アジング・0.6㌘以下の極軽量ジグヘッドを自在に操るためのロッドワークとは? | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア

アジング・0.6㌘以下の極軽量ジグヘッドを自在に操るためのロッドワークとは?

アジング・極軽量ジグヘッドリグ1

シビアな状況ほど0.6㌘以下のジグヘッドリグによるナチュラルな浮遊感が有効となるケースが多いアジング。極軽量リグの持ち味を生かすテンションのかけ方を徹底的に意識して思い通りにコントロールしましょう!!

解説:馬上憲太朗

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極軽量リグならではの強み

極軽量ジグヘッドリグ(ここでは便宜上、0.6㌘以下のジグヘッド単体の釣りと定義します)の扱いは難しいと思われがちですが、コツを掴めばそんなことはありません。たとえば、0.6㌘と1㌘のジグヘッドでどのような違いがあるのでしょうか? まずはこの点について押さえておきましょう。

一般的にジグヘッドリグといえば1㌘前後を用いることが多いと思います。バイトが得られやすく、アングラーも操作しやすいウェートということでパイロットとして使用されている方も多いことでしょう。

実際に漁港などに設置されている一般的な常夜灯の光が届く範囲(およそ20㍍)をカバーでき、フォール時はアジが違和感なくバイトするスロースピードを演出しやすいのが利点です。

アジは明暗を意識してステイ、または回遊していることが多いため、常夜灯の明かりによってできる沖の明暗の境界にリグが届くかどうかは非常に重要です。そこに届けば足もとの明暗と合わせて2回のチャンスを得られることになり、バイトチャンスは増えます。

アジング・極軽量ジグヘッドリグ2
まずは使い勝手のよい1㌘のジグヘッドの利点についてしっかりと理解しておきましょう。

では、0.6㌘ではどうでしょうか? フォールスピードは1㌘よりもスローになるため、アジへの違和感を減少させることができます。また、よりナチュラルな動きを演出することができ、ワームのポテンシャルや性能を発揮させやすいのも魅力の1つです。

ただ、飛距離が落ちることで沖の明暗の境界に届かないというケースも出てきます(常夜灯の光量にもよるので一概にはいえませんが…)。飛距離によるアドバンテージは得られませんが、フォール速度を優先させたい場合などに使用したいウェートが極軽量級(0.6㌘以下)ということになります。

具体的な状況としては、1㌘ではミスバイトが多発するとき、アジが水面直下(1㌘ではスローにレンジキープできないほどの表層)を意識しているとき、流れが緩くて1㌘ではフォールが速くなり過ぎてバイトを得にくいときなどがあげられます。以上を踏まえた私の考え方は、あくまでもパイロットは1㌘で、それ以下の極軽量ジグヘッドはフォローという使い方になります。

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少しでも飛距離を稼げるようキャスト時のタラシは長めに取りましょう。

先入観を捨ててまずはチャレンジしよう!!

「飛距離が出ない」「何をやっているのか分からない」という先入観から極軽量リグを試したことがないという方も多いと思いますが、まずは苦手意識を持たずにチャレンジすることが重要と考えています。タラシを長くしてキャストすれば意外と飛びますし、明るいところで1㌘と同時に沈ませてもフォール速度に大差がないことが分かると思います。一方で、その程度の差でもアジングでは釣果に大きな差がつくことがあるので、1㌘の軽量ジグヘッドの扱いに慣れている方は、ぜひ極軽量リグという新たな引き出しを作っておくことをおすすめします。

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極軽量リグならではの強みを体感すればさらにアジングが楽しくなるはずです。

悪条件への対処法と感度の磨き方

ウェートに関する基礎知識を押さえたうえで実際にフィールドへ出向いても、反応を得られなかったり、リグの存在を把握できずに何をやっているのか分からなくなり、結局はいつもと同じことをしてしまったという経験はないでしょうか? それは、釣り場には風や潮流など、極軽量リグが扱いづらくなる要因や、使いこなしに工夫が必要な状況が存在するからです。具体的な内容は以下の通りです。

①風や潮流の影響…ラインが風の影響を受けて糸フケができ、リグを思い通りにトレースできない。風でリグ(またはライン)が押し戻されてうまく目標地点へキャストできない。潮流の影響で水中のラインがはらんでリグをうまくトレースできなかったり、任意のレンジまで到達させられない…といった不具合が起こる。

以上のような風と潮流による影響は同じメカニズムで、共通の事象として考えればいいでしょう。

②アングラーのスキル…飛距離が稼げずにアジのいる場所にリグが届かない。また、リグの操作感が掴めず、アジのレンジを外してしまうなどが考えられます。

③アジのクセ…アジのレンジが極端に深くてジグヘッドを沈ませるのが困難。さらにアジが水面直下を意識しているときは極軽量リグのスローな沈下速度でもレンジをキープしにくい。

このようなケースはアジ自身に問題があるため、アングラー側の操作や工夫で解決するのは難しいといえます。

以上の3つが極軽量リグを扱ううえで意識しておきたいことです。では、それぞれの打開策について考えてみましょう。

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極軽量リグを使用するうえでの不具合はある程度限られます。そのような状況下ではちょっとした工夫が必要になるから…。

まず①の問題点はラインが風や潮流の影響を受けてリグが引っ張られる形となり、狙いのコースをトレースしにくくなることです。これを低減するにはラインが受ける抵抗を少なくすることです。具体的には1Lbや1.5Lbなど極細の番手を使うといいでしょう。私は1.5 Lbのエステルラインを使用しています。

②については、極軽量リグの扱いに不慣れな方も多いようですが、意外と簡単に解決できます。飛距離に関してはキャスト時のタラシを長く取り、遠心力を利用して投げることで向上が見られるのでぜひ試して下さい。

また、ティップに重みが乗りにくい極軽量リグを扱う際はラインのテンションを保つことを意識して操作感を上げましょう。1㌘であればロッドを止めた状態でカーブフォールさせればリグ自体の重みを感じることはできますが、極軽量リグだとラインがたるんだ状態となりやすく、存在感を掴みにくいものです。その対策としてはロッドをさびけばOK。要は常にラインを張った状態にすればいいわけです。

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まずはロッドワークを取り入れてラインの張りを意識することが重要です。

③については、リグをアジのレンジにうまく合わせられない場合はラインテンションの調整がキモとなります。レンジが深い場合はフリーフォールで落とし込み、アジが表層を意識している場合はロッドをさびく感覚でティップをなるべく高い位置で動かすといいでしょう。

それで反応が得られない場合は極軽量リグに固執せず、ウェートをローテーションしてレンジを調整しながら口を使いやすいアジを捜すのが得策です。

このようにタックルやメソッドに少し工夫を加えることで極軽量リグの扱いは容易となります。なぜ扱いにくいのか? 自分なりに扱いやすくするためには何が必要なのか? といった具合にそのメカニズムについて考えれば、おのずと答は見つかるはずです。ぜひ、自身の釣りに当てはめて分析して下さい。

仕掛けの張りを意識

リグの存在を感じにくくなる一番の理由は適度なラインテンションをキープできていないこと。立ち位置や投入点、使用するリグやタックルなどを工夫し、まずはいかにラインを張るかを考えてリグの重みを感じ取ることを意識しましょう。そのうちに微妙なテンションの調整や感覚がおのずと身につくはずです。

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極軽量リグの釣りでラインを張るためには、状況しだいで立ち位置や投入点などの工夫も欠かせません。

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