スキルアップを実現する名手のスタンス《PART2》 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア

スキルアップを実現する名手のスタンス《PART2》

ショア青物ゲーム シーバスゲーム1

失敗の数は成功の大きさに比例する。各ジャンルのエキスパートが経験してきた飛躍へと至る過程には多くのヒントが…

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ショア青物ゲーム

「回遊がないから釣れない」はいいわけ。
自分を見つめれば課題は山ほど…

越智信清

「回遊魚は回ってくれば釣れるし、回ってこなければ釣れない」と誰もが感じているだろう。メジロは確かに回遊魚だ。中学生から20歳ごろまでの私は、週末のたびに青物タックル片手に磯に立っていた。「いつになったらメジロが通るんだろう?」と、なかなか釣れないことの理由を回遊のなさであると決めつけていた。とにかく確率の低い釣行が続き、年間15匹前後のメジロを釣るのが精一杯だった。そんな私が、あることをきっかけに年間の釣果が5倍にもなった。

20歳のときにヒラスズキゲームも始め、青物狙いのときでもとりあえずヒラタックルも磯に持ち込み、周辺のサラシを撃ってからターゲットを切りかえるようなスタイルで楽しんでいた。

ある冬の日、ベタナギの薄明るい時間帯にヒラスズキを釣り、青物狙いに切りかえた。ペンシルにやる気のないバイトが1発あった以降は沈黙が続く。何となくヒラスズキタックルに持ちかえ、ミノーを引くとドスンとアタリがありメジロが釣れた。「回ってきたか‼」と鼻息荒く青物タックルを振るが無反応。再びヒラスズキタックルに戻すといきなり釣れる。そこからは、ヒラスズキ用のペンシルやミノーでポツポツとメジロが釣れ続いた。そして、その釣況から「ルアーを見ているんだ」と気づいた。

「今までもメジロはいたんだ。きちんと釣りをしよう」、「1匹釣るごとにスレるけど、いなくなっているわけじゃないんだ」と、それまでの取り組み方を改めることとなった。そして、その後は青物用のポッパーで釣った後にヒラ用のペンシルやミノーで釣果を追加するという具合にフォローの釣りを覚え、驚くほど数が伸びた。

大型に的を絞るならアベレージサイズを諦める

現在は対象魚がかわって狙いのサイズも大きくなったが、回遊魚という言葉にとらわれることなく、とにかくきちんと釣りをしようというのが今の私のスタイルだ。釣れない理由を回遊がなかったからと決めつけるのは、いろいろと試した後にすべきだろう。

高活性な群れの回遊に遭遇することはそう多くはないのだから、いる個体に何とかして食わせる。そのために現在意識しているのは「サインがなくても、1日のうちに数回は必ず魚が入ると考えて釣りをする」ということだ。

アベレージサイズ(小~中型)と10㌔クラスとでは普段口にしている餌が違うから、それに合うルアーや食う場所、タイミングも違う。ターゲットを大型とするなら、アベレージサイズがヒットする釣りを潔く封印することだ。その日釣れた最大魚が、回遊してきた群れの中の最大魚とは限らない。アベレージサイズに合わせた釣りをしている間にも狙いの大型は去っていくのである。

ショア青物ゲーム ステップアップ1

狙いの魚と呼吸を合わせるようにしっかりと間合いを計る。

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自然に溶け込むことがテーマ

もうひとつ、殺気をださないように鼻歌交じりで釣りをしている。明確な根拠はないが効果があるのは間違いない。自分が殺気立っていなくても、人気の高い磯だと他のアングラーの殺気も釣況に影響する。できるだけ1人で自然に溶け込むといった状態で釣るのがいいと思う。上機嫌で操作すればルアーの動きが生き生きとしてくるはずだ。

4~7㌔のメジロをターゲットとするならPE2号クラスのバランスの整ったタックルが個人的には最強だと考えている。トップ、ミノー、ジグというようにルアーをうまく使いわけることで十分な釣果が得られるだろう。渋いと感じられる日でもたいてい回遊はあるものだ。とりあえず数が釣りたいのならそのようなライトタックル1本でいろいろと工夫することが楽しいし、メジロクラス本来の魅力がたっぷりと味わえる。

ただ、このような考え方や情報、テクニックの前に、地磯の釣りではまず現場へ行くことが何よりも大事だ。家族のご機嫌をうかがいつつ、今週も磯へと繰り出したい。

ショア青物ゲーム ステップアップ2

自然に溶け込むようにしてアプローチを続ければ今まで見えなかったものが…。

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