タイラバ・遊動式ラバージグ入門 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 3

タイラバ・遊動式ラバージグ入門

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アプローチのバリエーション

ホームの瀬戸内海(主に小豆島周辺)では水深40㍍前後の砂地のシャローエリアがメーンポイントとなります。中には水深7~8㍍のポイントもあり、「こんなところで釣れるの?」と思うような浅場が狙い目になることもしばしば。この場合、船の真下を探るバーチカルの釣りではヒットゾーンでのアピールが限られてしまうため、キャスティングによる斜め引きが効果的となります。

また、シャローではエンジン音などがプレッシャーとなり、船の下にいる魚の食いが渋くなることも。そういった意味でも、水深40㍍までのポイントではキャスティングをメーンに釣りを組み立てることが多くなります。ただし、ラインが斜めになることから、砂地などの根の少ない地形でないと根掛かりが頻発して釣りにならないので注意して下さい。

アクションはタダ巻きがメーンで、動きに変化をつけたいときはパーツのローテでカバーしています。アングラー側が意識的に変化をつけるのはリーリングのスピードのみでOKです。

スピードを決めるうえでキーとなるのがベイトの存在。夏場のイワシつきのマダイが狙えるシーズンでも、すべての個体がイワシを食べているとは限りません。底層に定位するマダイは甲殻類なども捕食しているはずです。そのため、底付近はゆっくり、宙層は速め、といった具合にレンジごとのベイトに合わせてスピードを調整することも重要となります。私は1秒間にハンドル1.5回転を基準のスピードとし、そこから調整しています。小魚についたマダイは回収時のような高速巻きに好反応を示すこともあるのでいろいろと試して下さい。

巻き上げの回数は底から15回転ほど(約10㍍)を基本とし、宙層にベイトの反応があるときはさらに15回転ほど巻き上げてから再び底を取ります。ただ、魚探に映るベイトの層とマダイのレンジがリンクするとは限らないので、ひと流しごとに巻き上げの距離をかえるなどして反応の多いレンジを捜し当てましょう。

底にベッタリと張りついている状況ではズル引きパターンも有効。底から1㍍上までの範囲内でリフト&フォールを繰り返し、ラバージグを転がすイメージで誘うのがコツです。ただし、船を立てる場合はしも手のアングラーとオマツリしやすいので、潮後の釣り座やドテラ流しの釣りで実践してみて下さい。

まずは自分なりに基準となるリーリングスピードを設定することが重要です。そこから、レンジごとに存在するベイトの動きを意識してリトリーブの速度に変化をつけていきましょう。

実釣時の注意点やコツ

アタリがあってもそのままの速度で巻き続けて食い込みを待つのがタイラバにおけるフッキングの基本。ガツガツとラバージグを囓っていたマダイが反転することで、向こう合わせでフッキングに持ち込むイメージです。ただ、小型が相手だとそうもいきません。魚の自重が軽いせいか、しっかりフックが貫通しないことも多いので、こちらから掛け合わせる必要があります。

ターゲットのサイズはアタリのパターンによって大まかに判断できます。言葉でうまく表現するのは難しいですが、小型はコツコツ、大型はゴツゴツといった感触です。小型特有のアタリを察知したら、すぐさま合わせを入れて対処するようにしましょう。

ファイト中のポンピングはテンションの緩みが原因となってバラシに繋がりやすいので厳禁。一定のテンションをキープしたリーリングで引き上げましょう。ドラグ設定は基本的に緩めにし、船の下に走られたとき、あまりにもファイト時間が長引いて同船者に迷惑がかかる状況ではサミングで負荷をかけて魚の動きを止める必要があります。

タックルは些細なアタリをとらえやすいソリッドティップのロッドがおすすめです。リールはハイギヤでもローギヤでもOK。自分に合ったものを選べばいいでしょう。

オリジナルのセッティング術を模索しよう‼

パーツの組み合わせ方は無数にあります。枠にとらわれない自由な発想でトライ&エラーを繰り返し、自分なりのパターンを確立することが重要となります。スカートやネクタイを2個づけしてアピール力をアップさせるのも一手。また、ネクタイに切り込みを入れて形状を変化させたり、スカートを抜き取ってボリュームを調整したりと、現場での即席チューニングもいろいろと試してみましょう。

私自身、釣行のたびに新たな発見があり、まだまだタイラバの奥深さは計り知れません。ビギナーほどよく釣る光景を目にしますが、先入観を持たないことが好釣果に結びついているのかもしれません。

《参考タックル》ロッド&リール=メジャークラフト・ジャイアントキリングGKJ-B67TR/S+ダイワ・リョウガベイジギングC1012PE…ロッドは浅場ではソリッドタイプのライトロッド、重めのラバージグを使用する深場ではチューブラータイプのL~Mクラスといった具合にポイントに応じて使いわけています。リールはPE1号が200㍍ほど巻けるものを用意すればOK。細かなリトリーブ速度の調整がしやすいベイトタイプがおすすめです/ラバージグ=ハヤブサ・無双真鯛フリースライドシリーズ(スタンダードタイプ・SLヘッド・TGヘッド)…ヘッドに潮斬鯛玉を使用したスタンダードタイプはシルエットを大きく見せたいときに有効です。SLヘッドはSL(スラローム)という名の通り、巻き上げ時にユラユラとしたS字軌道を演出できるヘッドを採用しています。潮のききがわるいときや大きく動かして誘いたいときに効果的です。TGヘッドは鉛よりも比重の重いタングステン素材を採用したことによって、小さいシルエットでもラクに底が取れます。さらに、硬度も高いので着底地に底質を判断しやすいという利点もあります。潮の流れが複雑なポイントやディープエリアなどでよく使用します。

(海のルアーの遊び方3より)

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