磯のヒラスズキ・アタリを倍増させる真のスローアプローチを徹底解説 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 2

磯のヒラスズキ・アタリを倍増させる真のスローアプローチを徹底解説

ヒラスズキの視点で考えると…

海の生物たちは想像以上に厳しい環境下で生き抜いていると感じることが多々あります。ヒラスズキもしかりで、餌が付近を通ったからといってむやみに飛びついていたのでは狩りに失敗することも多く、エネルギーを浪費してしまいます。そんなことでは厳しい自然界で生き抜いていけないはずです。

そういったことからも磯のヒラスズキは地形やサラシ、あるいは流れを利用して餌を捕食していると考えています。また、確実に餌を取れるチャンスがあれば、かなりのリスクを冒してでも捕食しようとしていると感じます。

磯のヒラスズキ・釣り方6
厳しい自然界で生き抜くには狡猾さが要求されます。それを前提にヒラスズキの捕食パターンについてイメージしましょう。

そして、基本的にヒラスズキは待ち伏せ型の捕食をする魚です。キビナゴなどの小魚について回遊したり、大きな群れで捕食活動をしている場合もありますが、磯でヒラスズキを狙う場合は餌が流されてくる場所で待ち伏せている個体を狙うのが基本だと考えています。

遊泳力の弱い小魚は、波や流れが強くなると自由に動くことができません。そのような状況下でルアーを速く動かすということは、ベイトとは異なる動きを演出することになります。

また、ヒラスズキにとって都合がいいのは身動きが取れない状態で目の前に流されてくる小魚などをイージーかつ確実に捕食できる、そんな場所に定位することです。このように考えると、やはり流れの中でスローにルアーを操作することがヒラスズキを攻略するうえでは一番の方法といえるでしょう。

タックルバランスの追求

◾️ロッド…Go-Phish・The Spot King“master plugger”16.5T(16.5㌳)と同13.0T(13㌳)を使用しています。テレスコタイプの16.5Tは非常にしなやかでルアーをコントロールしやすく、ラインメンディングなど長さを生かした攻め方をすることで釣りの幅が広がります。13.0Tは持ち重りしにくいので強風時や根の少ない磯、ゴロタ場などのリトリーブしやすい場所で長時間釣りをするのに最適なモデルです。両者ともに乗せ重視で荒れた海面でもヒラスズキのバイトを弾かず、口にしっかりとフッキングが決まります。さらに、魚の動きを吸収するので「いなす・溜める」などのロッドワークを生かしたやり取りが可能。しっかりと曲がって魚と対峙します。

◾️ライン…PE2.25号クラスを使用。強度はもちろん、太めのものを使用する方がラインの重みをロッドで感じやすくなります。また、太めのPEラインは水に浮くのでメンディングしやすいのもメリットです。リーダーはフロロ30Lbを使用。長くすると波の中でルアーをコントロールしにくいので1.5~2㍍としています。

◾️ルアー…スローなアプローチではわずかな水流でも水面直下でアクションし、ラインの張りだけでトレースできるルアーを選ぶことも重要となります。また、赤金やピンクなど、視認性の高いカラーは流れの中で操作しやすいことはもちろん、ルアーがどのような状態のときにバイトしてくるのかを確認できるのでおすすめです。

磯のヒラスズキ・釣り方7
磯のヒラスズキ・釣り方8
繊細な釣りであるがゆえにタックルのバランスは非常に重要です。

スローなアプローチにおすすめのルアー

タックルハウス・K2R112SP

リップがないので引き抵抗が軽く、慣れるまではルアーの存在を感じにくいかもしれません。しかし、水面直下でスローに操ることができればヒットが倍増するため、じっくりとヒラスズキに見せるイメージで使い込んでほしいルアーとなります。なお、圧倒的な飛距離も大きなアドバンテージです。

タックルハウス・Tuned K-TEN TKLM “12/18”

超スローでもしっかりとアクションし、なおかつわずかな水流でもフラッと流されてバイトを誘います。流れにまかせて水面直下をスローにフラフラと泳がせるイメージで操作すればいいでしょう。


【吉田裕彦・プロフィール】

ロングロッドスタイルによる磯のヒラスズキゲームをメインに、シーバス・青物・メバル・アジなど、さまざまなショアゲームに精通するエキスパート。圧倒的な実戦経験をもとに、釣果を左右するあらゆる要因を自身の釣りにフィードバックさせて独自のスタイルを構築。常に安定した釣果を上げている。また、その陽気で面倒見のよい人柄からY師匠の愛称で親しまれている。

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