二刀流で楽しむ低水温期の青物ゲーム|【F.R.E.A.M vol.4】

ショア青物ゲーム ブリ1

低水温期の青物ゲームいえばターゲットの反応が薄い中でひたすらキャストを続ける修行のような釣りなのでは?  いやいや、少し視野を広げれば十分に磯遊びを満喫できますよ‼︎

Text & Photo:KFC・田村孝介

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低水温期の二刀流ゲーム

ショア青物ゲームにおいては、一般的に冬場は最も釣果が出にくいとされており、多くの青物アングラーにとってはオフシーズンといえる。晩夏~晩秋はハイシーズンなので秋によい思いをした記憶を引きずり、冬場も期待して釣行したところ、釣果に恵まれなかったというアングラーも多いだろう。私のホームフィールドである鹿児島県・南大隅エリアも例外ではなく、冬場は釣れたとしても朝イチだけや単発で終わることが多い。

一方、私が青物ゲーム以外に楽しんでいるクロ(グレ、メジナ)狙いのフカセ釣りは1~3月が盛期となる。この時期は厄介な餌取りが姿を消し、脂が乗った大型のクロが釣れるとあって沖磯への渡船に乗船するのはほとんどがフカセ釣り師である。そしてこの時期、ルアーの青物とフカセ釣りのクロ狙いの両方を楽しむというのが私のスタイルだ。

二刀流釣行の楽しみ方とメリット

いずれかのジャンルに絞って釣行すると、悪天候や悪条件のときに対応しきれない部分が出てくる。そういった意味でも二刀流は非常に合理的だ。

たとえば冬~春先は、ショアジギングの道具だけを持って釣行したのはよいものの、寒波で水温が急激に下がり、青物のバイトはおろかベイトの姿すら確認できずに1日が終わってしまうということも頻繁に起こる。

一方、フカセ釣りの道具だけを持って釣行した場合、水温が急に上がったときは餌取りだらけで釣りが成立しないことも。また、ルアータックルを持参していないときに限って近くでボイルが発生したり、海鳥が頻繁に海へダイブするなど、「ルアータックルを持ってきていれば…」と後悔したことも少なくない。加えて冬場は海がシケやすく、ショアジギングは成立するもののフカセ釣りが成立しない状況になることもしばしば。そういったことから私の場合は水温が上がればルアー、下がればフカセ釣りをメインに楽しんでいる。一方の悪条件はもう一方の好条件になり得るのが二刀流釣行の最大のメリットである。

釣りの一連の流れとしては、朝イチはルアー釣りに専念。休憩を挟む際にフカセ釣りの準備をして状況しだいでクロを狙う。さらに、潮がかわったタイミングやボイルが起こったら、すかさずルアー釣りに切り替えるといった具合である。

これを1日繰り返すので非常に忙しいが、1つの釣りを楽しむときに比べると気持ちが折れたり、過度に休憩を取ってダラダラとすることがなく、1日があっという間に過ぎる。それだけ楽しいスタイルということだ。

ただし、デメリットもある。それは必然的に持参する道具が多くなるということ。1日釣りをするとなると、背中に背負う荷物だけでも20㌔ぐらいになることもあるため、渡船を利用して沖磯に渡してもらうのが無難である。

朝イチにビッグチャンスが!!

前置きが長くなったが、実際2月末に二刀流釣行を楽しんできた。今回は佐多岬・田尻漁港から出船の「鶴丸」さんに乗船して沖磯に渡していただいた。

渡礁したのはルアー釣りでは有名な超一級磯。夏場はルアーのお客さんが多くてなかなか上がれないのだが、潮が速過ぎてフカセ釣りは厳しいということで当日は空いていた。冬場はルアー釣りを楽しむうえでよい瀬が空いているのも利点である。

当日は午前7時前に渡礁してすぐにルアー釣りから始めることに。この日の潮回りは大潮前の中潮最終日。満潮は6時半で、潮は立ち位置から見て右から左に緩く流れていた。

ショア青物ゲーム ブリ2
ショア青物ゲーム ブリ3
当日はウネリも風もなく釣りやすい状況だった。

ロッドはショアジギング用の9㌳6㌅(MH)、ラインはPE2号、リーダーはナイロン8号のタックルをセレクト。事前情報によると70㌢前後のヤズ(ブリの若魚)が釣れており、日によってはボイルも発生するとのことであった。

まずは14㌢のポッパーを15分ほどキャストしたものの反応なし。日も完全に上がったところで16㌢のダイビングペンシルに変更し、潮かみ方向にフルキャスト。ちょうど自分の正面あたりで回収して再び潮かみにキャストするという行為を繰り返した。

15分ほど経過したころ、およそ20㍍沖で大きな水柱が立ち、ルアーが海中に消えた。焦る気持ちを抑えてしっかりと竿に重みが乗るのを待ち、スイープに合わせるとドスンという手応えが‼︎  乗った瞬間に大型であることが分かった。

そして次の瞬間、2㌔ほどに設定していたドラグが滑り、ラインが勢いよく引き出された。「この竿で釣り上げるのは厳しいかも…」  そう思ってしまうほどの重量感だ。魚は頭を振りながらしばらく走り続けた。20㍍ほど走られただろうか、ラインが足もとの瀬に擦れそうだったので思い切ってベールをフリーにした。すると、運よく魚が沖方向に走ってくれたので少し落ち着いた。

「勝負をかけるのは今しかない‼︎」と思い、ドラグを半周分締めて一気に浮かせにかかる。魚はファーストラン、セカンドランで疲れていたのか、割とすぐに浮いて水面を割った。「デカい…。メーターはあるだろうか」  そう思いながら息を飲んだ。

魚を手前まで寄せ、単独釣行だったので波を待って一気にランディング。無事にキャッチしたのはブリで約1㍍、11㌔の立派なサイズだった。事前の釣果情報を遥かに越えるサイズだったので、取れたのは運も大きかったと思う。

ショア青物ゲーム ブリ4
朝イチにキャッチしたブリ。冬場もマレにこのサイズが回遊する。ちなみに単独釣行だったため、帰港後に船長に撮影をお願いした。

この日は磯際に青物らしき影が見えたり、キビナゴの小さい群れが撒き餌に寄ったりしていたため、ルアーを細身のシンキングペンシル(14㌢)につけかえて投げ続けた。水面直下でスピーディーなストップ&ゴーを繰り返していると瀬際で魚体がギラッと光り、直後にガツンという強いアタリが‼︎   しっかりと食い込んでいたので強めの合わせを2回入れると先ほどと同じぐらいの重量感が伝わった。

しばらく同じようにやり取りしていたが、突然のラインブレイク。回収して確認するとリーダーが残っていた。おそらく1匹めのランディング時にリーダーが擦れ、そこから切れたと思われる。それを見落とした自身の甘さを痛感するとともに、ルアーが掛かったまま逃してしまった魚に申しわけなく思い、どんなに釣れていてもハリ先とリーダー、ノットのチェックは怠ってはいけないと改めて再認識した。

その後はしばらくミノー、ジグミノー、ジグとルアーを交換しながら様子をうかがうも、ショートバイトはあるもののフックアップには至らず。やがて激流になってしまい、魚の気配がなくなった。ここでフカセ釣りに変更したが、激流の影響で当て潮になり、仕掛けがうまく流せないので潮が緩むまで休憩を取ることにした。

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