釣果を操る「光」の秘密【PART1 アジング&エギング編】
エギング
夜釣りはあまり好きではないが、おもろい発見もいろいろと…
解説:弓削和夫
私自身、夜はエギングをしない。エギングは昼間にイカを寄せてきてラインを見て合わせるものだと思っているから夜に釣れてもおもしろくない。それでも知人に誘われて竿を出すことがある。当初はできるだけ明かりのある場所に限定していたが、暗いところでもやった。
10年以上前に神戸空港ベランダで夜にアジングをしている最中に、ちょっと餌木を投げてみた。すると1投めからイカが餌木を触りにくる感触があり、2投めに抱かせることができた。しかし掛かり具合がわからない。勘だけでは早合わせになってしまう。
そこで、ヘッドライトをつけてみると茶色い水中に一瞬影が見えた。いるのがわかれば抱くタイミングもわかる。そこから数ハイ釣り、少し移動すればまた釣れるという具合に、勘頼みの釣りから脱却して数を稼げるようになった。神戸港のような濁りのある中ではこうしたライトサイトゲームも可能なようだ。
数年前に広島の釣友から「これ使ってみて」と渡されたのが西ドイツ製のLEDLENSERというヘッドライト。照射角度や光量の調整ができる優れものである。
これを淡路島の真っ暗なポイントに案内されたときに使ってみた。初めての場所のため水深を把握するためにライトをつけたまま餌木を軽く投げ、着底してラインが緩むまでカウントを取る。次に何回シャクれば餌木が水面にくるかも数えた。この作業を行なうだけでも夜のエギングは成立する。例えば淡路島であれば海底の起伏が少ないのでどこの護岸でも使える手だ。
慣れれば着底させずとも上からのカウントダウンだけで釣ることはできるが、まずはボトムからのシャクり上げで誘う。5㍍ほど沖で餌木が水面近くにくるようにして、ライトで餌木の近くを照らしながらステイさせる。手前にスライドしてくる餌木に合わせてアゴを引き、光の輪を手前に寄せてくる。その間に餌木がバックすればロッドを立てて軽く合わせる。ただ、これで掛かってくるイカは小型が多かった。また、淡路島南部ともなると水の透明度が高いこともあって思ったほど釣果は伸びなかった。隠岐諸島で同じことをやったときは釣れなかった。
[spacer]■光の角度も大切?
もともとイカは光を嫌うといわれている。「タバコの火もつけるな」という人もいる。それに逆らったような釣り方だから、いくら光量を落としてもイカにしてみれば眩しいのだろう。ただ、角度をかえてみようと高いところから照らしてみると釣果が上がった。また、動物は赤い光を感知できないと聞き、ライトの前面に赤いフイルムを貼ったこともある。だが、使う私の方が見づらいので使用を断念した。
アオリイカのサイズがよくなるエギングのシーズン終盤には、防波堤にライトを沖向きに設置してロッドティップから伸びるラインのみを照らすことがある。動かさず点灯させたままにするとベイトが寄り、釣りを成立させられるが水面を照らしてイカを捜すのは控えたい。
浜ではロッドを立てた状態でホールドすることになるが、やや上向きにライトを設置すればラインのみを照らせる。ヘッドライトだと見上げる格好になって疲れるためやらないが…。
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