豆アジングの魅力とゲーム性を徹底解説【前編】
一部のコアなアングラーの間ではその楽しさが認知されている豆アジゲームだが、一般的には未だ大型狙いに注目が集まっているのがアジングを取り巻く現状だ。そこで、近年その魅力に耽溺している私が独自の視点とスタイルで豆アジゲームの魅力や奥深さを紹介したい…
解説:安田栄治
豆アジの定義
独断と偏見で12㌢以下のサイズを豆アジと呼んでいる。ひとことで「豆アジ」といっても個人差や地域差が大きい。アジ釣りをしない人はスーパーや鮮魚店で売られている5~7㌢のアジを豆アジと呼ぶだろうし、地域によっては20㌢以下を豆アジと呼ぶことも。そういった意味でも今回はまず豆アジのサイズを定義することが不可欠と考え、前述のように12㌢以下を豆アジとさせていただいた。このサイズを境に大きければ釣りやすくなり、小さければ難易度が増すと感じるからだ。
豆アジゲームの魅力
このゲームの魅力は手軽さと、やり込むほどに感じる奥深さにあると思っている。メインターゲットのマアジは日本全国に生息し、季節ごとに移動する「回遊タイプ」と各地の沿岸の瀬や内湾に居着く「居着きタイプ」にわかれ、環境要因により20㌢にまで成長するのに1~2年を要するといわれている。つまり、サイズに固執せず豆アジを求めるなら、いつでも・どこでも狙える「安(安全)・近(近場)・短(短時間)」の3拍子が揃った手軽な釣りが成立する。
さらに、通い込めるので短期間のスキルアップも見込めるだろう。極論するとデカアジ釣りは場所とタイミング的な要因が強く影響するパターンといえる。一方、豆アジは「いつでも・どこでも」バイトを得るのは容易なのに、掛からないしすぐにバレる。専用タックルも少なく、難易度が高いというか思い通りにいかないことが多過ぎて最高におもしろい。釣り味に欠けるという意見もあるが、これはそれなりのタックルを用意することにより十分に楽しめる。
また、餌釣り師、ルアーアングラー、地元の方、遠征でやってこられた方が混在する人気釣り場であっても、まったりと楽しめる癒しの釣りである。特にハイシーズンを除いた釣りにくい時期は1人でのんびりと、思いのままに楽しむことが可能だ。繊細なタックルを用いることで多彩な魚種(身近な湾奥釣り場ではその存在さえ知らなかったような魚。ソゲ・チャリコ・マツダイの幼魚・イザリウオ・ゴンズイなど)がヒットする。そういった予期せぬ出会いもうれしいし、セイゴやイカ類・キス・ワタリガニなどの強引に吃驚することも少なくない。さらに、メインに楽しんでいる釣りの合間やオフシーズンに繊細な釣りに触れることは単に釣り感を鈍らさないだけでなく、「緻密な釣り=感覚の研鑽→他の釣りのスキルアップ」にも繋がる。こんな有意義な釣りを放っておく手はない。
テーマの設定
大型狙いの場合は単純明快にサイズが目標になるだろう。ホームエリアでの最大サイズ、遠征先でのトロフィーサイズと本当に夢が広がる。では、豆アジゲームに何を求めるか? それは決してミニマムサイズではない。また、極小アジバリ+ワームバケのスプリットリグ、アユバリを用いたアシストフックでのフォロー、サビキ釣りなど、手段を選ばなければイージーに釣る方法はある。しかし、私自身はジグヘッド+ワームという制約を設けてこの釣りを楽しんでいる。その中でより精度の高い釣りを確立することが目標だ。
ジグ単はライトゲームの基本であり、自由度が高くてまだまだ試せることがたくさんある。したがって高い意識を持って釣り場に通い込めば、経験値を上げて資質を向上させることが可能だ。焦らず確実にスキルアップを果たし、さらなるステップアップ(デーゲームや7㌢以下のリアル豆アジゲームなど)を目指す。副次的に周囲は反応があるのに掛からない、また掛かってもバラシが連発といった無間地獄に悶絶する中で穏やかにパーフェクトゲーム達成することも可能だ。さらにはアジの魚影が薄く、誰もが攻めあぐねる状況ではサビキ釣りを凌駕することもある。
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