パイオニアのショア青物レッスン②|【オッサンの能書き 其の2】 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア

パイオニアのショア青物レッスン②|【オッサンの能書き 其の2】

大型ヒラマサ ファイト方法1

前回(其の1)は福島和可菜さんがメーターオーバーのヒラマサをキャッチしたときの模様を紹介したが、彼女のファイトはあのときの状況下で理想的だった。そして、ショア青物ゲームを誰にでもチャンスがある釣りにするためにも、ファイト法やスキルの磨き方についてはより深く考える必要があり…

解説:本林将彦

青物とのファイト法と考え方

前回(パイオニアのショア青物レッスン①)はワカナンこと福島和可菜さんがメーターオーバーのヒラマサをキャッチしたときの模様を紹介したが、このときのファイトが成功した要因は、まずドラグを緩めてヒット直後のファーストランで全力疾走させたことがあげられる。ヒラマサは濁りが入っているときや夜間も自由に泳げるよう、目よりも側線をセンサーとして働かせて障害物を感知しているようだ。そして、速く泳ぐときはより障害物(根)から離れて泳ぐようである。

サーフェースでヒットした場合、ドラグを締めて走らせないようにすると、ヒラマサからすれば根に向かうしか逃避法がない。一方、気持ちよく走らせると、抵抗がかかる方向とは逆側(沖向き)へ全力で走る。トップウォーターでヒットしたときはこれが特に顕著だ。

我々が渡礁した磯では前日、前々日と男性がPE4~5号+リーダー100Lbクラスのタックルでよいサイズの青物をヒットさせたものの、手前の根でやられたという情報を入手していた。加えて当日はヒラマサとの出会いを最優先に考え、ワカナンにはキャストを続けやすいライト寄りのロッドとPE2号のタックルで挑んでもらった。さらにヒットしたヒラマサには気持ちよく走ってもらうために、強めのジャークで滑る程度のドラグ設定(2㌔以下)にしていた。おかげでサーフェースでヒットしたヒラマサは全力で機嫌よく、ほぼ水平に走ってくれた。これにより思いのほか早く疲れて泳ぎが著しくスローダウンした。

そして、実はこのタイミングが危ない。抵抗がかかるのと逆方向に泳いで疲れたヒラマサは、ラインを引っ張らずに潜れる根に向かって走り出す。ここですかさずドラグを締め、ポンピングで自由に泳ぐのを邪魔するわけだ。

嫌がるヒラマサは再び走り出すが、元気に走るようならドラグを緩めて走らせる。このときもそれを何度か繰り返した。すると、やがてゴンゴンと頭を振るだけの引きになった。これは頭がアングラー側に向いており、体全体を動かすのが辛くなっている証拠だ(「寄せてもいいよ」という合図)。こうなればドラグを締め込み、休まずに浮かせる意識でシャカリキにポンピングを繰り返す。

以上が今回のファイトの解説だ。あくまでもケース・バイ・ケースではあるものの経験上、大型のブリやヒラマサ、マグロ類などには非常に有効な方法である(大型カンパチやクエには通用しないので要注意)。

大型ヒラマサ ファイト方法2
狙いのターゲットを攻略するうえでその魚の習性などを理解することは不可欠。そうやって本命との距離を詰め、理にかなった方法でスキルを磨いていきたい。

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