2018~2019年シーズン、冬のメバル事情(泉南編)|【ほぼ月刊・武田 栄! vol. 1.5】
水温や潮の状況により厳寒期まで好不調が繰り返される冬のメバルゲーム。そこには天候や海の状況を見て、自分なりに考えながら釣る楽しさがあるから…
解説:武田 栄
冬のメバル釣り
近年はメバルを狙う釣り人も増えて「魚がスレた?」なんて嘆く人もいる激戦の泉南エリア。でも何だかんだいって、かれこれ四半世紀以上も爆釣中のタケダさん(笑)。
SNSが普及してからというもの、1の話が100にもなり、嘘が真実になったりもして、そんな話を聞くとつい笑っちゃいます。その中で真実は自分や信頼できる仲間たちと行く釣り場にしかありません。「タケダさん、釣り場が近くていいですね」とよくいわれますが、僕が生まれたのはバリバリ大阪市内。ちょっと特殊な環境の僕以外にも熱心な釣り仲間たちは一様に工夫をしてます。要は住めばいいんです、海の近くに!!(笑)。ほとんどのみなさんが「そんなの無理」というかもしれませんが、そこは10年、20年、30年と計画を立てて実行していけば叶うはず!? かくいう僕もそうなので、やはり男は気合であります。釣りのために若くから引っ越す、釣りのために仕事をかえる、夢みたいな話だというかもしれませんが、まじめにじっくり本来の自分と向き合えることができたら、きっと叶う人も大勢いると思います。
で、今冬の泉南メバルはというと、12月時点で好調です。幼魚から中型まで数多くのメバルが生息する、大阪湾口に位置する泉南エリア。メバルは毎年決まって晩秋には浅場へと大挙してきます。早い年は9月末ごろ、遅くても10月末ごろから中~小型のプチラッシュが始まります。
2018年の秋はというと、沿岸部は高水温で推移したせいか例年よりもアジの接岸が長く続き、11月に入ってもアジ場とメバル場に分かれて釣れる傾向がありました。そして、12月に寒波が到来して以降は徐々にアジも少なくなってきたようで(今では大阪湾の冬アジ〈越冬アジ〉場も発見されていますが…)、僕の通う泉南エリアではほぼメバル一色になってきました。
この晩秋から初冬に接岸する中~小型のメバルは数も多く、水深に関係なくほぼ全エリアにいます。よい潮が当たる日や穏やかな日には比較的イージーに数釣りを堪能することができます。そして、段階的に訪れる寒波の影響で極端に水温が下がれば活性も下がり、水温が落ち着けば活性が上がるというパターンが繰り返されます。
では、2019年の予測は? 暖冬ともいわれている今冬ですが、この原稿を書いている12月中旬現在、少し寒くなるのではないかと推測しています。ただ、くれぐれも2018年の2月に関西を襲ったレベルの大寒波がこないことだけを祈っています。あのレベルの寒波はその後のシーズンにも影響を及ぼすのではないかと考えているからです。
さて、例年なら1月中旬ごろまでメバルが釣れ続け、厳寒期となる2~3月は産卵の影響も相まって「水温が低過ぎて食わない?」と思われる状況が続きます。ちなみに、釣果が何かと厳しい1~3月は大阪湾奥にて底ズルで乗っ込みのキビレやチヌが狙えます。ターゲットが少ないこの時期ですが、そんな嬉しいパターンも早くから確立しているのでご安心下さい!!
