釣果に直結!! ショア青物ゲームにおけるミノー使いの妙《ノウハウ編》|【教えてY師匠 その3】
ミノーの使い分け
前述したように、さまざまな種類があるミノーですが、その動きをウォブリングとローリングに大別すれば使い分けが明確になります。そして、大半のミノーにはこの2つの動きがミックスされています。
厳密にいうと潜行レンジやシルエットなどもあるのでそれだけではないのですが、話がややこしくなるのでここでは2つの動きに注目して話を進めましょう。
ウォブリングは上から見ると頭とお尻をバタバタと振る動きです。一方、ローリングは頭とお尻を振らず、ミノー全体が左右にスイングするようなアクションです。そして、この2つのミノーアクションを頭に入れておくだけで、ミノーイングが楽しくなることは間違いありません!!
あくまでもイメージですが、私の場合、ウォブリングは「動」、ローリングは「静」ととらえています(とはいえ、どちらも動いていますが…笑)。
たとえば、ウォブリングの強いミノーを速いスピードでリトリーブするほど、バタバタと強い水押しと強い波動が生まれます。そして、経験上、ウォブリングの強いミノーは、速いリトリーブではアピールが強過ぎるのか、もしくは違和感があり過ぎるのか、魚の反応は今ひとつだと感じています。
しかし、リトリーブスピードを徐々に遅くしていくと、急に魚からの反応がよくなるリトリーブ速度というか、そのときの魚が反応しやすい速度域があります。フィールド状況にマッチさせるべくその速度域を捜し当てると、ウォブリングの強いミノーは水押しの強さと波動によって広範囲にアピールし、爆発的な威力を発揮します。
そんなわけで私の中では、ウォブリングの強いミノーは中~低速域(スローリトリーブ)で反応がよい傾向があるという風にとらえています。そして「魚を狂わす違和感も強めで、集魚効果もある」というイメージを持って使っています。
アクションとスピードをセットで考えよう!!
続いてローリング系のミノーについて。こちらはその名の通り、頭とお尻を振らずにボディーを左右に横転させる動きを見せます。上から見るとボディーを左右に、小刻みに震わせている感じに見えます。
ウォブリングに比べるとリトリーブ抵抗が小さく、水押しも弱いのでアピールは控えめです。ただ、左右に波動を発して泳いでいるので、ウォブリングとは質の異なるアピールでバイトを誘います。
そして、ローリング系ミノーは低速でも高速リトリーブ(横移動)でも、ルアー自体の動きの大きさはそれほどかわらないのが特徴です。ただ、アピールが弱いぶん魚を狂わす「違和感」は少なめで、私は「食わせのイメージ」で使用しています。
以上が両者を使い分けるうえでの私のイメージですが、実際にはウォブリングやローリングの強さだけでなく、リトリーブによる横方向への動きの速さもそのときのフィールドの状況に対してシビアにマッチさせる必要があります、
たとえば「朝まづめはウォブリング系ミノーのスローリトリーブに反応がよかったものの、日が昇ってからはスローリトリーブや高速リトリーブでもダメ。ルアーをチェンジしてローリング系ミノーを高速でリトリーブするとヒット」というような感じです。
ウォブリングもローリングもリトリーブにより動きが生まれます。それぞれのミノーの持つ動きとリトリーブによる横移動の速さをセットで考えると、ヒットパターンが見えてきたりするのでぜひ試して下さい。
ウォブンロールアクションとは?
冒頭でお話ししたように、実はほとんどのミノーがウォブリングとローリングの2つの動きをミックスしたアクション設定となっており、一般的にはウォブンロールアクションと呼ばれています。
しかし、これがクセモノで、ひとことにウォブンロールアクションといっても、ウォブリングが強いものやローリングが強いものなど幅が広いのです。そこにメーカーさんや開発の方の思いがあり、ミノーの奥深さを感じたりもします。
私が愛用するタックルハウスのミノーでいうと、ウォブリングが強めのアイテムとしてブルーオーシャン系、ローリングが強いタイプとしてノード系があげられます。その中間としてはK2Fでしょうか。
いずれにしても、それぞれの動きに持ち味があるミノーたち。それをアングラーが理解し、その日、その場の状況に合わせるべくリトリーブ速度を調整したり、違う特徴を持つミノーとのローテーションでヒットパターンを探っていくことが不可欠です。ミノーイングにはそんなルアーフィッシングの醍醐味が詰まっています。
…と難しいことをいってきましたが、投げて巻くだけで仕事をしてくれるのがミノーのよさでもあります。さぁ、みなさん、レッツ・ミノーイング!!
(※実釣編に続きます。近日公開予定)
【吉田裕彦・プロフィール】
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