ルアーは何を模しているのか? 〜ルアーの持ち味と可能性を考察〜|知っていたからって釣れるわけじゃないけれど…《アーカイブ from 2014》

釣りエッセイ・ルアー(疑似餌)1

我々が慣れ親しんでいるルアー(疑似餌)はそもそも何を模しているのだろうか?  それぞれのルアーの持ち味や可能性について改めて考えてみると…

文:宇井晋介

※このエッセイはSWマガジン2014年9月号に掲載されたものです。

ルアーは擬似餌と訳される。つまり餌に似せたもの、餌を真似たニセモノである。だからこのルアーを使って魚を騙して釣り上げる詐欺集団が我々であり(笑)、餌釣り派から見れば、金属やプラスチックの塊で魚を騙す不逞の輩ということになる。

ところで、世界最初のルアーはお昼どきに水中に落としたスプーンにマスが食いついたのを見て発明された、となっている。だとすれば、昔は魚たちもスレていなかったんだろうと推察するが、あとから作られた話のような気もする。

それはさておき、そもそもルアーは何を模しているのだろうか。

ルアーの種類と特性(その1)

ミノーと呼ばれるリップのついたルアーは、名前も見た目も明らかに小魚。SWフィッシングで使うものではリアルなイワシやアジやサバなどが多いが、これはベイトフィッシュとして彼らが多数派であるからだ。淡水系では「いったいどんな魚?」というような奇抜な色や形のものが多く、バス系のものではビール缶だったり人形だったりといろいろなものがあるが、やはり基本は「小魚」というのがモチーフになっていることは間違いない。

ペンシルやポッパーと呼ばれるルアーたちも基本は魚をモチーフにしている。ルアーヘッドの形状変更によって水面を跳ねたり、ヘッドで水をスプラッシュさせたりしているに過ぎない。つまり水面を跳ねる魚をイメージしているのである。

沈めるものではメタルジグ。これまたシルエットを見れば分かるが小魚を模している。基本的にラインを結ぶアイの反対側が重くて先に沈むようになっているが、最近は真ん中に重心があるセンターバランスタイプが人気だ。これも小魚を模しているには違いないが、横になってヒラヒラと沈む。つまり弱ってちゃんと泳げない小魚のイメージなのだ。

釣りエッセイ・ルアー(疑似餌)2
小魚をイメージしたルアーなら使う側としてもアクションをイメージしやすいはずだ。

淡水にはかわったのがある。フロッグと呼ばれるものである。これはその名の通りカエルをイメージしたもので、ちゃんと脚がついているものも少なくない。カエルを好むライギョ釣りの定番ルアーである。

初めに出てきたスプーンはどうか。スプーンは料理を食べるスプーン形状をしたもので、片側が膨らみ片方がへこむ。この独特の形状によってルアーの回りの水流が乱され、回転したり、ヒラヒラとテールを振ったりする。水中を引かれてゆくスプーンを見ると、これはやはり小魚を模しているものと思える。スプーン自体が胴体をくねらせたり回転したりするのでその動きが残像として残り、動いているものを目で追うとこれは明らかに魚の動きである。

では、スピナーはどうだろう。スピナーは細い金属の軸にブレードと呼ばれる金属製プロペラがついたものである。ブレードが回転することによって音を出し、また浮力を得る。止まっているときには何とも形容しがたい形をしているが、水中を泳いでいる?ときにはこれまた小魚に見える。また水生昆虫に見えないこともない。

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