スローを極めて攻め手を拡大【完全無欠の食わせ術】《PART2》VSメバル
攻略のシナリオ
前述の3パターンを用いる状況と、実際にどのようなルアーを使ってアプローチするかについて、私が実践している方法に当てはめながら解説していきたい。
①ロッドをさびいて微妙なラインテンションでトレース…メバルの活性が低く、バイトレンジが非常に狭いときに用いるのは前述した通り。このようなときはアミやプランクトン類など、遊泳力の低いベイトを捕食していることが多い。というのも、遊泳力が低いからこそ一定のレンジから逸脱することなく留まっていることが多いと考えられるからだ。メバルもそのレンジだけ意識しておけば餌を深追いする必要がない。これがバイトレンジの幅が狭くなるメカニズムだと考えている。
攻略にはジグヘッドリグを使用し、ワームは1.3㌅程度の小ぶりなものを選択。アミパターンでは潮のヨドミや反転流など、遊泳力の低いベイトが集まりやすい場所が狙い目となるため、ストラクチャー回りに発生する反転流やヨレにリグを流し込めるような位置へキャストすればいいだろう。
着水と同時にリグを潮になじませながら任意のレンジまで送り込む。そこからはロッドをさびいてレンジをキープしながらドリフトさせ、最終的にヨレや反転流に流し込む。ロッドを45度から90度ほどの角度でさびいてトレースする感じだ。
アタリは違和感を覚える程度だったり、手もとにコンッと金属的な感触が伝わったりとさまざま。いずれにせよ、常にラインテンションがかかっている状態なので、他のメソッドに比べるとアタリを感知しやすいと思う。
②カーブフォール…ジグヘッドリグでもよく用いるメソッドだが、特にスプリットやキャロなどの中間シンカー系リグで有効。これもやはりアミなど遊泳力の低いベイトがメインベイトのときに効果的だ。ジグヘッドやシンカーウェートの調整幅が広いので非常に自由度が高い。そのぶん細かいウェート調整が必要となるが、それがこのメソッドの楽しさの1つでもある。リグウェートが状況にマッチしたときの「してやったり感」は痛快だ。
リグの操作方法としてはリフト&フォールがメイン。キャストしたら任意のレンジまで落とし込み、ロッドをシャクるようにしてラインスラックを回収。その後はロッドを60度ほどの角度で保持する。そうしているうちにリグは円弧状にフォールして狙いのレンジからはずれてしまうのでツンツンとロッドをシャクッてリグをリフトさせる。これを足もとまで繰り返してトレースする感じだ。
③タダ巻き…最もポピュラーで奥が深いメソッド。私の場合、リグのウェートとリーリングスピードはティップにかかるテンションによって調整している。リーリングスピードを速くすればティップへかかるモーメントは大きくなるし、遅くすれば小さくなる。このモーメントのレベルでリグが浮き上がっているのか、微妙に沈んているのか、はたまたキープしているのかを判断する。
アミパターンでも用いるが、特に小魚などがベイトのときに最適なメソッドといえるだろう。ルアーはワームでもいいが、せっかくなのでプラッギングをおすすめしたい。プラグはレンジキープ力に優れていることはいうまでもないが、およそのスイムレンジもプラグごとに決まっている。そのため、バイトのあるレンジをトレースできるタイプを使用すればいいだろう。さまざまなルアーでメバルを手にできるのもタダ巻きの楽しさである。
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