【欲張りショアラーのツボR vol.4】リバーシーバスゲーム・熊野川上流域の可能性を検証
「知りたい、試したい。でも情報がない…」ということで釣行を躊躇するケースも多いもの。ただ、誰もが試すようなパターンや場所ではときとして情報に惑わされることもありますが、まったく情報がない中でのチャレンジがうまくいけば、自身が情報元となって大きな達成感を味わえます。たとえばリバーシーバスゲームの場合は…
Text & Photo 山本典史
[spacer]リーバーシーバスゲームでは河口からどの程度上流までシーバスが釣れるのか? 僕の知るところでは、関東の利根川では河口から150㌔上流でシーバスがキャッチされていますし、自らの経験として秋田県の雄物川では河口から70㌔上流でシーバスを釣っています。また中国地方の江の川でも河口からかなり上流でキャッチしたことがあります。
そして、今回はホームの紀伊半島におけるリバーシーバスゲームでそれを検証した結果をレポートします。ただ、利根川は高低差の少ない関東平野にあり、江の川と雄物川は日本海側の河川です。地域差が少し気になるところですが、僕が国内の河川で最も好きな熊野川ではどのあたりまでシーバスが遡上しているのか? そんな疑問を抱き、実は数年前から検証していました。そして、ようやくある程度の材料が揃ってパターンが分かったため、今回はその検証結果と僕なりの見解をレポートしたいと思います。
熊野川の特徴
「熊野川は釣果のアタリ・ハズレが多い」というのはフィールドで出会うアングラーからよく聞く意見です。まさにその通りでなかなか釣果に結びつかないことも多いというのが正直なところです。そんな同河川の上流部で僕がシーバスをキャッチした実績としては、北山川との合流部から上流にのぼった最初の瀬があげられます。
ちなみに、北山川でも同じようなシチュエーションで合流から上流の最初の瀬落ちで釣れました。これは「釣った」ではなく、あくまでも「釣れた」です。また、情報としてはまだまだ上流で釣れたという話を聞いたことがありますが、僕自身の実績ではないので確かなことはいえません。それに、北山川との合流部から河口までに大規模な瀬がいくつもあり、「シーバスがここまでは遡上してくるのは無理なのでは…?」という印象を受けます。そんなわけで実際に狙ってシーバスをキャッチできるのは、個人的に北山川と熊野川の合流点が最上流になると考えています。
同じポイントで連続ヒット!!
以降は夏に釣行したときの模様を例にあげてレポートを続けますが、釣行したのは渇水が長く続くタイミングでした。つまりこの状態で同エリアにシーバスがいれば、ここから下流はすべてがポイントとなり、さらには純淡水域でひと夏を過ごすシーバスが熊野川にもいるということになります。過去には同エリアで何匹ものシーバスを釣っているので僕的には確信を持っての釣行となりました。
同エリアで条件的に多いパターンを紹介すると「①北山川の水質がクリアで熊野川がマッディー」、「②北山川の水質がクリアで熊野川もクリア」の2パターンになります。このエリアで何十回も竿を出したわけではないので確かなことはいえませんが、「北山川がマッディーで熊野川がクリア」というパターンは過去にほとんど見たことがなく、他にも両河川ともにマッディーになるような増水時は釣りになりません。
今回の釣行時は②のパターンでした。これは渇水時に多く見られるパターンであり、真夏と冬場に多い状況です。過去、冬場にこのパターンで釣果を上げたことはありませんが、夏場は比較的ヒットすることが多い条件となります。
両河川ともに比較的規模が大きいので遠投できるルアーが必要です。そこで当日もロングキャストできて流れにも強いスリムミノーをチョイス。これで合流点より釣り下りながら攻めます。また、合流点から両河川を攻めるためにウェーダーを着用して川に立ち込みましたが、安全を確認した上で熊野川の方から立ち込み、北山川へとキャストするパターンとしました。
それぞれの河川で水質などが大きく異なるのか、いずれかに濁りが入っているときはかなり下流まで水が混じり合わず、2列になって流れる様子が見られます。それと、あくまでも個人的な感覚による印象ですが、北山川水系は水が軽く、熊野川水系は重いように感じられます。そんなわけでこの日も最初は軽い引き抵抗ながら途中で重くなるといった具合でした。暗闇の中でも感覚の違いが分かるほどです。過去の実績でいうと夏場はやや水温が低い北山川の方でアタリがでることが多いため、今回もその点を意識してロングキャストで攻めますがなかなかアタリがでません。
もともとイージーにバイトが得られる場所でもないのでじっくり攻め下っていると、およそ50㍍ほど下流のポイントで待望のヒット!! ルアーの引き抵抗が重くなったタイミングで食ってきました。熊野川にいた個体か、それとも北山川からチェイスしてきたのか、真相は定かではありませんが、その境目についていた、もしくは境目がバイトゾーンになっていることは間違いありません。慎重なやりとりの末にランディングしたため、ややポイントを荒らしてしまった感は否めませんが、とにかくキャッチしたシーバスは60㌢アップのまずまずサイズ。横から飛びつくようにバイトしてきたのでしっかりとフッキングしていました。
[spacer]その後はポイントを休める意味合いもあり少し上流に移動してアプローチを再開し、再度釣り下っていきます。すると、先ほどと同じ場所で同じようにヒット!! キャッチしたのは60㌢弱の小型でしたが、なかなかのファイターで引きを楽しませてくれました。
[spacer]とりあえずこのポイントの少し上流に河原の石を積み上げてマーキングします。アプローチを再開して釣り上がると、先ほどのポイントでまたしてもヒット。しかし、今度は残念ながらウグイでした。ルアーをシンキングペンシルにかえていたので、再度ミノーに戻して攻め直すもその後は反応がなくなり、ここで少し仮眠を取ることにしました。
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