アジングがさらにおもしろくなるパターンフィッシングの世界《前編》 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 2

アジングがさらにおもしろくなるパターンフィッシングの世界《前編》

パターンフィッシングを成立させる方法

魚を捜す際に最も知りたいことは当然ながら居場所である。それを大まかなエリアではなくピンポイントで特定するには距離、レンジを調整しながらアタリがあった場所をしっかりと把握しなければならない。そして、そのピンポイントに対してワームの長さやアクションが合っているのか、リグの重さや巻きスピードは? といったことを素早く判断して対処することで釣果を伸ばすことができる。

サーチの段階では海を見て潮ヨレなど何らかのいい雰囲気を感じない限り、手前から徐々に沖へと探っていく。リグもそれに合わせて軽量ジグヘッドからスプリットショットへ移行する。サソイはタダ巻き、リアクション狙い気味の強めなアクションからのフォール、巻きからの小さなリフトの3パターンを基本とする。

アジング スキルアップ5
順序立てたアプローチで状況を把握。そうやってヒットパターンを絞り込んでいきたい。

軽量なジグヘッドリグからスタートするのは手前の魚をむやみに散らさないためでもあるが、沈下速度が遅いことを利用し、流され方によって潮流を掴むためというのが大きな理由だ。それに、ダイレクトな操作感はこのリグならではのもので、さまざまなアクションやフォールを演出しやすく、そうした意図的な動きで魚に口を使わせることができる。なお、ウェートは風などの条件にもよるが0.6㌘からスタートすることが多い。

レンジについては、以前は表層から順に深くしていくという探り方だったが、最近では表層を探った後、カウントしながら底を取って水深を把握したうえでボトムを探り、それから宙層を刻んでいくという順にしている。先に水深を把握しておくことで、宙層を探る際に「今攻めているのは水深の中ほどより上」という具合にイメージしやすくなり、より細かくパターンを構築できるようになった。

1.5~2㌘ぐらいまで試して反応がなければスプリットに切りかえる。それ以上の重さのジグヘッドではレンジキープのためにリトリーブスピードを速めざるを得ないためアジが吸い込みきれないということが多くなるが、スプリットならシンカーとワームの沈下にタイムラグが生じ、それを利用することでフッキング率の低下を抑えられる。

サーチを続ける中で潮流が効いているスポットやヨレの存在を感知したら、その手応えと立ち位置からの距離を把握しておく。そのようなところは回遊ルートや溜まり場となる可能性が高いので、ときおりリグを通すようにすれば突然の回遊に当たることがある。

アジング スキルアップ6
狙い目を絞り込むうえでは、やはり潮流の変化を敏感に感知することが重要だ。

アタリがとれる範囲でラインにアソビを…

以上のような釣り方を基本に、サソイから食わせにおいては次のようなことに気を配る。

●ラインテンションの調整…どれだけ感度が高いロッドやラインを使っていても、この点をしっかりと理解しているかどうかで釣果は大きくかわる。

私の場合、アジングではフロロのメリットを感じることが少ないのでエステルとPEを使用しているが、細かいことをいえばそれぞれラインコントロールの方法や考え方は異なる。どちらにせよ、確実にいえるのは張り過ぎると反響感度は増すが、アジがワームを吸い込んでもラインにアソビがないぶん浅掛かりになったり、フッキングミスが多発することになる。それをムキになってフッキングに持ち込もうとしても余計に泥沼にハマッてしまうだけだ。

この場合はリトリーブスピードを若干落とすか、リグをワンランク軽いものにかえてさらにゆっくりと巻いてやる。そうすればラインテンションを少し緩めた状態でアタリが取れ、フッキング率が向上する。ポイントまでの距離が遠くてウェートを落とせないのであれば、引き抵抗が強いタイプのジグヘッドやワームを使用することでスピードを落とすとよい。

アジング スキルアップ7
ラインテンションを調整して理想的なフッキングを実現したい。

●ロッドワーク…タダ巻きよりも、ときおりアクションを入れる方がアジの反応がいい場合が多い。ただ、エギングに近い動作でのトゥイッチはそこからのカーブフォールでバイトしてくることがほとんどなのでアタリに対して備えられるが、小さくアクションを入れながらの巻きの釣りだとロッドティップを少し下げたときにアタることが多く、フッキングがワンテンポ遅れることがしばしばある。

そこで、巻きの釣りではロッドを斜め前方に構えた状態で軽くグリップを握る。そうすると重量バランスによりロッドティップが少し上がるので、その動きをアクションとして利用しながらリトリーブする。これだと腕の位置をかえずにリトリーブでき、不意のアタリに対しても比較的スムーズにフッキングを入れることができる。

アジング スキルアップ8
アジングにおいてはロッドワークも非常に重要な要素だ。
(※後編に続きます。近日公開予定)

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