磯のヒラスズキゲーム、厳寒期ならではの楽しみ方は? | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 2

磯のヒラスズキゲーム、厳寒期ならではの楽しみ方は?

横風を利用した攻めでヒラスズキがヒット!!

2日めは目覚めた直後からあるエリアが気になりました。そして、そのエリアを目指して1時間強の移動を敢行。目当ての場所に到着したら、風と波の向きをチェックしてポイントを絞り込んでいきます。なるべく風を避けつつも波が入ってくる場所…。我ながら何ともわがままなリクエストです(笑)。ともあれ、そのようなポイントを頭の中にいくつか思い浮かべ、最初のポイントまでやってきました。しかし、ここにはすでに先行者の姿が。諦めて次なるポイントを目指します。

2個所めのポイントに到着すると、駐車スペースに車がとまっていなかったので、さっそくエントリーすることに。海の様子を観察すると、思惑通りにサラシが広がっていました。磯に出てみると風も何とかなりそうな感じです。

ここは数㌔ほど奥まで攻め歩けるのですが、私はラクにアクセスできる手前のサラシだけを狙うことにしています。その方が他の場所でも竿が出せるため、限られた時間を有効に使えて効率的だと感じています(体力の温存も含めて…)。

1つめのサラシでは反応がなかったので次のサラシへ。ここはサラシの下に2本のスリットが見え隠れしており、波と風の影響を考慮しながら、そこをていねいに刻むようにチェック。さらに、スリットの手前に根があり、直接ルアーを通せないポイントの裏側を攻めることに。このようなときは横風を利用してラインをフカせ(風でラインをはらませる)、ルアーを通すのがベストな方法だと考えています。ちなみに、この風にラインをフカせる釣り方にピッタリなルアーがヒラフィードGPです。前日にヒラスズキを釣ったTKLM120GPと並んでヒラスズキの餌といわれるアイテムです。

そして、ルアーが根の裏側を通過した瞬間、手もとに確かな衝撃が伝わってきました。すかさず合わせを入れると、魚は一気にスリットの中へと突っ込もうとしました。このようなときは慌てず急がずの気持ちで竿を立て、じっくりとやり取りするのが得策です。この最初の突っ込みに力で対応すると、よくない結果になることが多いので要注意です。ゆっくり、やんわりファイトすると、自ずと魚が浮いてきます。そして、浮いたら寄せるを繰り返します。この日もこれでヒラスズキをキャッチ。やはりこの時期らしいきれいな魚体でナイスプロポーションの1匹でした。何度釣っても思わず見惚れるほどの美しさです。

磯のヒラスズキ・ヒラスズキ用ルアー4
風を利用したアプローチでヒラスズキをキャッチ。状況に応じた攻め手を繰り出すことでターゲットがしっかりと応えてくれました。

リップつきミノーの使いどころ

その後は反応が得られなかったのでさっさと次のポイントへ。ここも先行者の姿はありませんでした。潮止まりまであと1時間、そそくさと準備をして磯歩きを始めます。15分ほど歩いてポイントに到着。風は強いものの波もしっかりと入っており、いかにもヒラスズキが出てきそうなサラシが広がっています。

サラシの下には無数の根が確認でき、この根と流れが交わる場所を見極めます。そして、タイミングを計りながらひと筋ずつていねいに攻めていくと、足もとの払い出しの中でヒラスズキが反転。残念ながらこれはフッキングに至りませんでしたが、本命の姿を確認できて思わず笑みがこぼれます。

ここでリップのついたルアー、TKF-130 Force(タックルハウスとGo-Phishからリリース)をセットしました。リップレス系のルアーだと風に引っ張られ過ぎるときなどは、リップのあるミノーを使うのがおすすめです。リップがブレーキの役割を果たし、ルアーを狙いのポイントに留めやすくなるからです。私は風向きやポイントに対する通し方によって両者を使い分けています。

そんなわけで、リップつきのミノーでアプローチを再開。足もとで確認した先ほどの魚はいったん置いておき、少し沖のシモリ際にルアーを通すといきなりヒット!! この魚も元気いっぱいで力強い引きを楽しませてくれました。無事にランディングしたのは銀鱗が眩しい1匹。この寒さの中でも我々の相手をしてくれる好敵手に敬意を払い、ゆっくりリリースすると、悠々と泳いで戻っていきました。

磯のヒラスズキ・ヒラスズキ用ルアー5
何度見ても感動させてくれる美しい魚体。寒さを忘れる瞬間です。

さて、次はどうするか…。タックルボックスを開けて物色すると、昨年からヒラスズキ釣りでも使用しているMシリーズ(タックルハウスとGo-Phishからリリース)のルアーが目に飛び込んできました。その中から148GPを選択。これもリップつきのルアーで先ほどのTKF-130 Forceよりもやや下層を通すことができます。

これで掛け損なった足もとの魚を狙うことに。キャストのタイミングを見計らい、先ほどと同じコースで引いてきましたが反応なし。次は別のコースを選択し、魚が出てきた足もとまで引いてくると見事にヒット!! しかし、魚をランディング場所に誘導しているときに波に揉まれてバレてしまいました。その後は反応がなくなり、潮止まりの時間を迎えたところでポイントをあとにしました。

新たな発見を求めて…

例年なら年明けから3月初旬までが厳寒期のパターンになる磯のヒラスズキ釣り。厳しい釣況に見舞われることも多いのですが、釣れないこともないので、ついつい通ってしまいます。ただ、この時期ならではの楽しみ方もあり、今回は今まで魚を釣り上げたことがない場所や、まともに竿を出したことがないポイントを選んで遊んでみました。その結果、たまたま釣果に恵まれましたが、たとえ釣れなくても新しい発見があったりするので次の釣行に繋がることが多いと感じています。

ヒラスズキ釣りの楽しみの1つにポイント開拓があげられます。常に向上心と開拓精神を持ち続けることも、この釣りを長く楽しむコツといえるでしょう。みなさんもぜひ自分なりの楽しみ方を追求して下さい。

磯のヒラスズキ・ヒラスズキ用ルアー6
磯のヒラスズキ・ヒラスズキ用ルアー7
今回も奥の深い磯のヒラスズキ釣りを堪能することができました。

おすすめのルアー


【浅野哲郎・プロフィール】

シーバスをはじめ、磯のヒラスズキゲームなどに精通するエキスパート。圧倒的な経験値を武器にフィールドの特性やコンディションを読み、確かな攻め手で確率の高い釣りを展開している。

【磯のヒラスズキゲーム・安全とマナーについて】

※上記のリンク先にある「磯のヒラスズキゲーム・安全とマナーについて」を必ず読んでいただき、ルールやマナーを守り、安全対策をしっかりと講じたうえで事故やトラブルのない釣りをお楽しみ下さい。


スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
いいね!しよう