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深海のアブラボウズジギング

パイオニアとしてポイントを開拓するおもしろさも持ち合わせているアブラボウズジギング。ただし、手巻きリールを使ったジギングでこの釣りを始めるには相応の気構えと覚悟が必要となり…

解説:西本康生

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この釣りを始めるうえでの覚悟

現在、餌釣りでアブラボウズを狙っているのは三重県以北、太平洋側の遊漁船であり、大型の実績は静岡県と茨城県に集中している。私は実績のある遊漁船に乗って始めたが、実績のない地域でイチからポイント開拓するおもしろさもある。四国や九州からも小型ながら釣れたとの報告を受けているし、日本海側にも生息していると聞く。実績のあるポイントでチャレンジするのか、ポイントを開拓しながら挑戦するのか、興味のある方はそれぞれの思いで行動に移してほしい。

ただし、手巻きリールを使ったジギングでアブラボウズを狙うにはそれなりの気構えや覚悟が必要となる。そして、タックルを揃えるにもそれなりの投資が必要で乗船代も基本的にはチャーター料金となる。

他に必要なものといえばやはり体力だ。水深800㍍のポイントに1000㌘のジグを沈めるのだが、終日釣りをする場合は5~8回ほどポイントを流すことになり、4000~6400㍍のラインを手で巻き取らなければならない。ジグだけを巻き取るよりも、魚が掛かっている方がラクと思えるような世界なのだ。

その中で体力の消耗が激しければ集中力の低下を招く。そうなるとジグの操作がおろそかになって魚信を得られない。アタリがあってもフッキングに失敗したり、その後のバラシにも繋がる。この釣りにおいて集中力を維持するための体力はタックルと同等以上に重要な要素である。それゆえ、私は挑戦者にいつも覚悟を求めてきた。

新たな魚種に挑戦する場合、直近の目標、3年後、5年後、10年後の目標を思い浮かべてほしい。それは成功例をイメージすることだ。大物を手に写真を撮ってもらっているシーン、釣った魚を家族や仲間と食している、あるいは自身のファイトシーンなどを頭に思い浮かべてほしいのだ。具体的な数字の目標は釣行の前日にワクワクしながら決めればよいことであり、目の前の魚にとらわれないことが5年後、10年後のスタイルを構築するカギになるはずだ。特にアブラボウズを目標にすると、小手先のテクニックよりも体育会系や武道部系の精神論、根性論の方がずっと重要に感じられてならない。

過酷な要素が多い釣りだけに、その先には大きな達成感が待っている。

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