ヒラスズキを狙って長崎県の離島へ… 僕らの遠征釣行の楽しみ方|【漢磯紫流儀 vol.6】 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 2

ヒラスズキを狙って長崎県の離島へ… 僕らの遠征釣行の楽しみ方|【漢磯紫流儀 vol.6】

春のヒラスズキ祭りを堪能

エントリーしたポイントではわずかながら風を正面から受け、シャローも絡んでいるので何とか釣りが成立するレベルのサラシが形成されていた。さっそくお気に入りのミノーをセットし、波濤を呼び込むがごとく磯の先端を目指す。しばらくすると風が勢いを増し、春の温かい日差しがサラシに照りつける状況となった。

まずは土師君が波のタイミングに合わせてミノーをキャスト。ナイスアプローチである。すると「あっ、出た!!」と土師君。フッキングに至らなかったものの、これから始まるであろうお祭りへの期待感が膨らむ。そして、絶好の波がくるのをじっくりと待った2投め、足もとのエッジに差しかかったミノーに突然大型のヒラスズキがバイトしてきた。波の中を縦横無尽に泳ぎ回るヒラスズキ。全身を使ってその引きをいなし、楽しそうにヒラスズキと戯れる土師君。その動きにはまったく無駄がない。

磯のヒラスズキゲーム・大型ヒラスズキ・長崎3
見事なやり取りでヒラスズキと戯れる土師君。

ロッドがきれいに弧を描いたままヒラスズキは足もとへと誘導されていく。最後は波のタイミングを見計らい、狭いスリットへ誘導してズリ上げた。無事に取り込んだのは優に80㌢を越えるグッドサイズのヒラスズキだった。待望の魚を手にした彼の表情には喜びと安堵が入り混じっていた。

磯のヒラスズキゲーム・大型ヒラスズキ・長崎4
目当てのヒラスズキを手にした土師君の表情を見ているとこちらもうれしくなってくる。やはり釣りはこうでなければ!!

さて、次は私の番だ。沖のシモリにできたサラシにミノーを委ねると、鋭いアタリで素直に反応してくれた。小型ではあるが、春ならではの金属質なアタリを味わうと普段のストレスもブッ飛んでしまう。その後も2人で気になる地形的要素を目安に、まるで渓流のイワナ釣りのようにサラシをチェックしながらポイントを転々とした。

磯のヒラスズキゲーム・大型ヒラスズキ・長崎5
素直に反応してくれたヒラスズキ。サイズに関係なく大きな満足感をもたらしてくれた。

「土師やん、あの深いスリットが気になってしゃーないわ」
「もちろんやってみましょう!!」

そのポイントは別段サラシが濃いわけではなかったのだが、経験則から地形的に大型ヒラスズキがついていそうな気がしてならなかった。さっそく波に対して立ち位置をやや斜めに取り、芯を外すようにしてアプローチする。こうすることで寄せ波の影響によりルアーが泳ぎを乱し、バイトに繋がるケースが多い。

それが奏功したのか、大型特有の小さなアタリをとらえた。直後に重量感たっぷりの引きが伝わり、魚はスリットの深みへとグイグイ向かっていく。ここが正念場である。愛竿のエクスセンスは満月のように弧を描き、持ち前のトルクで水面付近に浮かせることができた。そのスローなエラ洗いのバックにはサラシや海の青さが広がり、太陽の輝きを存分に受けてヒラスズキの鮮やかなシルバーメタリックが浮かび上がった。

最後は波にランディングをアシストしてもらい、ズリ上げてキャッチ。プロポーション抜群のグッドサイズを引きずり出すことができた。

磯のヒラスズキゲーム・大型ヒラスズキ・長崎6
狙いを定めたポイントで大型を引きずり出すことに成功。最高の充実感に満たされた。

以降も気になるサラシを見つけてはルアーをキャスト。すると、魚が勢いよく水面を割るという春真っ盛りのヒラスズキ釣りを満喫。2人の笑い声が風の中でこだました。

磯のヒラスズキゲーム・大型ヒラスズキ・長崎7
時間を忘れて夢中でヒラスズキを追いかけた。ヒラスズキもそれに応えてくれ、心が再生する贅沢な時間を過ごすことができた。

