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磯のヒラスズキゲーム入門【トップウォータープラグ編】PART2

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PART1に続き、トップウォータプラグで楽しむ地磯のヒラスズキゲームについて紹介。この釣りならではの注意点や基本的なアプローチ法などをしっかりと押さえて安全第一でゲームを楽しもう!!

解説:宇井晋介

地磯で楽しむヒラスズキゲームならではの注意点

これだけは十分頭に入れておいてほしいのが、渡船利用の沖磯よりも地磯の方が危険だということである。なぜなら地磯ではすべてが自分の判断力と体力にかかっているからだ。安全確保のための準備や情報収集を欠かさないことが前提となる。

釣行前にはインターネットなどで波高をチェックする。もっとも、地形や風向きによって波高はがらりとかわるため最終的には現地で確認することになる。基本事項として波高4㍍以上なら釣りをしないこと。

そして、釣り場に入ってもいきなりルアーをキャストせず、磯際から少し離れてしばらく波の様子を観察する。波にはリズムがあり、低い波の合間にときおり大きな波が立つので要注意。足場になりそうでも濡れている場所は波をかぶっている可能性があるので避けるのが賢明だ。

当日の天候が回復傾向なのか崩れる方向なのかも重要な点である。後者の場合は急激に波が高くなってウェーディングで浅場を歩いて渡るようなポイントだと帰れなくなる恐れがある。これは潮汐においても同様で、ポイントへ渡ったあとで満ちてくるのか引いていくのかを必ず把握しておくこと。

また、台風シーズンである秋に多いウネリには特に気をつけたい。津波と同様に波長が長いので1つの波の体積がとても大きくて力があり、磯際で砕けずに足場まで這い上がってくることも珍しくない。波をかぶりながらのハードな釣りをイメージして格好いいなどと思うのは、はっきりいって誤った認識だ。波の力は見かけよりもはるかに大きく、直撃を受ければ転倒することも少なくない。特にランディング時は意識が魚に集中してしまいがちなため、波に足をさらわれての転落事故が多発している。そうなるとケガだけではすまない。磯に立っている間は常に波の状態には気を配っておかねばならない。

移動時も磯を甘く見ないことだ。体力や年齢に関係なく、できる限り飛び移ることは避けてほしい。遠回りになってでも歩いて渡ること。

なお、万が一のときのために携帯電話を防水ケースなどに入れて常時携行しよう。

絶対に無理はしない

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最初のうちは必ず経験者と同行しよう。長年このゲームをメインに楽しんでいる私でも、なるべく単独釣行は避けている。万が一の事故のときに誰にも気づかれなければ命を落とす危険がある。磯での釣り自体が初めてならば、平坦な地磯で経験値を積むのもよい。ただし、平坦なほど高い波から避難する場所がないというリスクが高まる。海況の穏やかな日を選ぶことが条件だ。

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釣り場にエントリーするタイミング

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移動ルートの選択が最も制限される満潮前後のタイミングが安全だ。それ以降は干潮まで移動ルートが増えていくからである。サラシが形成される地点も増えていくので釣りやすいというメリットもある。干潮時にエントリーした場合、帰るときには潮位が上がって移動ルートがなくなっている恐れがある。時間帯としてはまづめときが有望だが、慣れるまでは足もとが視認できる日の出後にエントリーし、次の潮が上げ始めるまでのタイミングで切り上げるのが無難だ。

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移動時の注意点

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水際付近の足場が低いところを通るときは、1歩ずつ立ち止まって波がかぶらないかを確認。

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傾斜のある磯などに手綱が設置されていることがある。ただし、誰がいつ設置したのかわからないケースも多い。全体重をあずけることは避けて、しっかり足にも体重を分散させること。なお、使用後はもとの位置へ戻すことも忘れずに。

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ノリはとにかくよく滑るので極力通らないこと。ただ、ベイエリア中心で楽しまれている方でも海藻には何となく注意を払うだろう。軽視しがちなのは何も生えていない「ただの乾いた岩」だ。極めて硬質なためスパイクが食い込まない岩もあるし、意外にやわらかくて崩れるケースもある。1歩ずつ足を引っ掛けるように進み、岩の質をチェックすることが事故防止のうえで肝要だ。

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確実な安全装備で臨もう‼

ライフジャケット…体の動きを制限したり足もとの視界をさえぎらない、タイトなものがよい。ちなみに私はポケットの少ないシンプルなデザインで、軽量かつ股ベルトが不要な設計で身動きが取りやすく安全性が高いアイテムを使用している。

フィッシンググローブ…移動時はもちろん、アプローチ時も必ず着用すること。バランスを崩して鋭利な岩やカメノテなどが付着しているところに素手で手をついてしまうと大ケガにつながる。なお、移動時はロングタイプ、アプローチ時はハーフタイプと2種類あれば理想的だ。

携帯電話…万が一のとき、外部と連絡を取るための必需品。防水タイプや防水ケースを使用するなどして水濡れ対策を講じよう。予備バッテリーも持ち合わせておきたい。

磯靴…さまざまな地質に対応できるフェルトスパイクタイプがよい。フェルトやスパイクの摩耗状況などはこまめにチェックしよう。なお、着用すれば滑らないということではない。あくまでも油断は禁物だ。

ウェダー類…波による水しぶきなどで濡れることが想定されるためウェダーを着用する。ちなみに、地磯を移動する際の運動量は半端なものではなく、真冬でも汗をかく。そのため蒸れやすい素材や動きにくいタイプは避けたい。私の場合、ストレッチ性にすぐれたアユ釣り用のタイツを愛用している。

双眼鏡…釣り場を離れたところから確認するためのツール。「先客がいないか」「波高は安全が確保できるレベルか」といったことに早い段階で気づくことでムダな疲労の蓄積を防ぎ、結果的に安全に繋がる。

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