~釣り具製作の現場から~ 再認識したい「モノを作る」ということ|【ほぼ月刊 武田 栄! vol.9】
マニアックに楽しむ釣りの世界だからこそ…
さて、みなさんいかがでしょうか? 釣り具製作現場の雰囲気が少しでも伝わりましたでしょうか? 実際に職人さんたちと話せば、常に釣りやお客さんのことを考えていることが分かります。特に釣り具は僕たち釣り人のためのものなので、できれば常に目が届き、手の届く範囲にあるのがいいと思っています。
余談になりますが、現在僕は釣りのために月の3分の1ほどは福岡に滞在しており、釣りはもちろん、街の生活を楽しんでいます。そして、驚くべきはその暮らしやすさ!! 何せ人は明るく、食に関しては安くておいしいものがたくさんあります。地域に住む人のために存在する企業やお店…。目に見えて手が届く範囲だからこそ、おいしさと工夫が実感できます。マニアックに楽しむ釣りの世界も実は同じ? 結局、釣りや釣り場のことは当事者(=僕たち釣り人)でしか話せないのです。
「MADE IN JAPAN」たる由縁
今回の原稿を書いていてつくづく感じたことは「人の想いと人の手」がとても大事だということ。熟練の職人さんが日夜必死になって作る釣り具。それでもマレに多少の間違いやミスは起こってしまうのだから、モノづくりは本当に難しいと感じます。すべてとはいいませんが、やはり釣り具に関しては作り手と使い手がお互いを感じ合えるような世界であってほしいと願います。ルアーやフライの世界というのは元来そういうものです。
そりゃ、百戦錬磨の敏腕営業マンもスゴいけど、やはり原点は「考える力」と「形にする力」だと思います。その原点と「相手のことを考えること」こそが「MADE IN JAPAN」たる由縁だと僕は思っています。
たいそうないい方に聞こえるかもしれませんが、僕たちが楽しい釣りを続けていくには、今回紹介したような人たちの技術や想い、手が不可欠だということ。そして、その技術や想いはしっかりと地域で受け継がれていかなければなりません。そんな最前線で一生懸命に働くみなさんは、もしかするとあなたの知人や友人、ご近所の人たちかもしれませんから。
釣りが好きなみなさんにはそのようなことにも大いに関心を持っていただければと思います。そうすれば、釣り場でゴミも出さず、揉めることもなく、節度のある釣り、節度のある釣り場が保たれるのではないかと思っています。みなさんもぜひ一度「モノづくりの原点」について考えてみて下さい!!
【武田 栄・プロフィール】
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