浅場のシガヤーフィッシング|【いちゃりば釣Day! 其の二】
わずかな違和感をモノにせよ!!
今の段階で僕が分かっているのは海藻だと思って合わせを入れたこと。「コツンッ」という感触の後に餌木が動かなくなるのは石に引っ掛かっている可能性が高い。そして、「モサッ」という感触の後に餌木が動かなくなる場合は海藻もしくはシガヤーダコの可能性が高い。ということは「コツンッ」ときたときには合わせを入れずにうまく根掛かりを回避し、「モサッ」ときたときだけ合わせればとりあえず海藻かタコの2択になる…。
現時点でタコの感触は分からないけれど、海藻の感触は目の前に大量に生い茂っているので確認できる。何度も海藻に引っ掛けてその感触を体で覚え、その後に違う感触が伝わるなら、それはきっとシガヤーダコに違いない!!
そんなわけで、その後は何かに取り憑かれたように目の前にある海藻に餌木を引っ掛けては外すという行為を繰り返します。回りから見れば非常に不可解な行動ですが、僕には明確な意図と目的があります。
この日、誰よりも海藻を釣ったであろう僕の収穫は「モサッ」とした感触の後に海藻が少しだけ動く(餌木が前へ進む)というのが分かったこと。そして「モサッ」の後に餌木がいっさい動かずに止まっていれば、それはシガヤーダコのアタリである可能性が高い。
そう考えて先ほどまで夢中で海藻を釣りまくっていた男が今度はニヤニヤとしながら沖に餌木をキャストします。もう完全に怪しい人です。 餌木をゆっくりとズル引きながらコツン(石だな…)、コツン(石だな…)、モサッ、ズルズル(海藻か…)という具合に竿先に伝わる感触を頼りにアタリを選別していきます。するとモサッという後に動かない待望のアタリが!! もう合わせを入れるのに1㍉の躊躇もありません。リールのハンドルをグリグリと巻いて上がってきたのは立派なシガヤーダコ。頭の中ではゲームで流れるレベルアップの音が鳴っています(ジョニィ ハ ケイケンチガ 1アガッタ)。
まだ2ハイしか釣っていないというのにもう満足です。そして、今日は急いで釣り場にきたので朝食をとるのを忘れていました。狙い通りの釣果を上げた途端に空腹感に襲われますが、とりあえずコツを掴んだところで3バイめを狙うことにしました。
先ほどの1パイのお陰でシガヤーダコのアタリの感触をある程度掴むことができました。最初は海藻かどうか分からなかった引きも、今ではまるでシガヤーダコが暴れているかのようです(おそらく気のせいですが…)。そして、あっという間に3バイめをキャッチ。空腹のせいでシガヤーダコがおいしそうに見えます。しかし写真を撮っていたところ、タコを海に落として逃げられてしまいました。
逃がした魚はデカかったといいますが、多分逃げた彼は旨かったと思います。でも、彼らの生活圏に逃げられては人間は手も足も出ません。僕の右手には彼らが生き抜くために自切した腕がへばりついています。悔しかったので右手にくっついている足のみを食べてみると、噛むほどに味わい深さを感じる食味でした。
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