アジング・0.6㌘以下の極軽量ジグヘッドを自在に操るためのロッドワークとは?
ラインテンション調整術
アプローチで意識したいのは「レンジキープ」と「食わせの間となるフォール」を組み込むこと。そのため、私はウェートやリグを問わず、リフト&フォールで任意のレンジをジグザグに通すパターンを基本としています。
特に0.6㌘以下の極軽量リグでは手もとに伝わる感触を頼りにしたシビアなラインテンションの調整が求められます。そのため、手もとの動作が多いタダ巻きなどは不向きだと考えています。あくまでもリーリングは糸フケの回収のみとし、ロッドワークでリグの操作感を高めるようにしましょう。
①レンジキープの正否はトゥイッチ時の抵抗で把握
タダ巻きが主体であればリーリングスピードがレンジキープの目安となりますが、リフト&フォールではトゥイッチ(リフト)時の抵抗によって判断します。水中に入るラインの量によってトゥイッチ時の抵抗は異なり、ここに意識を向けていればその違いが分かるようになるはず。当然レンジが深いほど大きく、浅いほど小さくなります。
この感触はラインが張ったときに伝わるリグからの反響ではなく、図のように水中でたるんだラインに張りができるまでの重み(ラインが受ける水の抵抗)を意識することが重要だと考えています。このティップに伝わる荷重を一定にすることがレンジキープの目安となります。
②ロッドをさびきつつフォールさせて張らず緩めずをキープ
1㌘のジグヘッドであればアクション後に竿を止めてカーブフォールさせるだけである程度リグの重みを感じられますが、極軽量リグでは風の影響がない状況でも糸フケができてアタリをとりづらくなります。そのため、リフト後のフォールでは竿をさびいてテンションをかけることが重要となります。
引っ張り過ぎるとリグが浮き上がってしまうため、張らず緩めずのテンションをキープ。リグの沈下スピードよりも遅い速度で竿をさびくイメージです。アングラーによって張らず緩めずの感覚は異なりますが、要はアタリがとれる(リグの重みがわずかでも感じ取れる)範囲でリグがフォールするテンションであればOKです。
ロッドのさびき方
③外部要因の変化を考慮した補正
風や潮流など、フィールドの状況は刻々と変化します。そこに気づかずにアプローチを続けていると、感覚と実際のリグの動きに大きなズレが生じることになるので注意が必要です。
風…できるだけ風のない日や釣り場を選ぶのが基本ですが、どうしても避けられない場合は風を正面から受けられる立ち位置や投入点を選択しましょう。向かい風だとラインははらむものの軌道が安定しやすいため比較的釣りやすくなります(追い風だとラインが暴れやすい)。
潮流…流れの速さが変化することでトゥイッチ時の抵抗もかわるため、レンジキープの感覚が鈍りやすくなります。同じカウント数で沈めたにもかかわらずファーストアクションの抵抗が明らかに異なる場合などは、潮流が変化したととらえて基準をリセットしましょう
再現性のあるアプローチを実現
極軽量リグの扱いにについて、何をもって免許皆伝とするかは難しいところですが、数字で表わしやすい明確な指標として釣果があげられます。数やサイズについてはシーズンやエリアごとの傾向、その日の群れの規模などにもよりますし、アングラーの価値観や目標も大きく異なります。
とはいえ、「アジを釣り上げる」というゴールは誰しもかわらないわけで、ひとまずは「アジを1匹釣る」というのが免許皆伝へ向けての第一歩ではないでしょうか。そうしているうちに2匹、3匹と釣果が得られれば要領もしだいに分かってくるはずです。
ただし、その釣果に再現性があることが必須条件となります。「再現性のあるパターンでアジを5匹釣る」というのが、現在私が考える免許皆伝の指標です。これができれば「何となく釣れた」ではなく、しっかりと状況を見極めたうえで的確にアプローチできていると考えていいでしょう。そうなれば、抽象的な表現ではあるものの極軽量リグをストレスなく扱えるレベルに達しているはずです。
この条件をクリアするためには、まずデイゲームで感覚を掴むのが得策でしょう。実際に極軽量リグの動きを視認すると、思ったよりもフォールスピードが速くて飛距離も出ていることに気がつくはずです。そうしてリグの動きを確認しておけば、ナイトゲームでもアプローチのイメージがより明確になり、1㌘と遜色なく扱えるようになるでしょう。
アプローチの細部まで意識
最後に、リグは潮かみにキャストして潮しもへと流すのがアジングの基本といえます。ここで意識したいのがリグの位置によって操作を微調整すること。潮かみにリグがあるときはラインがはらみやすくなるため、任意のレンジまで沈めたあとはある程度糸フケを巻き取ってからアクションを開始しましょう。そして、潮しもにリグが差しかかると浮き上がりやすくなるため、リフト後は竿を送り込むようにして張らず緩めずの状態をキープすればOKです。
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