シーバスアングラーとしての資質が短期間で向上した理由は?|サイドフィッシングのススメ③ | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 2

シーバスアングラーとしての資質が短期間で向上した理由は?|サイドフィッシングのススメ③

シイラ狙いでシーバスアングラーとしての資質が向上

シーバスゲームしかやらなかったころ、自分にとってのシーバスは「強い魚」だった。エリアごとの最大クラスとの遭遇はマレであることから、なかなか経験値の上がらない釣りものだからだ。ところがオフショアに出れば、より強くてスピードのあるターゲットとイージーに巡り会える。カジキや軽トラックほどのマンボウに度肝を抜かれ、シイラやサメに鍛え抜かれてからは、シーバスのヒットにも慌てることはなく落ち着いて戦えるようになった。

また、力対力ではなく、いなして取る技術を身につけたことでよりライトなタックルの使用も可能となり、総合的な釣獲能力が格段に上がった。結果として、オフショアゲームを経験することでシーバスアングラーとしての資質が短期間で向上したのである。

シイラゲームを始めた当時は、鉄板系バイブを使ったデイシーバスのリアクションバイト狙いのアプローチに似ていると思った。派手なアクションでアピールし、高速またはトリックアクションでバイトさせる。確かに、プレッシャーのかかっていないサラ場には有効でシイラゲームの醍醐味といってよい。食わない低活性の群れは諦めて、次の漂流物を捜すのが常套手段である。

ところが、とある大会で漂流物も群れも見られない状況が続いたあと、やっと見つけた群れは200名近い大会参加者の大船団にすでにたたかれており、すこぶる低活性。ここで気づいたのは、産卵期のデカイカやデイメバルのサイトフィッシングに通じるということ。具体的には…。

①直撃せず、少し離れた位置にキャスト。
②ターゲットの捕食射程範囲をかすめるようにトレースしてアピール。
③チェイスしてきた個体が見切る直前に異なるアクションを入れる。 ④食わせの間を入れる。
⑤これら一連の動作を最低限の移動距離、少ないキャスト回数で行ない、プレッシャーをかけず確実にバイトさせる。

といったことだ。特にこのときは④のあと、ペンシルの浮力を生かした浮上とシイラが未知のスレていないアクションで興味をキープし、水面に追い詰めたと錯覚させることでバイトに繋げた。それで、大会では10位という結果だった。また、その後も数多くのメーターオーバーを相手にサイトで鍛え抜いたことで、エギングにおいてもデカイカのチェイスにビビることはなくなり、落ち着いてアプローチできるようになった。

さらにいえば、「エギングはシャクッてナンボや‼」といった風潮が当時からあったが、難易度が低いとされるシイラゲームでさえシビアな状況が存在することを知ったことで、本業?のエギングでもサイトのみならずブラインドやナイトゲームでも闇雲に餌木を動かすのではなく、よりていねいに釣ることの重要性を痛感した。それが現在の私のエギングのベースになっている。

実は、その前年の大会でも興味深いできことがあった。当日は累計200㍉を越える雨によって入ったアマゾン川のように濁った水潮と3㍍近い高波に苦戦したが、河川のヒラスズキゲームを意識したアプローチで船中唯一のシイラをキャッチし、2位となった。このときは口径の小さいペンシルポッパーを沈め、ワンピッチでドッグウォークさせることで水潮と海水の境目を把握し、その周辺をていねいに攻めたに過ぎない。

当時のキャスティングでは認知されていないアプローチ法であったが、それによっていい潮が流れるプレッシャーのかかっていない領域を効率よく攻めることができた。これはシーバスゲームで得たスキルのおかげだといえる。また、以後は他の魚種についてもよりシビアにレンジを意識するようになった。

不調時にがんばることで突破口が…

他にも、タチウオジギングに没頭した時期には、専用のタックルもなかった時代にエギングタックルを持ち込むことで乗りのよさだけでなく、巻き感度やシャクリ感度による情報収集能力が高まり、さらにそこでバスやトラウト用などさまざまなフックを用いることで新たな発見が得られた。

結論として、すべての釣りはそれぞれに楽しいが、すべての道は繋がると信じている。ただし、魚との接点が多いほど得られる情報も増えるが、不調時にもめげずにがんばり抜く中で得られることが圧倒的に多く、釣果情報に振り回されたり好不調を選ぶことなく真摯にフィールドに立ち続けることが大事だ。

シーバスゲーム&エギング 上達3
シーバスゲーム&エギング 上達4
私にとってサイドフィッシングは存在しない。それはすべての釣りの道が繋がっていると信じているからで…。

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