アジングがさらにおもしろくなるパターンフィッシングの世界《前編》
時合を読むことは釣技のひとつであるし、そのタイミングでのイージーな数釣りもおもしろい。一方、沈黙する状況でイチから釣りを組み立てて答えを導き出し、その再現性を追求する「パターンフィッシング」もアジングの楽しみ方のひとつとなるから…
解説:上杉貴人
パターンフィッシングの醍醐味
そこに至るプロセスはどうであれ、魚が釣れるということはやはり楽しいものだ。そして、1日のサイクルの中で魚が最もイージーに釣れるとされるタイミングが「時合」であり、代表的なものが朝夕のまづめどき、いわば魚のお食事タイムである。
もちろん私もアングラーである限りは魚が釣りたいし、そうした時間帯も大好きであるが、そこには私にとってのアジングにおける楽しみがあまり存在しない。まづめどきのような大きな時合は魚の活性が高いぶん、こちらの狙い方が少々ズレていても比較的イージーに口を使ってくる。つまり、釣果は伸びるが釣れ方の中身が薄く、多くは再現性がない(同じような時合でのみ通用する)ため、「パターンフィッシング」という楽しみ方が成立しないのだ。
パターンフィッシングは中身が難解になるほど攻略したときの達成感や充実感が大きく、その経験はアングラーにとって大きな引き出しのひとつとなる。引き出しを増やしていくにはさまざまなパターンを経験するしかなく、近道は存在しない。自らの引き出しをいくつも開けながらその日、そのときの状況を読み、アジの動きを判断して口を使わせることが私にとっては最大級の楽しみであり、正直なところ釣果(匹数)は勝手についてくるものだと思っている。
そのようにイージーな時間帯の釣りを避けることによってよりシビアに魚の動きが見えてくる。そして、それを攻略することでより強いパターンを見つけられ、周囲が沈黙する中でも確実に魚を手にすることができる。
イージーな状況での釣りを排除
基本的な時合の条件として普段の釣行スケジュールでいうと、魚が接岸してくるタイミングである夕まづめ、それからホームの泉南エリアでは潮が下げ7分から上げ3分の間が目安となる。他地域でもそうしたタイミングがあるだろう。そのときにアジの回遊が確認できていれば、私はあえて釣りを開始しない。
これはなかなか勇気のいる行為だと思うが、イージーなタイミングでの爆釣を最初に経験しないことによって、ヘンな先入観を持たずにスタートできるため以後のパターンを見つけるうえでは大きなメリットとなる。
そして、ゲームの軸は潮の緩いタイミングなどにやってくる小規模な回遊に対し、きっちりとレンジや距離を合わせてやることだ。これは常にいろいろな手を打たなければ成功に導くことはできない。
ジグヘッド&スプリットショットリグで勝負
釣り方はジグヘッドリグの釣りをメインに、より飛距離が必要な場合はスプリットショットリグを使用する。ワンタックルで挑むのであれば6㌳中盤から後半のロッドがベター。これはスプリットでのキャスト時のタラシを考慮してのものだ。タックルを分けるなら軽量ジグヘッド用として操作性に優れる5㌳中盤から6㌳のロッドを加える。
リールは2000番クラスで、よりスローなリトリーブを実現するためにノーマルギヤタイプを使用。タックルごとにギヤ比が異なると併用したときに巻きのリズムがかわって自身が混乱してしまうため統一しておきたい。
メインラインは、スプリットでは遠距離でも合わせの動作をしっかりと伝えて掛けるためにPE0.3号、ジグヘッドでは繊細な操作が可能なエステル0.2~0.3号を使用する。
ジグヘッドのフックサイズはアジのアベレージサイズによって選択するが、豆アジ狙いでない限り#6か#8を使用。ウェートはそのときどきの風や流れ、必要な飛距離に応じて0.2~2㌘を使い分ける。スプリットシンカーは5㌘まで用意する。
ワームは巻きの釣りがメインなら1.5~2㌅。フォール中心の場合はアジが吸い込んだあとに吐き出しにくいよう、2~3㌅と長めのものを使用する。
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