爆釣に導く夏の超攻撃的スタイル【チヌゲーム編】 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 3

爆釣に導く夏の超攻撃的スタイル【チヌゲーム編】

ディープはイガイが剥がれる低潮位時がベスト‼

阪神エリアにおいて春~夏を中心としたシャローゲームでヒットするのはほとんどがキビレだ。私の場合、浅場では年間で軽く3ケタの釣果を上げているが、その中でマチヌは数匹程度。年によっては出会えないこともある。

一方、ディープに面したエリアでは餌釣りで大型チヌが上がっている。この実情を踏まえてディープに面したテトラや急斜面の石積みエリアに注目するようになった。ルアーはいろいろと試したが、チャター型のブレーデッドベイトの開発に成功してからは安定した釣果を出せるようになった。このパターンの魅力は良型がヒットするということ。45㌢は当たり前で50㌢を越える年なしに出会えることも珍しくない。

メインシーズンは晩春から初秋にかけての高水温期。イガイの成長が1つのキーワードとなる。阪神エリアの場合、イガイの種類は潮間帯に多く生息するムラサキイガイがメイン。春から夏にかけて大きく成長するが、主に湾内でも少し潮通しのよい縦ストラクチャーの硬い部分に付着している。安全なシェードや隠れ家を求めるのと同時に、大型のチヌはそれらを狙って集まってくる。

他にも捕食対象はいろいろといるが、波によって洗われ沈降していくものは格好の餌食となる。フォールに好反応を示すのはこのためだ。イガイは潮間帯下部に多く付着するため、それらが波で洗われる潮位の低いタイミングが狙い目になると考えている。

ディープのアプローチ法

マッチ・ザ・レンジを意識したアプローチが中心となる。ルアーはブレーデッドベイトをメインに使用するが、シンキングタイプなのでリトリーブスピードとロッド角度でレンジをかえることができる。

マッチ・ザ・ベイトの観点からいうと、宙層に洗い出されてもがきながら泳ぐカニを演出するイメージとなり、できるだけスロースピードをキープするのがキモ。よりスローに誘えるように足場の高さを調整することもある。狙いはテトラ帯や急深の石積みでそれらの水中斜面にアプローチするため、ショアラインとほぼ平行にキャストする。そして、波が洗う場所からどれぐらい離れたコースを狙うかによって水中斜面のどのレンジを通すかが決まる。

キャスト後はストラクチャーにコンタクトするまでフォールさせるが、必ずテンションフォールで落とし込むこと。ズル引きと同様、フリーフォールさせるとストラクチャーの隙間深くまでルアーが入り込んでしまう。それと、ブレーデッドベイトの場合、横方向の動きでブレードが作動する構造となっている。そのため、テンションフォールでラインを沈めた方がアクションの立ち上がりがよい。

フォール後は基本的にストラクチャーにコンタクトさせながらトレース。コンタクトの感触が強過ぎると感じたときはロッドティップを上げるか、リトリーブスピードを上げて対処する。逆に何の感触もないときはストラクチャーまで再びフォールをさせるか、リトリーブスピードを落とす、ロッドティップを下げるなどして対処する。

ロッドティップを小刻みに振動させるのがコツ

リトリーブスピードは低速が基本でブレードが振動するギリギリのスピードで引けば食いがよい(魚の活性によってはスピードを上げることもあるが…)。限界値を下げるコツとしては小刻みにロッドティップを振動させること。イレギュラーにテンションを変化させることでブレードがより低速で起動するようになる。

リトリーブコースのアレンジとしては、水際に立てる場合は波打ち際にキャストしてロッドを突き出し、ストラクチャーにコンタクトさせながらレンジを下げていく。この方法が最もチヌの反応がよいように感じている。上から落ちてくるものを待っている状態ではやはりフォールに対して強く反応する傾向があるようだ。

一方、その日のチヌのコンディションによっては深いレンジ(急斜面の底)がよい場合もある。このようなときは際から離れた場所にキャストし、ロッドを突き出してリトリーブする。

チヌゲーム 釣り方4
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アタリへの対応

アタリはグッと押さえ込まれるパターンが多い(ときには根掛かりと同様の感触もある)。テンションがかかっているのでアタリがあった時点でフックポイントはすでにチヌの口のどこかに立っている状態となるため、ここから落ち着いて状況を判断して合わせを入れる。

また、アタリの後にラインが根にすれる感触が伝わることも。このとき、チヌはルアーをくわえて素早くテトラの中や岩陰に戻ろうとしており、当然根にこすれながらの合わせとなる。そこで必ず太めのリーダー(フロロ4~5号)を使用するようにしたい。

根ズレの感触がない場合は落ち着いて状況を判断することができる。注意したいのは魚がフックを外そうとしてアングラーの方を向いて首を振っているのに強くあおってしまうこと。当然これではすっぽ抜けてしまう。

いずれにしてもアタリによって魚の向きを察知し、タイミングよくフッキングパワーを伝えなければならない。グイグイと引っ張っていくようならほぼ確実に向こう(アングラーと逆側)を向いている状態なので、より深くフッキングが決まる。

《ディープ狙いの参考タックル》ロッド=バレーヒル・サイファリストCPKS-82KT/リール=シマノ3000番/ライン=サンライン・キャストアウェイPE0.6号/リーダー=サンライン・トルネードVハード5号/ルアー=バレーヒル・クエイキーバグ

(SWゲームフィッシングマガジン 2015年8月号より)

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