パイオニアの釈迦スタイル《PART2》
磯のヒラスズキゲームの開拓時代
私のルアーフィッシングが劇的にかわったのは、昭和61年に関西で最初といえる本格的な海のルアーフィッシングのクラブ、SWAC(スワック)に入会してからです。それまで単独釣行だったのが一気に20名ほどの仲間ができ、情報も豊富に得られるようになりました。
当初、スワックでの課題は夏場に何を狙うかということと、もう1つは磯でヒラスズキを釣ることでした。夏はアカメをということに決まりましたが、時期はまだ2月。まずは磯のヒラスズキということになり、9名で釣行しました。
全員が磯に上がるのは無理なので河口組と2手にわかれ、私は磯組となりました。とはいえ、当時はまだ誰もこれといったポイントを知らず、メンバーの1人が以前にバラしたことがあるということと、サラシ場で釣れるということしか情報がありません。また、シーバス狙いは朝夕のまづめどきをからめた夜の釣りだと思っていたので磯へも深夜に入り、昼ごろまでキャストを繰り返しました。結局、ベタナギでノーヒットに終わり、波のない日でも干潮時には少しサラシができるということがわかったのが唯一の収穫でした。
その日は大潮だったので翌週なら朝まづめと干潮が重なることから釣れるのではと思い、私1人だけとなりましたが再釣行を決めました。そして、まだ暗いうちから磯に上がると先週とはうってかわって波が高くて大きなサラシが広がっており、考えた通りに70㌢級を3匹キャッチすることができました。
しかし、話はこれで終わりません。完全に日が高くなったので帰り支度をしていると地元のルアーマンがきて、すぐに80㌢クラスを釣り上げたのです。これを見て、サラシがあれば日中でも釣れると確信し、その後は暗いうちから磯に上がることがなくなりました。
その情報をクラブのメンバーに伝えたところ、翌週は1つの磯に6人ということになり、そこから私の磯のヒラスズキポイントの開拓が始まりました。開拓にあたってまず行なったことは、地図で出っ張った地形に目をつけ、片っ端から竿を出すことです。誰もが考えつくことですが、出っ張ったところには波がよく当たってサラシができやすく、実際にたいていのところで釣れました。
次に利用したのは空撮のガイドブックです。主に餌釣りのポイント紹介として撮影されており、磯のヒラスズキのポイントとなる場所はほとんどページの隅っこだったり、ページとページの間だったりします。したがって、単純に餌釣りポイントのすぐ近くに磯ヒラポイントがあるといえます。サラシが写っていればそこがポイントになることが大半でした。
ただ、ベタナギのときに撮影されたページにこそ、ポイント捜しの醍醐味が隠されていると私は感じています。その場合、まず海岸線の色を見ます。2色なら満潮時、3色は干潮時です。その中で少しだけ頭を出している磯を捜します。そして、波が越える方向に沈んだ岩や溝があればポイントになる可能性があります。干潮時に頭を出す岩なら満潮時にポイントになるといえます。
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