水面下を狙う。
《参考ルアー》タックルハウス・リップルポッパーTKRP9/14、K2RP122、フィードポッパー100、リップレスミノ―TKLM12/18、K2F122、Mクワイエットなど
[spacer]フック…フッキング時の鋭さはもちろん、フックポイントが強くて岩場で酷使しても簡単には潰れずにその鋭さを維持するものを選びたい。小型ルアーを使用する場合、オリジナルのフックはサイズが小さく伸びやすいためバラシの要因となる。バランスが取れる範囲でフックサイズを上げる、もしくは太軸タイプに交換しよう。
《参考フック》がまかつ・トレブルSPシリーズ、トレブルRBシリーズ
[spacer]その他の必需品
ランディングネット…ランディングには大口径のネットが最適。5㍍以上の長さでバットのしっかりとした玉の柄を選択したい。グレ釣りなどに使う細身の柄では支えられないことがある。魚をキープする前提ならば軽くて使いやすいギャフがよい。
偏光グラス…日中のトップゲームでは目の疲労を抑えるためにも偏光グラスが欠かせない。水面下のちょっとした変化や魚の動きも見逃さずに察知できる。
ボガグリップ…ハリを外す際に使用。作りが頑丈なことに加え、錆に対しても耐性が高いのもポイント。魚が暴れてフックが手に刺さるなどのトラブルを防ぐことができるし、足場が低くて波のない安全な場所であれば取り込みにも使えるのでおすすめだ。
その他…PEとリーダーは市販の専用結束器具を使用してSFノットで結束している。結び目が小さいのでキャスティング主体のゲームには最適なノットの1つである。手だけで結束することも可能だが、結束器具を使えば誰でも失敗せずに素早く結束できるのでおすすめだ。
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