二枚潮に打ち勝つ近海ジギング講座【後編】 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 3

二枚潮に打ち勝つ近海ジギング講座【後編】

【番外編】アジ&サバ狙いのパーフェクトプラン

スローピッチジャーク 近海ジギング10

伊勢湾ジギングの夏の風物詩としてサバやアジを外すことはできない。おそらく、各エリアの近海ジギングで手軽なお土産候補として人気のターゲットだろう。例年、伊勢湾ではGWあたりから釣果が上がり始めて夏いっぱいまで楽しめる。シーズン初期は大型が多くて引きが強く、真剣に狙うと意外とテクニカルで、アプローチしだいで釣果に大きな差がでるゲーム性の高さも魅力だ。

なお、伊勢湾の場合は水深25㍍前後の通称“アジ・サバ牧場”と呼ばれるシャローエリア、水深100㍍前後のディープエリア(伊良湖水道)で狙うことが多い。

ディープエリアのパターン

100㍍前後の伊良湖水道ではマアジをメインにカマスも狙える。アオアジやサバも混じるが、効率性を重視するとマアジとカマスに的を絞るのが得策だ。

どちらも攻め方は同じで、フォールがメインの釣りとなる。潮流に合わせて150~200㌘のジグを用い、5本バリ程度(ピッチは30㌢)のジギングサビキで狙う。サビキの種類は圧倒的にカマスサビキなどの金系が強い。ジグはアジがメインならピンク、カマス狙いは緑金が高実績。

アプローチのバリエーション

①直底後、リールを5~10回巻いてフォール。再び着底させたら同じ動作を繰り返す。

②アタリがなければ着底後にリールのハンドルを2~3回転させ、ロッドを大きくシャクり上げてから素早く竿先を下げて海面のラインの動きでアタリをとる。リーリングはせず、ロッドワークのみでジグを操作する。

③着底後にロッドを大きくシャクり上げ、竿先を元の位置まで下げるとともにリールのハンドルを1回転。再びロッドをシャクり上げて…というパターンを10セット繰り返してからフォールさせて底を取る。この繰り返し。

スローピッチジャーク 近海ジギング11

シャローエリアのパターン

シャローではサバ・アオアジ・マアジが狙える。混在するマサバとゴマサバの釣りわけはできないが、アオアジとマアジの釣りわけは可能だ。簡単にそれぞれが回遊するレンジを紹介すると、アオアジは宙層、マアジは底層、サバは表~底層の広範囲の中で任意のレンジを回遊している。

アプローチの概要

まずは、2本バリ(ピッチは35㌢)のサビキ仕掛けをセットしたジギングサビキでスタート。ジグのウェートは100㌘前後で、シングルのアシストフックを前後にセットするか、同寸のツインフックを前後のどちらかにセットする。

まずは軽くキャストして着底までの時間をカウントし、ポイントの水深を把握することから始める。つまり、フォール時のカウントで狙いのレンジを設定できるため、底取りの手間が省けて効率よく釣ることができるわけだ。

ここでは、15カウントで着底したと仮定し、ターゲットごとにアプローチの流れを紹介しよう。

●サバ…軽く投げて水深の半分程度(7~8カウント)まで落とし込んだら、ヨーヨー釣りでアプローチ。3~5回ほどシャクッてアタリがなければ、5カウントほどフォールさせてヨーヨー釣り。これを繰り返し、着底すれば回収する。

スローピッチジャーク 近海ジギング12

また、アタリがあったレンジのカウント数は必ず覚えておこう。次の投入では一気にそのカウントまでジグを落として集中的に探ればOKだ。

●アオアジ…10カウントほどフォールさせたら1ピッチジャークなどであまりフォールを入れずにシャクり上げる。リールハンドルを10回ほど巻いたら、再び5カウントほど落とし込んで同様にジャークを繰り返す。スローな動きよりも、ある程度速いスピードに反応しやすいことを覚えておきたい。

●マアジ…着底後、リールハンドルを10回ほど巻いてからフォールでアタリを待つ。この繰り返しでOK。リーリングは速巻きでもいいが、底付近ではエソがアタッてくる可能性が高いため、ボトムから4~5回転は速巻きを控えたい。

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ジギングサビキのノウハウ

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サビキ仕掛けは釣り続けているうちにどうしてもエダスを切られてしまう。そこで、私は回転ビーズ(ささめ針・スーパー回転ビーズ)を使って幹糸とエダスを接続している。交換時は、予備のサビキバリのエダスを回転ビーズに通し、5㌢ほどの長さとなる位置に8の字結びでコブを作るだけなので、船上でも素早く対応できる。

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高活性時は一度に3匹ほどヒットすることもあるが、重くてなかなか寄せられないことも。そんなときはサビキ仕掛けをはずし、ジグ単体(シングルのアシストフックを前後にセット)で手返しよく釣る方が効率的だろう。

スローピッチジャーク 近海ジギング16

市販仕掛けの枝をカットし、エダスつきのサビキバリを用意しておく。その日のベイトなどによってアタリのでやすいサビキのカラーやタイプは異なるので、カマスサビキ(金系)やスキンサビキ(白、ケイムラ系)など、豊富なタイプを用意しておけば万全だ。

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《参考タックル》 (マダイ狙い)ロッド=ホッツ・スロースタイルSSS63MS/リール=ダイワ・ソルティガ4000H/ライン=バークレイ・スーパーファイヤーライン1号/リーダー=サンライン・トルネードVハード5号 (五目釣り用)ロッド=スミス・オフショアスティックSLJ-S62M/リール=ダイワ・セルテート3012H/ライン=バークレイ・スーパーファイヤーライン1号/リーダー=サンライン・トルネードVハード4号 ジグはディープライナー・スロースキップFB70~200㌘、Vib75~210㌘、スパイV80~200㌘(カラーはトマトゴールド、グリーンゴールド、アジ、NSゼブラなど)、ダイワ・TGベイト80〜150㌘(ピンク、マイワシ)などをメインに使用。

(SWゲームフィッシングマガジン 2014年7月号より)

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