【SWクリニック】魚のキープ法について
基本はストリンガーで生かしておく。魚体の冷やし過ぎにも要注意
Answer:赤木光広
釣った魚に最善の処理をして持ち帰り、おいしくいただくことで家族や仲間との食事がより楽しくなれば釣り師冥利に尽きる。私が最も得意とする分野だ(笑)。
ロックショアゲームの場合、それなりの容積があって新鮮な潮が入っているタイドプールをあらかじめ見つけておく。なければ穏やかな内磯でも構わない。
魚をキャッチしたらストリンガーに掛け、できるだけ早いうちにプールに移して30分以上は放置しておく。落ち着かせることで体内の乳酸値と体温を下げ、元気な状態にしてやるわけだ。ストレスをかけないように重いストリンガーは避け、軽量なロープタイプのものを使用したい。私の場合、ブリ・ヒラマサ・カンパチ・ヒラスズキであれば釣りを終えて引き揚げるときまでこのように泳がせている。
魚の体温が高い状態で締めると食味がかなり損なわれるうえ、高水温時は身割れにも繋がるので避けたい。とはいえ、キープしておく場所がないときや、カツオやサワラのように弱りやすいうえに足の早い魚の場合は釣り上げたらすぐに締める。
興奮状態がおさまって静かにサスペンドするようになれば引き上げ、両方のエラを切断して再度プールに入れて血をすべて出しきる。完全に血が抜けたら専用のワイヤーを用いて神経締めを行なう。青物やマダイは尾から、スズキ・ヒラスズキなら頭からワイヤーを刺して神経を破壊する。それから腹を開いてワタを除去する。このときに胃の内容物を見ておくと何がベイトとなっているかがわかる。きれいにワタを取ったら背骨の脇に見える血合をブラシなどでしっかりと落とす。こうすることで身に臭みがつきにくくなるうえ、より長く鮮度を保つことができる。
クーラーボックスで保存する際は魚体を厚手のナイロンで巻くか、新聞紙に包むのがベスト。その日のうちに食べるのであれば氷は冷気が少し回る程度の必要最小限の量でよい。冷やし過ぎると死後硬直が早まり、神経締めをした意味がなくなる。
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