冬メバルの釣り方
現在のメバルゲームは以下の3パターンの釣り方に大別できます。
●専用のジグヘッドとワームで狙うベーシックなパターン。
●マイクロプラグで狙うパターン。
●関西では決して多くはないものの小型メタルジグで狙うパターン。
もちろん、メタルジグはメバルの活性がかなり高いときや、水深がある場所のミドル~ボトムレンジの攻略が基本。特定の場所やボートからの釣りで使用します。
そして、以前に比べて全国的にもかなり普及したマイクロプラッギングですが、ジグヘッドリグと比較すると釣り自体のおもしろさはあるものの、冬場は苦戦を強いられることもしばしば。とはいえ、タックルの軽量化とプラグの種類が増えたことで厳寒期や渋い日にもプラグで狙う意味は大きいといえます。「自分はプラグで通す!!」という方はぜひそのスタイルで楽しんでいただければと思います。
僕の場合、冬場はジグヘッド+ワームをメインに、ときどきプラグを使用するというのが基本です。慣れればメバルは実によい遊び相手で、穏やかな日にポイントに立てば「今日はプラグでも釣れるよ」と教えてくれたりします。
具体的にはよい潮が当たり、表層に小さな餌が確認できるとき(ベイトフィッシュはもちろん、ライトを当てれば視認できるほどのプランクトンなど)、メバルが頻繁にライズを繰り返しているようなときはプラグの出番です。
一方、ルアーをキャストしないことには状況が分からない、また海が静かだと感じたら、やはりジグヘッドリグの出番です。フロロカーボンラインをメインに使用していた時代から基本中の基本であったジグヘッドリグ。これはルアーというよりも漁具に近いものだと感じています。かなりな低活性なメバルが相手でも軽量ジグヘッドリグがフワーッと落ちてきたり、目の前をゆっくりと通ればついつい口を使うのは必然。しかも、我がGo-Phishやタケダクラフトでいえば定番のモイモイ、まる山のみ太郎など、形こそルアーであってほしいと願うものの、メバルに口を使わせる性能に優れた多様なワームが登場しているのだからなおさらです。
一方、プラッギングでも実はルアーの側までメバルが寄ってきているのに食わないとか、アタッても掛かりにくいほどのショートバイト(低活性)というケースが数多くあります。
結局、近年のメバルゲームシーンはどうなっているのかというと「それぞれの活性ごとにメバルを攻略できるようになった」ということが大きな進化といえるでしょう。
タックルについて
僕がライトゲームを続ける大きな理由でもあり、楽しみでもあるのが日々進化を遂げるタックルの存在です。確かに大型釣り具店などに行くとたくさんのアイテムがあり、一見するとどれも似たり寄ったりの印象を受けるという感は否めません。しかし、その中でも革新的なもの、そして5年、10年というサイクルで格段に進化するものがあります。
ここ10年ほどでいえば、最大の進化は極細PEラインの性能向上と普及でしょう。加えて1㌘以下のジグヘッドリグを用いた釣りが確立されたこと。さらに、僕の主観ではありますが、超最新のファインラインや軽量小型リグの使用を前提とした中級~ハイエンドモデルの小型リールの普及も大きいと思っています。
ロッドについては少し残念なことですが、アジングと同様にビギナーが多いジャンルということで、自由に選ぶというよりもつい流行のアイテムに人気が集まってしまいます。ただ、1㌘やそれ以下のウェートのリグを使い、食わせるということに重きを置けば真実は少し違う場合もあります。
とはいえ、ロッドは好みがあるので、より釣るためにこだわるべきはリールとラインでしょう。僕がメインに使用しているのはPEラインです(メーカーや価格によってさまざまな違いがあるのでご注意下さい)。特に表層はもちろん、宙層狙いや渋い状況下ではボトムのハードストラクチャーを集中的に狙う「全層対応メバルのマイクロジグ単用」として、PE0.15号(リーダーはフロロカーボンの4~5Lb)、プラグやメタルジグには0.2~0.3号(リーダーはフロロ5~6Lb)、磯場の尺上メバル狙いには0.4~0.6号(リーダーはフロロ6~8Lb)といった具合に、状況とそれぞれのタックルに合わせて使い分けています。
ジグヘッドはここ数年かわらずジグヘッドタケちゃん0.9㌘、1.2㌘、1.8㌘(残念ながら軽量の0.9㌘は現在入手困難?)、そしてカルティバ・虫ヘッド0.5㌘、1㌘などを愛用。ワームはご存知、モイモイSサイズ&Mサイズに、まる山のみ太郎(約1㌅)で楽しんでいます。ちなみに、ワームのカラーは食いが渋いときほど差が出るのでできるだけ多く用意しておいて下さい。
装備について
常夜灯があり、手軽にエントリーできる釣り場がメインステージとなる僕のメバルゲームですが、たとえ少々の明かりがあるといっても決して忘れてはならないのが明るくて軽量なヘッドライトです。夜はラインが見えない、リグをセットするのが辛いというみなさんはぜひハイエンドモデルのヘッドライトを使用して下さい。ヘッドライトの明るさがかわれば釣り場での作業効率が驚くほどアップしますので、ぜひそれを体感して下さい。
そして、コンパクトに整理されたルアーケース(僕はワームとジグヘッドを収納するケースをそれぞれ1つずつ持参しています)。また、それらを出し入れしやすく、コンパクトに持ち運べる専用バッグも欠かせません。さらに、足場のわるい場所や磯場などでは取り込みに便利な小型ランディングネットもお忘れなく。経験上、小型ネットがなければ、大型メバルを釣り上げたときにほぼ海へと落してしまうことになります。
そして、冬~春シーズンに少しでも快適なゲームを楽しむのに欠かせないのが防寒対策。現在、さまざまな防寒ウェアが発売されていますが、やはり細部にまでこだわった大手メーカーさんの真冬用防寒着の着用をおすすめします。加えて温かいキャップ、耳あて、グローブ、ネックウォーマーなども必携。テトラ帯ではスパイクブーツも重宝します。ついついのめり込んで長時間の釣りにもなってしまいがちな冬のメバルゲーム。体調を崩すと元も子もありませんので万全の装備で楽しんで下さい。
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