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【アカムツジギング】アクションの強弱を考察

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アカムツジギング アクション1

アカムツジギングはまだまだ新しいジャンルだけに未知な部分も多い。その中でセオリーに近づこうと試しているのが「強いアプローチ」と「弱いアプローチ」であり…

解説:西本康生

セオリーに近づくために…

中深海ジギング、特にアカムツ狙いにおいては釣行するたびにターゲットの印象が変化している。同じジグ、同じ釣り方で通しても、ジグと釣り方を変更しながらアプローチしても釣果が同じだったりするのだ。そのときどきの海況や船長のクセ、乗船者の人数、アカムツの置かれている環境などによって、同じ釣りをしたとしても違う結果となる。パターンがないのか、パターンを見つけられないのか、まだまだ新しいジャンルだけにターゲットを知るのに時間が必要なのだろう。

そんなわけでアカムツジギングのセオリーは正直よくわからない。いうなればアカムツジギング自体が「脱セオリー」なのであろう。その中で気になって実践&探究をしているのが「強いアプローチ」と「弱いアプローチ」だ。これを追求することでセオリーに少しでも近づきたいと考えている。

大型のみに照準を絞るパターン

「強いアプローチ」では水深に対して重いジグを使用する。そしてフォールスピードを速め、ターゲットのサイズを無視した大きなシルエット、スーパーグローのベタ塗りといった強い発光量を最大限に活用する。狙いはそのポイントに潜む最大サイズのアカムツだ。

どの魚種にも共通していえることかもしれないが、大きなシルエットでスピードが速く、移動距離の長いアクションは大型個体に効果があるように思える。スピーディーかつ移動距離の長いアクションでターゲットの口を使わそうと思えば、魚の遊泳能力も関係してくる。そして、同じ魚種においては体長が遊泳力(泳ぐスピード)を決定する大きな要因となる。実際、魚のスピード(移動速度)は1秒間に体長の何倍移動したかという方法で表わされる。そして、1秒間に体長の10倍移動できる魚種の間でも、体長が50㌢の個体と100㌢の個体では単純計算で2倍の差が生じる。

そういったわけで「体長の差=移動速度の差」ということになり、強いアプローチではジグの移動に追いつけない小型がおのずと排除され、大型に的を絞る図式となる。ただし、大型魚も追いつけないようなスピードでは元も子もないので要注意である。 

アカムツジギング アクション2

また、発光量の大きなグローはジグのシルエットを膨張させる効果がある。ロングジグに塗装面が広く、発光量の大きなグローが施されていれば、よりシルエットを大きく見せる効果があるわけだ。これによりターゲットにジグを発見・認識させやすくなる。さらに、自分のジグを同船者よりも早く着底させれば集魚効果も高い。

大きなシルエットはアカムツに警戒心を与える可能性があるが、セミロングやロングジグを使うようになってその点を気にすることが少なくなった。この釣りを始めた当初からアカムツは好奇心が強く、ジグに好反応を示すという漠然とした印象を持っていた。深海釣りの代表的なターゲットであるキンメダイやアコウダイなどは胴つき仕掛けのハリの数だけ釣れることがある(昔は20本バリに20匹ということも珍しくなかった)。ハリとハリの間隔は最短で30㌢しかない。つまり、30㌢離れたところでハリに掛かった仲間が暴れようが何をしようが、急いで餌を取るのが深海魚の特徴なのだ。

深海は浅海に比べると餌となる生物が少なく、浅海の魚に見られる偏食は死を意味する。何でも食べることで命を繋いでいるのだ。古い漁師から「青物は口がきれいで深海魚は口が汚い」と教えてもらったことがある。青物は選り好みをし、深海魚は悪食ということである。

そういった深海魚の性質はアカムツにもあるように感じている。ロングジグにも好反応を示すアカムツと出合い、最初に感じていた「好奇心が強くてジグへの反応がよい」との考えは確信めいたものとなった。

アカムツジギング アクション3

強いアプローチでは大きなジャークによりジグのスライド距離を長く取ることで、移動速度の速い大型に狙いを絞ってアピールする。また、好奇心の強い深海の魚は本質的にハイアピールに好反応を示すことが多いと感じている。

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