自然と一体になっていることを体で感じ、思う存分ヒラスズキと戯れた。かなりの大型であってもサイズを計測することすら忘れていた。そして、気がつけば陽は少し西へと傾き始めていた。ここで充実した春のお祭りが味わえたことに2人で感謝して納竿。釣り場をあとした。宿までの帰路は鮮やかな夕日に映し出された山肌を横目に、少しニヤケ顔でハンドルを握る土師君。その表情の裏側にはこれから我々にとっての究極の時合(酒盛り)が訪れることに対するうれしさが見て取れた。

風を集めて…

若いころはひたすら釣ることに没頭していた私も、最近は遠征先でお湯に浸かり、仲間と美味なビールを飲んでおいしい魚を食べることが何より楽しい。酒を飲みながらの話も釣りに関することは大まかな部分だけ。大半は釣りに関係のないバカ話で盛り上がることが多い。そうして心と体を芯から再生していく。

この日の夕食は自炊にてブリのシャブシャブと刺し身。キンキンに冷えたビールは磯歩きと魚とのファイトで疲れきった体の五臓六腑に深く染み渡った。

磯のヒラスズキゲーム・大型ヒラスズキ・長崎8
釣りのあとも楽しい時間が待っている。こうして活力を養えるのも釣りの大きな魅力だ。

「今日のオレらは風を集めたよなぁ」
「そうですね、ちゃんと風を集めましたね!!」

最後はお互い大好きな日本酒をスズ製のチロリで温めて燗酒にした。

磯のヒラスズキゲーム・大型ヒラスズキ・長崎9
釣り以外の部分にもこだわりを持つのが漢磯流。この日もお気に入りのチロリで大好きな日本酒を温めて最高の一杯を…。

こうして香りのよい日本酒の酔いとともに、旅の最後を気持ちよく締めくくった。このとき、少し開けていた戸の隙間から潮風が吹き込み、その瞬間に私の頭の中でヒラスズキの銀輪が鮮やかに蘇った。

「土師やん またこよっか!!」
「もちろんですよ。絶対にきましょう!!」

こうして今回の我々の旅は終了した。


Akagi’s tackle

磯のヒラスズキゲーム・大型ヒラスズキ・長崎10

【ロッド】
シマノ・エクスセンスS1100H/R -Wild Full Contact-

【リール】
シマノ・ステラSW4000XG
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【ライン】
シマノ・ピットブル8 1.5号
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【リーダー】
シーガー・グランドマックスFX7号
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【ルアー】
シマノ・エクスセンス サイレントアサシン シリーズ
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デュオ・タイドミノーSLD-F シリーズ
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【フック】
カルティバ・STX-58 #2~#6
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Haze’s tackle

【ロッド】
エイムス・ブラックアロー110MH

【リール】
ダイワ・トーナメントフォース3500

【ライン+リーダー】
PE1.5号+ナイロン8号

【ルアー】
エイムス・アローヘッド120F
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【赤木光広・プロフィール】

激戦区の紀伊半島で磨いたテクニックと理論を武器に、ヒラスズキをはじめ、青物・マルスズキなどを求めて各地の磯で積極的に竿を出し、飽くなき探究心で進化を続ける熱血漢。結果よりプロセス重視の釣りを心がけている。

【磯のヒラスズキゲーム・安全とマナーについて】

※上記のリンク先にある「磯のヒラスズキゲーム・安全とマナーについて」を必ず読んでいただき、ルールやマナーを守り、安全対策をしっかりと講じたうえで事故やトラブルのない釣りをお楽しみ下さい。


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