【UNCHAIN SKILL act2】スローモデル餌木の実力を徹底検証《後編》 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア

【UNCHAIN SKILL act.2】スローモデル餌木の実力を徹底検証《後編》

エギング スローフォール検証1

前編ではスロー餌木の有効性などを紹介させていただいただ。後編は「実釣編」ということでスロー餌木を用いて検証を重ねた昨春(2017年)の模様をレポートしたい

Text & Photo 安田栄治

昨シーズンの実録

昨春は1つの釣り場に通い込み、定位置に陣取ってさまざまなメーカーのタイプ、号数、カラーの異なる餌木を新旧を問わずに約120本持ち込み、実験的な定点観測を行なった。個人的な事情でしばらく釣りから離れていたことから感覚的な部分を取り戻すことがテーマだった。そのために安易に釣果を求めたラン&ガンではなく1つの釣り場に固執して定点観測を行ない、フィールドのポテンシャルに頼らない釣果で確実なスキルアップを果たすと決めた。これまでそうやって自分の釣りを作り込んできた私にとって、いわば原点回帰の釣りである。

選んだ釣り場はエリア、ポイントともに不人気の漁港。実績よりも自宅から5分の好立地で、仕事の行き帰りにいつでも竿を出すことができる場所を選んだ。そこは岩礁が点在する砂地で藻場も豊富な比較的浅い釣り場だった。台風シーズンに波の影響を受けてアオリイカが早々に沖へ出てしまうことから、春限定の産卵を意識した回遊がメインの場所である。3~5月にメバル釣りで連日通っていたこともあり、5月中旬にはイカの回遊があったことを把握していた。

竿を出したのは6~7月初旬までの1カ月ちょいで釣果は3㌔アップが1パイ、2㌔アップが12ハイ、それ以下は60パイほど。数的には満足していないが、途中からはヤエン師の方1人を除いて釣り人がほとんどこないほど不調な釣り場でがんばり続けたことで、多くの収穫

を得ることができた。絶対的な原理原則として、群れが回遊してきた直後のフレッシュな釣り場では比較的イージーに釣れるものの、時間の経過によってプレッシャーがかかると、しだいに厳しくなることを再認識。また、例外的に何らかの条件で一時的に活性の上がるタイミ

ングがあることや、状況がシビアになるほど「真新しいアピール」「緻密なアプローチ」「攻め切られていない竿抜けへのアプローチ」「それらを網羅したアプローチ」という順に有効になることを再認識した。

近年は従来のものとは異なった要素を持つさまざまな餌木がリリースされ、釣りの幅が広がったのは確かだ。しかし、あらゆる場面を制する万能な餌木は存在しない。6年ほど前、とある機会に磯などのハードな状況と、漁港などの手軽な釣り場で求められる餌木が異なること、それぞれの要素を抽出してクロスオーバーさせることで新たなエギングが生まれる可能性を語ったことがある。単にエギングを楽しむレベルではそこまで複雑に考えなくてもよいのかもしれない。ただ、いかに優れた最新の餌木でも流行して多くのアングラーが使用すればアオリイカがスレる。それよりも、誰もしないようなアピールに注目したい。何時間も投げ続けて反応がなかったのに、回収のための超高速リトリーブで足もとの基礎(カケアガリ)からアオリイカが湧いてきたり、沖から猛チェイスしてきたことが何度もあった。状況に応じた適正なスピードやトレースライン、レンジがあることもわかった。一方でスレが進行しているとフォールがNGアクションになることも。そのようなときは姿勢の安定した漂うようなステイが演出できるスーパーシャローの餌木が有効であった。

また、今では目にする機会が少なくなった昔の餌木、ジョイント餌木やミノーライクな餌木のみに好反応を示すことも少なくなかった。連発する私に当たり餌木を聞きにくる人もいて少し恥ずかしかったが「これしか釣れへんよ」と見せると不思議そうな顔をしていた(笑)。

エギング スローフォール検証2

釣りを深く追求することでアングラーとしての資質が向上する。それがたまらなく楽しい。

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