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二刀流で楽しむ低水温期の青物ゲーム|【F.R.E.A.M vol.4】

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二刀流で楽しむ低水温期の青物ゲーム|【F.R.E.A.M vol.4】

効率よく時合をモノに!!

干潮時刻は12時だったが、明確に潮がかわったのは14時ごろ。潮回りが大きいことに加え、激流になるエリアなので潮が大きくかわるまでに時間がかかるのだろう。

フカセ釣りにはほどよい流れになったので釣りを再開することに。すると、ウキに反応が現れ始めたので俄然やる気が湧いてきた。しかし、このタイミングであたり一面にボイルが発生‼︎  すぐにルアータックルに持ち替え、ついていたダイビングペンシルをそのままキャスト。水面を高速でスキッピングさせていると、小さ水柱が立ってヒットした。

キャッチしたのは60㌢ほどのかわいいヤズで、ボイルの上層にはこのサイズが乱舞していた。ただ、下層にはメータークラスのブリも確認できる。これを狙ったもののボイルは100㍍ほど離れた隣の瀬付近にボイルが離れてしまった。以降は青物の反応がなくなり、潮も緩んで釣りやすくなったため、迎えの船がくるまでフカセ釣りを楽しむことに。渡船の最終時間となる16時まで目一杯楽しんだが、最後までウキに反応が出ていたので、まだまだ釣り足りない気持ちを抑えての納竿となった。

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クロも何とか3匹釣れた。ハリ外れやチモト切れなども多数あり、十分に楽しむことができた。

違うジャンルの釣りをすることで得られるスキル

釣行当日は、激流になって釣りが成立しなくなったとき以外は基本的にずっと竿を握っていた。まったジャンルの異なる釣りを交互にすることで、その都度気持ちがリフレッシュされて集中力が持続したからである。終始楽しいと思えた釣行だった。

餌釣りをまったくしないルアーアングラーの方にはなじみがないかもしれないが、フカセ釣りにのめり込むことにより、ルアー釣りに転用できるスキルがあることに気づいた。

1つは潮を読む力が養われること。「クロは潮を釣れ」という格言があるが、常に海中をイメージしてウキの動きで仮説を立て、潮の流れを理解する力が養われると感じる。あくまでもウキが届く範囲での話になるが、本流に対する瀬際の引かれ潮の向きや速さ、仕掛けや撒き餌が溜まる場所を視覚的に捉えることができる。これはどのジャンルにおいても潮流がかかわる磯釣りにおいて、不可欠なスキルであると感じている。

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フカセ釣りを通して潮に関する理解が深まることは確かだ。

そして、もう1つはラインでアタリをとれるスキルを養えること。瀬際では潜り潮という現象が起こる。これはサラシと沖からの潮がぶつかるところ(手前の潮目)では必ず起こる現象で、ぶつかり合って行き場をなくした潮が下に潜っていく状態である。

そのあたりにウキを流すと、ウキは潜り潮の影響で魚がハリについた餌を食べなくてもどんどん沈んでいく。そのままにしておくとやがてウキは見えなくなり、本来魚のアタリを視覚的に捉えるウキとしての役割を失ってしまう。そこからどのようにしてアタリをとるのかというと、ラインの挙動を観察してアタリを判断することになる。

魚が餌をくわえて動けば、ウキの延長線にあるラインが走ったり、弾かれたり、逆にたわんだりする。アタリの出方はさまざまだが、いずれにせよラインの動きで違和感を感知するスキルを養うことができる。

エギングをされる方なら分かると思うが、まさにフリーフォール時のアタリのとり方に酷似している。春イカ狙いのデイエギングで重要といえるフリーフォールでアタリをとる練習をフカセの釣りで実践できるのである。

このようにフカセに限らず、他ジャンルの釣りをすることでアングラーとしての資質を向上させることができる。1つの釣りを極めようとしているストイックなアングラーからすると二刀流釣行は邪道なのかもしれない。しかし、貴重な休日にお金と労力をつかって釣りをするわけだから、「楽しんだもの勝ち」という風に私個人は考えている。厳しいと思える状況下でも何が起こるか分からないのが自然相手の釣りである。その中で1日を楽しく有意義に過ごせる二刀流釣行。興味のある方はぜひチャレンジして下さい‼︎

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今回の釣行で釣った魚はおしくいただいた。写真はブリのお頭を使ったブリ大根。脂がしっかりと乗って美味だった。
ショア青物ゲーム ブリ8
クロは刺し身でいただいた。血合が鮮やかで美しい。

使用タックル

【ロッド】
シマノ・コルトスナイパーS906MH

【リール】
シマノ・ステラSW4000XG

【ライン】
バリバス・アバニ ジギング10×10 マックスパワーPE X8 2号

【リーダー】
デュエル・CN500  8号

【ルアー】
マリア・ラピード F160(ピンクイワシ)

シマノ・コルトスナイパー  ロックスライド140S AR-C


【田村孝介・プロフィール】

鹿児島のSWルアーゲームフィッシングクラブであるKFC(Kagoshima Fishing Crew)に所属。「釣れた魚はおいしくいただく」をモットーにショアからのカンパチ・ヒラマサ・ハガツオ・アオリイカなどを狙っている。

【ショア青物ゲーム・安全とマナーについて】

※上記のリンク先にある「ショア青物ゲーム・安全とマナーについて」を必ず読んでいただき、ルールやマナーを守り、安全対策をしっかりと講じたうえで事故やトラブルのない釣りをお楽しみ下さい。


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