スローピッチジャークの応用パターンを徹底解説
速巻きの必要性
一般的に速巻きといえばハイピッチの釣りをイメージしがちだが、スローピッチジャークでも多用する。僕なりの位置づけとしては、上方向へ速く動かすことによってジグに慣性をつけることが第一の目的である。ここでいう慣性とは、ある物体に一定方向の力を加えたとき、その物体が一定方向へ動き続けようとする力のことだ。そして、慣性を持ったジグはピッチの刻みへ移行する際に自走を起こして横を向く。また、サソイのアクションとしての意味も含んでいる。
そして、僕が実践する速巻きは以下の3パターンがメーンだ。
①タダ巻き…リールのハンドルを3時→9時に引き込む際に力を入れるのがコツ。このとき、ロッドをシャクるようにすると力を入れやすい。
②ワンピッチ…12時→12時でリーリングし、ジグの動きにキレがでるように1回ずつ鋭くシャクり上げる。
③1/2ピッチ…リールのハンドルを12時→6時で1ジャーク、6時→12時で1ジャークと入った具合に刻んでいく。
タックルセッティングのコツ
できるだけ選択肢を減らさないよう釣り場にはいろいろなタイプのタックルを持ち込むが、ここではある程度タックルを絞り込むために基本的な道具立ての考え方を紹介しよう。
まず、事前の準備としてポイントの水深に合わせて使用するジグのサイズを決定する。次にターゲットに応じてメインラインの号数などを大まかに設定し、それを600㍍ほど巻けるリールを選定する。リーダーはラインの号数の4倍のフロロをセットするのが基本だ(実際には近海の釣りでは1.2~2.5号ほどの範囲で各号数を600㍍巻いたリールをすべて持ち込んでいるが…)。
そして、まずは自宅でセットした基準のタックルを使用し、しっくりこないようであれば船上でセッティングを調整していくというのが一連の流れだ。そのため、変更後の再開がいつも遅くなる(笑)。
フックセッティングの考え方
フックはジグの動きに影響を与える抵抗物ととらえて、アシストラインの長さなどを使いわけている。また、私がメインに使用しているフック(がまかつ・鎌鼬)には普通軸と太軸の2種類があり、これも状況に合わせて使いわける。フロントに太軸でアシストラインの短いタイプ、リヤに細軸で長いタイプ、またはその逆など、組み合わせ方によってジグの姿勢を矯正するイメージだ。そのため、あらゆる状況に対応できるよう、タイプの異なるアシストフックをいろいろと作製してバリエーション豊富に用意している。
ターゲットの種類やサイズは二の次とし、あくまでもジグの姿勢を調整するための要素としてフックセッティングを煮詰めていく(小バリで大型がヒットしたときはそのときに考えるようにしている…笑)。
とにかくジグをイメージ通りに動かすことを第一に考え、ターゲットに合わせてセッティングを決めつけないように意識したい。
[spacer](SWマガジン2015年3月号より)
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